「本のことども」by聖月

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2010年 01月 06日

総括2009年に読んだ本のことども№2(4月~5月)

やっぱ、『ミレニアム』1に尽きますな。『ディスカスの飼い方』大崎善生は、私の好きな大崎作品(*^^)v

ポットショットの銃弾 (ハヤカワ・ノヴェルズ)ポットショットの銃弾 (ハヤカワ・ノヴェルズ)
〇難点は会話の口調。会話の口調。スペンサーや、その他大勢のタフガイたちが“~なのだ。”と会話を締めくくるのだが、あまりの多用にバカボンのパパが大勢で会話しているようでいただけない(笑)。特に7人が集合してからの後半部分では、7人が一堂に会して“~なのだ”と喋ってしまうので、誰が喋っているのか判然としない部分があるし、みんなでバカボンのパパごっこをしているのですか?と本に向かって問いかけてしまいたくなるほどなのである。
読了日:05月31日 著者:ロバート・B. パーカー
ばかものばかもの
〇絲山秋子。好きな作家だが、性的な描写が出てくる作品は、どうもいまひとつ面白くない。結局、性的な描写が物語全般と結びつかないからだろう。作家として、こんなシーンもドロドロに描けますという主張にしか思えなく、本当のこの作家らしさからかけ離れているように思えるからである。
読了日:05月26日 著者:絲山 秋子
中国初恋中国初恋
〇題名とは全然違った内容。著者が女の子絡みで中国に行こうと思い立ち、ただ中国に行くのも芸がないなあなんて思って、南アフリカから中国まで向かうという、なんともお馬鹿な企画ノンフィクションである(笑)
読了日:05月25日 著者:さくら 剛
こうふく みどりのこうふく みどりの
◎あとがきによると、著者は本書『こうふくみどりの』を執筆しているときに別の着想を得、並行しながら対になる『こうふくあかの』を書き上げたらしい。らしい、というのも、普通西加奈子ファンなら読む前に知っていそうなことだが、最近、読書家とも呼べなくなってきた評者の読書周辺のアンテナはヘタレで、本書もただ図書館に並んでいたから借りてきただけで、読み終えてから気づいた話なのだが、まあそんなの知らんでも、本書は充分面白かったのことども。
読了日:05月20日 著者:西 加奈子
ミスター・ミー (海外文学セレクション)ミスター・ミー (海外文学セレクション)
〇書痴という言葉を、本書の紹介記事で初めて目にしたが、本書『ミスター・ミー』は、本狂い(書痴)の80歳代の好々爺物語である。だけではなく、作中作と言える二人のお馬鹿な転書屋(翻訳屋)の物語と、もうひとつジャン・ジャック・ルソーに傾倒する大学教授の物語の、3つの要素からなっている。
読了日:05月19日 著者:アンドルー クルミー
ラジ&ピースラジ&ピース
◎◎題名は、独身主人公女性の受け持ちのラジオ番組名。主人公は、いわゆるパーソナリィティってやつですな。皆さんのお便り読んで、感想言ったり励ましたり、恋の作法を伝授したり・・・でも、素顔の本人は、随分と人嫌い。そんな材料でも、絲山秋子にかかると、こんな素敵で人間味のあるドラマに・・・まあ、読んでみなさい。
読了日:05月18日 著者:
初秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)初秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)
◎◎主人公のスペンサーはハードボイルドな(というかタフな)探偵である。今回は探偵業が話の発端になってはいるが、中身の多くは探偵話には割かれていない。スペンサーというタフな男と、ポールというヤワな少年との心の交流(最初通いあわないものが、最後にはという、いかにものパターンだが)が、物語の中心を成しているのである。
読了日:05月17日 著者:
ドリームガール (ハヤカワ・ノヴェルズ)ドリームガール (ハヤカワ・ノヴェルズ)
◎◎多分、パーカー好きの読者には、同じシリーズの中でも出来、不出来みたいな評価があるとは思うのだが、とにかく初めて出会ったスペンサーの生き方に惚れぼれした評者なのである。決定(^O^)/スペンサーシリーズ読破を目標に生きていこう。生き延びていこう。老眼が進もうとも、外人さんの名前が区別しづらくなったとしても、読む手が震えるようになったとしても、何としてもこのシリーズは読破するぞ!・・・と、今は思うのことども。
読了日:05月06日 著者:ロバート・B・パーカー
ディスカスの飼い方ディスカスの飼い方
◎◎本書『ディスカスの飼い方』で、大崎善生の村上チャイルド系譜はお終いで卒業と評者は評価したい。大崎節の完成である。多分、大崎善生は直木賞に縁のない作家だと思うのだが、こういう完成された物語に受賞してもらい、多くの人に読んでほしい、そんな作品に仕上がっているのである。
読了日:05月05日 著者:大崎 善生
運命の日 下 (3) (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ)運命の日 下 (3) (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ)
◎◎本書の一番の魅力は・・・心底、嫌な奴が2名登場することじゃないだろうか。黒人を人間とは思っていない警官が一人と、末端の警官のことを全く理解しない警察組織の本部長と合わせて二人。いやあ、読んでいて、嫌で嫌で仕方なかった評者なのである。でも、この二つの障碍が物語全体のリーダビリティを支えているのである。ルヘイン、天晴れである。
読了日:05月04日 著者:デニス・ルヘイン
インドなんて二度と行くか!ボケ!!―…でもまた行きたいかもインドなんて二度と行くか!ボケ!!―…でもまた行きたいかも
◎とにかく、この本に出てくるインド人たち、可笑しいほどに観光客から金をむしり取ろうとする。自転車タクシーに乗って目的地を告げ、料金交渉をする。100ルピーで話がついて乗り込む。さあ、着いたぞ!ここはどこ?俺の知り合いの絨毯工場だ!なんで?まあ、買わなくてもいいから見るだけ見てってくれ!いやだ、早く目的地に行け!わかった、わかった・・・さあ、着いたぞ!150ルピーだ!なんで?100ルピーだったじゃないか!ゴニョゴニョ・・・そんな風に、いちいち金の話になってしまうのである。こういう話がバリエーションを変え延々
読了日:04月29日 著者:さくら 剛
運命の日 上 (1) (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ)運命の日 上 (1) (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ)
◎◎本書はこのミスランクイン作品だが、決してミステリーではない。また、作者が得意とする、ハードボイルドを前面に押し出したジャンルの作品でもない。ジャンルは・・・小説である。例えば、日本の作家でいえば伊集院静とか、宮本輝とか、小説家が小説を書こうと思って書いた、そんな小説である。コグリン家という警察一家を中心に、時代を描いた時代小説ともいえる。スペイン風邪、警察のストライキ、共産狩り、禁酒法、膚の色、そんな時代の風景を見事に収めきった佳作なのである。
読了日:04月26日 著者:デニス・ルヘイン
そうか、もう君はいないのかそうか、もう君はいないのか
◎◎ボロボロ泣きながら読む自分を想像していたが、さにあらず。ただ、ただ、いい文章を読みましたという余韻のみ。思い出を綴り、思い出を語り、思いを綴っただけの文章なんだけど、いいんだなあこれが。
読了日:04月23日 著者:城山三郎
幼なじみ (Coffee Books)幼なじみ (Coffee Books)
▲デニス・ルヘインの『運命の日』上下巻二段組みを読んでいたら、読書が全然進まず、それもそのはず毎晩毎夜飲み続けながらの合間読書なので仕方なく、ならってんで薄そうな佐藤正午の本書『幼なじみ』でコーヒーブレイクと手に取ったら、な、な、なんと!15分で読み終わったではないか!っていうか、これ絵本だぞ!まあ内容的には子供が読みそうな物語ではないが、大人の絵本には間違いない。要するに、薄くて絵が多いわけで、15分で読めるわけだ。そんなのも知らずに、佐藤正午の最新刊♪と積読してたのだけど・・・う~む、コストパフォーマ
読了日:04月23日 著者:佐藤 正午,牛尾 篤
風の影〈上〉 (集英社文庫)風の影〈上〉 (集英社文庫)

