2011年 06月 05日

2011年5月に読んだ本のことども(リンク:読書メーター)

5月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:6654ページ

砂の王国(上)砂の王国(上)
▲最近では『仮想儀礼』篠田節子の同様の小説があったわけで、行き詰ったサラリーマンが新興宗教を立ち上げるわけで、じゃあ何が篠田作品と違うの?といえば、宗教を興すまでのホームレス生活の描写が結構長いわけで、簡単に言うと上巻はホームレス小説、下巻は新興宗教騒動?(まだ読んでいないので想像)そんな具合の上下巻800ページの物語・・・でもねえ、書き出しはユーモア小説なのに、途中からユーモアが薄れ、話の展開に筆の力が殺がれていくのは、やはり雑誌連載ものの仕方のない傾向なのかなあのことども。さて下巻へ・・・
読了日:05月30日 著者:荻原 浩
IターンIターン
◎ユーモア小説。広告会社の支店に飛ばされた主人公が、ヤクザ者に絡めとられ・・・なんて書くと、陳腐な感じがするかもしれないが、ヤクザ者が己の勢いと信条で行動するのが第三者的に見て、非常にグッド。オモロイオモロイ。何も深く考えず、サクサク読めて、それでいて意外な面白さがっていうのが本書の持ち味じゃなかろうか。『Iターン』とは、生まれ育った以外の地方に就職することだが、その内容は・・・表紙を見れば大体想像がつくのことども。
読了日:05月26日 著者:福澤 徹三
シューマンの指 (100周年書き下ろし)シューマンの指 (100周年書き下ろし)
▲いつもの奥泉節が不在・・・辻原登が描いたような硬筆さ。ほとんどがシューマン論というか、シューマン作品論。なんでこれがこのミスランクイン?なんて訝っていたら、最後の最後でミステリー。奥泉光、好きな作家なのだが、文章に遊びがないと、イマイチのことども。ただ、クラシックに造詣が深い人が読めば、それなりに多く感じ取るのかもしれないが、評者には深すぎたようだなあ。
読了日:05月25日 著者:奥泉 光
悪の教典 下悪の教典 下
◎◎下巻は一転して、スクールサバイバル。納得の面白さ。納得のこのミス1位。上下巻通して本書の凄いところは、興味をひかない部分が一切ないことだろう。こういう物語は稀有である。えてして説明に走ったり、なんて部分があったりするのもだが、最初から最後までどんどん頁が繰れる、紡がれる物語・・・ただ、評者の娘の高校の図書館に置いてないのにも納得。だって高校生がどんどん悲惨な方法で・・・読みたまえ!久々の納得の1冊・・・じゃなかった上下巻2冊のオモロ本。
読了日:05月23日 著者:貴志 祐介
悪の教典 上悪の教典 上
◎◎このミス1位の面白さがあるの?なんて思って読み始めたら、これが面白い。教師からも生徒からも人気のある蓮見という男の裏と表、爽快さとサイコのバランスが見事。『黒い家』を最後に、貴志祐介には肩すかしをくらわされっぱなしだったが、本書は紡ぎが見事な物語。さて、後半までこの紡ぎが維持されるのか・・・
読了日:05月19日 著者:貴志 祐介
サトリ(下) (ハヤカワ・ノヴェルズ)サトリ(下) (ハヤカワ・ノヴェルズ)
〇簡単に言うと国際謀略小説。もっとわかりやすく言うとウィンズロウ版007。北京で指令を果たした主人公ヘルの冒険逃避行的下巻。ただ、007と一緒で、誰が敵か味方かわからない。そして終盤にもう一人の殺し屋の正体が!終盤はいいのだが、中盤がちょっと退屈。小説を映画にして再度ノベライズしたような平板な描写がたまにきずなことども。
読了日:05月16日 著者:ドン・ウィンズロウ
サトリ(上) (ハヤカワ・ノヴェルズ)サトリ(上) (ハヤカワ・ノヴェルズ)
