2010年 01月 08日

総括2009年に読んだ本のことども№3(6月~8月)

『赤めだか』立川談春が抜群に、『灰色の嵐』パーカーが意外に面白かったのことども。

身の上話身の上話
▲佐藤正午版『シンプルプラン』スコット・スミス風味。ノワールに軽妙という表現は妥当ではないかもしれないが、軽妙なノワール。ただ、行き当たりばったりの女性の行動様式が中心に据えられているので、あの透明感のある佐藤節は封印(多分、わざと)。そこが、かねてよりの佐藤正午読みには不満。手法は買うんだけどさ。
読了日:08月31日 著者:佐藤正午
螻蛄螻蛄
◎◎待ってましたのシリーズ第4弾。しかし、なんで桑原は二宮を使うのか?もっとユースフルなやつを使いそうなのだが(笑)いつも以上の面白さ痛快度ながら、今回の裏事情は少し込み入っていたような。
読了日:08月31日 著者:黒川 博行
ミステリー通り商店街ミステリー通り商店街
▲小説としてではなく、新喜劇と思って眺めなさいって感じかな。途中、素人書評家に対する批判、警告的な部分があるが、本書自体が評価されるべきレベルにないと、自己矛盾をはらんでしまうのだなあ。
読了日:08月30日 著者:室積 光
新世界より 下新世界より 下
△上巻で気づくべきだったが、よくよく考えてみると、本書はSF少女小説漫画風なわけで・・・なんか読書した、読破したという気がしなかったことども。
読了日:08月19日 著者:貴志 祐介
新世界より 上新世界より 上
〇想像力はあるんだけど、冗長さは否めない。あと、登場人物たちの行動パターン、思考パターンもちょっと理解しずらいなあと思いながら、下巻へ突入。
読了日:08月12日 著者:貴志 祐介
遠い響き遠い響き
△暴風雨の中で出会った男の問わず語りの「冒険譚=愚かな生きざま」を読まされるわけで、単独の小説としては・・・藤谷治版安部公房小説と読めば、新たな文学の抽斗としての評価も可能?
読了日:08月09日 著者:藤谷 治
任天堂 “驚き”を生む方程式任天堂 “驚き”を生む方程式
◎子供のために買ったWiiフィット。凄いコンテンツなのだなあ。最近子供たちもやっていないし、早速やるべ。それにしても、任天堂の方程式のない方程式は凄いとしかいいようがない。無借金経営に、開発費を惜しまない体質・・・蛇足だが、マジックハンドとか、レーザー光線銃とか、子供の時憧れていたあれも任天堂だったことにびっくり。
読了日:08月05日 著者:井上 理
恋文の技術恋文の技術
◎終盤のお誘い合戦。なんでそうなるの?なんで同じ日付の手紙?そう思った方は、少し読み間違い注意報。
読了日:07月31日 著者:森見 登美彦
この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下 (3)この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下 (3)
◎◎本書の場合、各所に知的雑学が散りばめられており、そこのところも評者の好み。粗筋は、あるようでないような・・・出版社に勤める主人公の人生力学、ライフバランスを描いた作品である。普通でいえば、危うい主人公の生き方。それを通してのフィロソフィーが、多分読者を選ぶのかもしれない。著者自身、文藝春秋に身を置き、パニック障害で退社した過去があるので、ある意味、自己投影色の強い作品なのかもしれない。
読了日:07月26日 著者:白石 一文
この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 上 (1)この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 上 (1)
◎◎白石一文フリークの評者としては、早く読まねばならん!などと思っていたら、第22回山本周五郎賞を受賞、評価が固まったのかと思って色んなところを覗いてみると、やはり好悪が分かれているようで、白石一文の哲学をどう楽しめるかで読書人の評価が違うようである。評者は好き
読了日:07月20日 著者:白石 一文
レイチェル・ウォレスを捜せ (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)レイチェル・ウォレスを捜せ (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)
◎スペンサーとレイチェルの肌の合わない会話が魅力のサスペンス。スペンサーシリーズは、ミステリーじゃないほうが面白いようだ。初秋とかさ、本書とかさ。
読了日:07月19日 著者:ロバート・B. パーカー,Robert B. Parker
灰色の嵐 (ハヤカワ・ノヴェルズ)灰色の嵐 (ハヤカワ・ノヴェルズ)
◎始まりはダイハード風味。そして結末は、ちょびっとセンチで初秋風味なのだなあ。
読了日:07月12日 著者:ロバート・B・パーカー
赤めだか赤めだか
◎◎ビジネス書、人生指南としても読める面白一気本。やはり談志は凄いのだなあ。
