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「本のことども」by聖月

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2009年 11月 03日

〇「リボルバー」 佐藤正午 光文社文庫 560円 1985/11

〇「リボルバー」 佐藤正午 光文社文庫 560円 1985/11_b0037682_6514189.jpg 4作目くらいまでは(調べてみたら、本書は3作目・・・記憶が遠くなったなあ、20年以上も前の話だもんなあ)、佐藤正午の本が出るたびに読んでいた20代前半の評者だったのだが、その後、読書とは縁遠くなった時期もあり、最近ではまた佐藤正午読みとして復活してきた評者は、読んでいなかった時期の佐藤正午本を今になって読む、という行為を大事にしている。というか大切にしているので、暇を見つけて一気に完全制覇するのが勿体なく、読書生活に清涼感が足らないような時期に、埋めるようにして読んでいるのである。今回も、そんな感じで手に取った評者なのである。

 初期、最近も含め、雰囲気で読ませる佐藤正午。しかし、この本書『リボルバー』で描かれる物語は、作者自身が展開の妙のテクニックを試したかったような、そんな技巧を楽しむ物語である。時期は前後するけれど、
佐藤正午版「ドミノ」恩田りく、それもミニ版ってとこでしょうか。

 ひとつのリボルバーを中心に、高校生の男女、元警官、遊び人のコンビ、そんな登場人物たちが、長崎から北海道へ向かっていく仕掛けを楽しむ物語なのである。

 評者としては、いつもの静謐な佐藤正午の文章が溢れていたならば、もっと楽しめていたと思うのだが。少し退屈。(20091006)

※もう、24年も前の作品なのだなあ。(書評No919)

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by kotodomo | 2009-11-03 06:52 | 書評 | Trackback(1) | Comments(0)
Tracked from 本・月のうさぎ堂 at 2009-11-12 00:40
タイトル : 身の上話【佐藤 正午】
この主人公の流され方に、自分は違うと言い切れますか。人間・人生の不可思議をとことん突きつめる、著者の新たな代表作の誕生。... more


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