〇2005年に亡くなったトレヴェニアン。『夢果つる街』で1988年のこのミス1位が有名なところ。その作者の『シブミ』という作品の別バージョンを、今回ウィンズロウが物語ったわけで・・・殺人装置ニコライ・ヘルが東京から北京へ飛び、暗殺を仕掛けるのだが、淡々とした筆の運びに、面白いのだかどうだかは上巻では判明せぬまま、下巻へ突入するのことども。
読了日:05月15日 著者:ドン・ウィンズロウ
円満退社円満退社
〇初江上剛・・・社会派、経済派、どこかお堅い小説を予想していたのだが・・・ところがどっこい、ユーモアドタバタ銀行員物語であったのことよ。支店長、定年退職最後の一日物語。何もなければ、退職金が満額・・・ところが何もなくはない、っていうか、トラブルだらけ。最後は・・・惜しいのは、魅力的な登場人物、謎の女子高生をもっとデフォルメしても良かったんじゃないかな。本書の中で唯一存在感のあるキャラだったので。きっとこの娘には、鹿児島で一番店、時報堂の宝飾や時計が似合うのかも知れない。
読了日:05月13日 著者:江上 剛
望郷の道〈下〉望郷の道〈下〉
◎◎いやあ、ホントにいい本を読ませていただいた。どえらいヤツとどえらいニョウボの心温まる物語。佐賀を離れ、台湾で一心に頑張る、その心には望郷への想いが・・・読むべし、読むべし、べし、べし、べし!!!の良作のことども。そこのあなた、この美しい物語を読むべし!!!!!
読了日:05月12日 著者:北方 謙三
望郷の道〈上〉望郷の道〈上〉
◎◎この10年間に1000冊は読んできた評者なのだが・・・初北方が本書であった。凄っげえ面白いじゃないか。そこのあなた第1章だけでも立ち読みすべし!侠客の男と姉さんが第1章で結ばれるだけの話と言えばそれまで・・・美しい物語がそこにはある。そこから二人の商売繁盛物語、転地での苦労・・・そして今から下巻なのだが『望郷の道』を辿るんだろうな。いや完璧な物語に脱帽のことども。
読了日:05月10日 著者:北方 謙三
整形美女整形美女
◎姫野カオルコの本を3冊読んでわかってきたのだが、高踏派、余裕派の作風ですな。もっと別な表現を使えば脱力系知性派作家。整形した二人の女性の約10年を描いた作品なのだが、決して深刻でもなく、肩の力の抜けた文章で紡いでいくのが、読んでいて心地よい。それでいて、整形ということを色々考えてしまうわけで、整形がズルいのかズルくないのか、なら男の場合リーブ21ならどうよ、白髪染めはありかしら、腹凹ませて歩くなそこの親父!そんなことを考えるのことども。
読了日:05月08日 著者:姫野 カオルコ
ウはウミウシのウ―シュノーケル偏愛旅行記ウはウミウシのウ―シュノーケル偏愛旅行記
◎副題「シュノーケル偏愛旅行記」という脱力エッセイ。言われてみれば、陸上の動物や、鳥や昆虫なんて常識的で想定内の形をしているが、海には非常識なヘンな形のやつが多い。ヒトデやクラゲやイソギンチャクやタツノオトシゴなんか形は知っているが、その進化とは関係ない無目的な形状は何を言いたいのかわからないし、譲歩して猫に生まれ変わってもいいよと思うが、ウミウシは嫌な評者なのである。表紙はホウキボシというヒトデ。
読了日:05月07日 著者:宮田 珠己
エンプティー・チェアエンプティー・チェア
◎◎ラストの二転三転なんて、ディーバーのお手の物なのだが・・・なんだ!この〇転は!凄すぎる!ディーヴァー劇場ですなあ。女性を監禁した昆虫少年は悪いやつなのか?それとも・・・なんて興味を前半で抱きながら読んでいると・・・とにかく、そこのあなた、リンカーン・ライムシリーズ(これはシリーズ3作目で2011/5現在8作)を読むべし!!!のことども。
読了日:05月06日 著者:ジェフリー ディーヴァー
リンカーン弁護士(下) (講談社文庫)リンカーン弁護士(下) (講談社文庫)
