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2008年 12月 22日
◎◎「下妻物語-ヤンキーちゃんとロリータちゃん」 嶽本野ばら 小学館文庫 630円 2002/10
 本書の名前を耳にしたのは、あれはいつだったのだろう?相手は、あの『都立水商!』を書いた室積光氏だったことは覚えているのだが。読書好きの集い的オフ会に室積氏も誘って、当然、面白かった本の話にもなるわけで、その時に室積氏が“『下妻物語』が面白かったですよ”と言ったわけで、まだ映画にもなっていない時期(映画公開は2004/5)だから題名が全然ピンと来なかったわけで、要するに映画化前だから、まあ2003年頃だったのだろうかととりあえず思考を着地させる評者なのである。(注釈:実は今まで、このブログでもちゃんと説明したことなかったが、既に文庫化済の本の紹介の場合、○○文庫、○○円という表記は文庫の方を、出版年は単行本の方を記載している。文庫の値段を紹介しながら、出版年は文庫化の年と違うという不具合があるが、価格のお手軽さを伝えたい&いつ上梓されたかを伝えたいという評者なりの工夫である。ちなみに本書の文庫化は映画化直前の2004/3である)。

 で、題名が何ゆえピンと来なかったかというと、地名&物語だからである。これが“探偵物語”とか“牧場物語”なんていう名前だと、ああ探偵の話かとか、牧場を舞台にした話かとか、ちょっとだけピンと来るものがあるのだが、地名だとどんな話なのか見等がつかないし想像力もかき立てられないのである。つまり、室積氏から『下妻物語』と聞いたとき、それは『房総物語』とか『阿波物語』とか言われたのと一緒で、ふ~ん、と思って、題名だけ記憶し、何かの機会に読むかもしれんし、読まんかもしれんと考えた程度だったのである。

 それが映画化されたわけで、ああ、あの本だと気付いたわけで、深キョンだったわけで、結構話題になったわけで、そういうときに読んじゃうと、ブームだから読んでるんだと思われるわけで、映画化の前から知っていた評者としてはそう思われたくないわけで、だからブームがあったこともみんな忘れてしまったようなこの時期に、今更ながら遅ればせながら読んだのである。いや~面白かった。肩の凝らない面白さって、こういうことを言うんでせう(←本書の中で意味もなく多用される旧仮名遣いモドキ)。

 映画化された場合、将来原作を読むであろうと判断したら、極力情報を仕入れない評者である。だから、先に映画を観ることは勿論しないし、映画に関する記事も読まない。ただ、深キョンがなんかメイドさんみたいな格好をする映画であることは、映像的にどこかで情報を拾ってしまうわけで、本書に対する情報はほとんど持たぬ中、なんかクダケタ物語であろうことぐらいの先入観で読み始めたわけである。

 副題の“ヤンキーちゃんとロリータちゃん”というのも、本書を手にとって初めて目にしたわけで、深キョンのロリータちゃんとイケメン男優のヤンキー、そんな話かな?映像的にはなんて思って読み始めてもイケメンはいつまでたっても出てこない。結局ヤンキーちゃんはこれも女性だったことに気付く(ちなみに調べてみると、ヤンキーちゃん役は土屋アンナというモデル出身の女優らしいが、梅宮アンナとの違いがわからず、土屋アンナwikiで詳しく調べてみた。調べたことをイチイチ書かないが、身長は168センチということで、まさしく本書のイチゴ役(ちゃんと本書内に身長168センチと書いてあるのだよ)に相応しいと思い、映像も観たくなったのことども。
※ちなみに深キョンの方のwikiは、結構荒れていて面白かったぞな。憶測とか、言った言わない的な記事が多いぞな(笑)。※

 内容はといえば、茨城のド田舎下妻(下妻の方すみませんm(__)mまあしかし、ド田舎というのは田舎より都会的なわけで、田舎だと高齢化農業オンリーみたいな世界だけど、ド田舎というのは、若者も居て、少し行けばパチンコ屋やジャスコなんかもあったりして、でも都会に較べて随分と不便で遅れてるって感じ?)に尼崎から移り住んだロリータファッション一筋の主人公高校生桃子と、田舎ヤンキーのこちらも女子高校生いちごの交流を描いた物語である。変な出会い、変な価値観、隠れた素質、そんななんでもないようなものを価値観のギャップという観点から面白く描いた作品で、こういう大した粗筋もないような作品を読ませるのは、やはり作者の感性がどれだけ読者という観客を意識しているかにかかっている。独りよがりなギャグに陥ることなく、これだけ楽しく読ませる嶽本野ばらは、本人もロリータ趣味の大麻で逮捕経歴のあるオッサンなのでくれぐれも女性と紛うことのなきよう(^.^)多分、主人公桃子の刺繍の知識や腕前も、作者自身の投影なのかもしれない。

 ということで、今年の年末、何か肩の凝らない面白い本を読みたいなと思っている方は、是非に是非に本書を読むべしのことども。(20081220)

※11月に下の娘と原宿竹下通りに行ったのだが、未だにピンク系ロリやゴスロリは生息していました。報告まで(^^ゞ(書評No847)

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by kotodomo | 2008-12-22 13:39 | 書評 | Trackback(1) | Comments(0)
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