読了日:07月04日 著者:立川 談春
やんごとなき読者やんごとなき読者
〇やんごとなき”という言葉の意味も色々あるのだが、本書の場合は“地位や家柄等が一流である高貴な”読者という解釈が一番合いますかな。だって、英国女王なんだから。特に読書に喜びを見出していない人物が本にのめり込んでいく面白さ、超上流階級ならではの束縛と自由さのバランス、そんなところが本書の読みどころ。ただ、巷の評判ほどにはリーダビリィティがなかったのことども。
読了日:07月04日 著者:アラン ベネット
商人商人
◎◎ミステリーとかは年末に総括されるので、おおよそ面白い本の読み逃しはないのだけれど、この手のノンジャンルな普通小説は旬を過ぎると中々総括されないので、そういう意味で、評者的には今年の押さえ本だよと言っておこう。ノンジャンルとは書いたが、あえていうなら時代小説・・・江戸時代、鰹節の商人の次男として生まれた主人公の、鰹節ライフを描いた物語である。ただそれだけである。それだけなのに、読ます、読ます、読ます!人によっては書き込みに深みを感じないかもしれないが、逆に淡々とした筆の運びがいいのです。
読了日:07月03日 著者:ねじめ正一
昔日 (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ)昔日 (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ)
◎妻の浮気を疑う依頼人の登場で幕開け・・・意外に謎は深まらず、ただ今回の一連の背景と、かつて主人公スペンサーとスーザンとの関係に亀裂が入ったことの背景が、被るのか被らないのかよくはわからないが、いちいち結びつけるスペンサーとその仲間たち・・・最後は、またしてもスペンサーがお仲間ガンマンたちに集合をかけての大団円。う~む、このシリーズ、評者の未読本はたくさんあるのだが、今回のこの一冊は新味のない一冊と断言していいのかもしれない。
読了日:07月01日 著者:ロバート・B・パーカー
ミレニアム2 下 火と戯れる女ミレニアム2 下 火と戯れる女
◎前作にあった終盤のカタルシスが本作には不在。前作と同じくらいの長さの上下巻本ながら、長過ぎの嫌いも。
読了日:06月28日 著者:スティーグ・ラーソン
ミレニアム2 上 火と戯れる女ミレニアム2 上 火と戯れる女
◎『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』で活躍した主人公ミカエルと刺青女リスベットの擦違い小説。前作の事件からずっと会わずにいた二人。基本的にはリスベットがミカエルを避けているわけだけど、そのリスベットが序盤に殺人の罪で指名手配され、そのまま潜伏するわけで、とにかく“出会えない二人”を描いた物語なのである。
読了日:06月20日 著者:スティーグ・ラーソン
ゴッドウルフの行方 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)ゴッドウルフの行方 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)
◎ストイックな探偵とその哲学。謎の先にある謎の先にある謎たち。そして真相の果てに・・・ただなあ、あの奥さん可哀そうだなあ。いや依頼人の妻じゃなくて、最後あんなことになっちゃう、あの男勝りの体格の奥さん、可哀そうだなあ。
読了日:06月14日 著者:ロバート・B. パーカー,Robert B. Parker
「師匠!」「師匠!」
◎師匠と弟子の関係も、落語の世界を描いたら必ず出てくるモチーフなのだが、本書はそこのところを少しばかり中心に据えた短編集。泣き笑いなんでしょうか、苦労話なんでしょうか・・・読んでいると面白い、それでいて意外に余韻をひかない落語の世界の噺のことども
読了日:06月07日 著者:立川 談四楼
真相[予定価格] (ハヤカワ・ノヴェルズ)真相[予定価格] (ハヤカワ・ノヴェルズ)
〇スペンサーシリーズ、これで4冊目の評者なのだが、冒頭の展開は相変わらず一緒。シリーズすべてが全部こんな感じと推測していいのかどうかは未だわからないが、逆水戸黄門と呼びたくなってきたぞ。水戸黄門の場合は、物語の最後に印籠とお定まりなのだが、スペンサーシリーズのほうは、冒頭で美女依頼人が登場し、依頼をしたのはいいが、最後には墓穴を掘ることになるというところがお定まりなのである。
読了日:06月05日 著者:ロバート・B・パーカー

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by kotodomo | 2010-01-08 10:09 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
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