◎◎いやあ、思わぬ傑作!!!上巻でコナリーにしては、あっさりことが運んで行くなあなんて思っていたら、下巻での裁判シーンとその根底に横たわるニッチモサッチモへのけりの付け方にハリウッド的鳥肌を感じたのことども。ディーヴァーも巧いけど、コナリーはまた違った巧さ。読むべし、読むべし、べし、べし、べし!!!そして同じ作家の『わが心臓の痛み』や『ザ・ポエット』も堪能すべし。日本映画より、ハリウッド映画のほうがやはり超弩級に面白いのことども。
読了日:05月04日 著者:マイクル・コナリー
リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)
◎上巻390頁読了。さあ下巻410頁へ挑もうか。さすが、安心印作家マイクル・コナリー、長編ながら読みやすく、上巻の終わり方もサスペンスフル。リーガルサスペンスが、お得意の警察小説風味も帯びてきて下巻へ続く。ただなあ、題名が何ざんしょ。主人公弁護士の愛用車がリンカーン・・・となると、日本の社長を主人公に据え小説を書けば、クラウン社長、レクサス社長、ベンツ社長、ビーエム社長、そんなありきたりな題名と同様ではないかな(笑)。
読了日:05月04日 著者:マイクル・コナリー
52%調子のいい旅52%調子のいい旅
◎◎何が52%とかというと、いわゆる脱力系旅エッセイ集なのだが、旅には関係ないことも48%くらい書いてあるよ、といういい加減な計算のもとの作者からのメッセージなのである。鹿児島から新幹線に乗って新大阪まで没頭して読める本であって、そういう意味で初めて新幹線に乗る人は、車窓の旅を楽しめないので要注意のことども。
読了日:05月03日 著者:宮田 珠己
晴れた日は巨大仏を見に晴れた日は巨大仏を見に
▲グレートマジンガーが25m、ウルトラマンが40m、日本一の巨大仏「牛久大仏」が120m、ウヒャー・・・著者は40m以上の巨大仏を訪ねて日本中を探訪する。そんな巨大仏が山奥にあればいのだけど、住宅地にあったり。あなたの街にそんなのが急に出来たら、やはり迷惑じゃなかろうか?まあ、そういう変な風景の探訪記なのだが、いかんせん巨大仏の紹介の13連発では、途中から飽きがくるのことども(笑)。
読了日:05月02日 著者:宮田 珠己
青二才の頃―回想の’70年代青二才の頃―回想の’70年代
◎◎現在49歳にならんとする評者だが、その評者の小2から高2までの文化とトピックとブームを懐かしく読ませていただいたのことども。確かに、小学校低学年の頃、紙おむつもカップヌードルも電卓もなかったわけで・・・ふーん、そんな時期にだったのか。小柳るみこと天地真理ともう一人???ああ、南沙織ですか、ってな感じで、アラ50読むべし!!!ただし、もう売ってないんで。鹿児島市立図書館から借りた掘り出し物。
読了日:05月01日 著者:清水 義範
さよならドビュッシーさよならドビュッシー
▲終盤のサプライズになるはずのものが、60頁くらいで読めてしまい、読めてしまったこと自体が実は誤読で、それについてのドンデン返しでもあれば・・・そんなことはなかったのである。そういう意味で、ライトノベルとしか感じなかった評者なのだが、第8回このミス大賞の最終候補に本書と『災厄の季節』と二作品残ったという事実は、この作者、只者ではないのかもしれないのことども。
読了日:05月01日 著者:中山 七里

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by kotodomo | 2011-06-05 06:54 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
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