読了日:04月16日 著者:カルロス・ルイス サフォン
卵の緒卵の緒
◎ということで、やっと皆様お薦めの、瀬尾まいこのデビュー作を読みました。その後の作品ばかり読んで、今やっとデビュー作を読み、それを持ってこの作家の方向性を今更ながら語るのもおかしな話なのだが、結局、この瀬尾まいこという御嬢さんは“いい男の子”を描くのが得意と見た!!!って、さっきも書いたように、後の作品を読んでわかっているのだが、あえてもう一度言おう。この作家は“いい男の子”を描くのが得意と見た!!!
読了日:04月14日 著者:瀬尾 まいこ
黒百合黒百合
〇普通の小説として読むと、青春小説としてその静謐な文体が心地よい小説なのだが、過去と現在が織りなすミステリー小説としては???である。終盤驚くよという情報は仕入れて読み始めたので、騙されるように素直な気持ちで読んでいって、そろそろ騙される頃合いかな?なんてところで種明かしされて、それが自分の想像していたものと違ったとき、人は驚愕するものなんだろうけど、ああそうですか、そうだったんですか、だから?みたいな感想を持ったのは、評者が天の邪鬼だからでしょうか?
読了日:04月12日 著者:多島 斗志之
シャレのち曇り (ランダムハウス講談社文庫 た) (ランダムハウス講談社文庫)シャレのち曇り (ランダムハウス講談社文庫 た) (ランダムハウス講談社文庫)
◎将棋界の大崎善生、落語界の立川談四楼といったところだろうか。とにかく文章が上手い。また、その世界に散らばっているエピソードを、多岐に、そして過去に遡って拾い上げていくのだが、その羅列の仕方が絶妙である。う~む、と唸ってしまうくらい巧みなのである。
読了日:04月11日 著者:立川 談四楼
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下
◎◎もう一度、終盤の収斂について触れるが、同様の終盤のテイストを持つ小説としては、最近では『数学的にありえない』アダム・ファウアーが挙げられるし、古いところでは『夏への扉』ロバート・A・ハインラインが挙げられるだろう。途中の何気ない伏線が、一気に収束していくあの快感である。評者的には、次回のこのミス海外編の1位はこれで決まりである。これからも、どんどん面白い作品が出てくるとは思うのだが、他の作品が面白いからといって、比較して本書が下位にくるというような薄っぺらな小説ではないのである。本書の面白さは、本書の
読了日:04月05日 著者:スティーグ・ラーソン
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上
◎◎登場人物たちにヘンリック・ヴァンゲル、エディット・ヴァンゲル、リカルド・ヴァンゲル、ゴットフリード・ヴァンゲル、イザベラ・ヴァンゲル、マルティン・ヴァンゲル、ハリエット・ヴァンゲル、ハラルド・ヴァンゲル、イングリッド・ヴァンゲル、ビリエル・ヴァンゲル、セシリア・ヴァンゲル、アニタ・ヴァンゲル、グレーゲル・ヴァンゲル、イェルダ・ヴァンゲル、アレクサンデル・ヴァンゲル、グスタヴ・ヴァンゲルなんてのが出てくるわけで、どこかの感想を読むと“誰が誰だかわからない”なんて書いてあったが、心配することはない。途中で
読了日:04月01日 著者:スティーグ・ラーソン
 
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by kotodomo | 2010-01-06 11:55 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
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