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「本のことども」by聖月

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2009年 11月 09日

◎「八朔の雪-みをつくし料理帖」 高田郁 ハルキ文庫 580円 2009/5

◎「八朔の雪-みをつくし料理帖」 高田郁 ハルキ文庫 580円 2009/5_b0037682_2033394.jpg 日経新聞は会社で適当に目を通す評者なのだが、やはり会社事務所という環境では、新聞を読むという行為に長々と時間を費やすのも憚れるので、そこまで隅々までは目を通さないし、大抵の場合、下の方の広告にまでは目が行かない評者なのである。

 今回は、珍しく、その日経の出版社の広告が目に留まり、何々・・・江戸人情本、料理本、感動本(これが決め手のフレーズでした)、増刷、そんなところで図書館から取り寄せて読んでみた本書なのである。

 澪という女性主人公。その彼女の料理にかかわる奮闘本で、また人情本であるからして、色んなキャラの登場人物たちの泣き笑いがそこに描かれ、読んでいる途中までは、なるほど広告通り、なんて思って読んではいたのだが、感動さんはどこにあるんだろう、連作短編のひとつひとつに世の人々は感動するもんなんだろうか、自分はそこんとこはイマイチなんだけど・・・なんて思っていたら、はいはい感動さんは、ちゃんと居ましたよ。終盤のところに居ましたよ。クールな評者も、ちょっとググッとくるような感動さんがね。

 ということで、本書は今年の押さえ本。気軽な読書、それでいて何か感じるような読書体験を求めている方に超お薦め。やはり、男性よりは女性向けかもしれませんが。(20091029)

※続編『花散らしの雨』も2009/10に同じハルキ文庫から。著者の姓は、本当は梯子高(意味のわからない人は調べてね)の高田に、名前の読みはカオルでござる。(書評No923)

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by kotodomo | 2009-11-09 20:33 | 書評 | Trackback | Comments(0)


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