「本のことども」by聖月

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2005年 01月 05日

同人誌を生まれて初めて読んだのだ

b0037682_9553954.jpg 昨年の自分ニュース、色々あったのだが、少なくとも現時点でこれを見ている人を対象に言えば、一番はやはりブログデビューしかないように思う。それまでは、管理人さんに原稿を送って掲載してもらうというサイトのあり方だったのが、いきなりサイトのすべてが自分のものになって、好きなときに更新できるという当たり前の世界を手に入れたのである。

 そいでもって、ブログ前とブログ後と何が違ってきたかというと、やはり新しいネット上の知り合いが増えたということだろう。ブログって従前のネット以上に繋がることを意識して作られており、自分が勝手にブログっただけで訪れてくれる方がいるのは、素直に嬉しいものである。
で、ネット上でのやりとりが始まる。メールが来たりもする。メールにこう書いてあったりする。“・・・あと舞城、町田、モブ、古川といった疾走系の作風がお好みでしたら、かなりマイナーですが、同じような作風がいますけど、読んでみます?・・・”確かに、舞城王太郎や町田康の文体が好きな自分なのだが、“読んでみます?”って訊かれて、じゃあ一体どう答えればいいのだろう?こ、これは!もしや!!新手のおれおれ詐欺呼称改め読んでみます?詐欺なのか!振り込め詐欺は命令形なので防衛本能が喚起されるやもしれんが、読んでみます?詐欺は疑問形で少し遠慮がちなのでひっかりやすいのか!?!?

 杞憂であった。その後、別のやりとりの中で真相がはっきりして、同人誌「じゅん文学」というのが送られてきて、その中の「辛すぎるプリンは幸せなおしおきの味」古澤崇著を読んでみてください、そういうお話だったのである。でもこれは書評にとりあげてみてもしょうがない。だって、ほとんどの人がその物語を読むことができないので。だから感じたことをつらつら述べていくと・・・

 面白かった。特に最初、主人公のところに若い女性の声でアンケートの電話がくるのだが、そのやりとりなんかヨロシイのである。“今朝は何を食べましたか?”“ピーナツバター”みたいなやりとりが。あとですね、これが肝心なんだけど、「てにをは」の誤用や、主語がはっきりしないみたいな欠点がないのがいい。“???”と思ったそこのあなた、これって難しいのですよ。例えば、評者なんか本読んで書評なんてやっているけど、同じようにやっている人たちの大抵は本の粗筋書いて、もう最高、お薦めなんて書いているだけだからそんな苦労はないわけで、リズムや反射神経や言葉を搾り出す作業を途中に挟みながら書いていくと、自ずと主語が見えなくなってしまうものなのですよ。評者なんか、文頭と文末が合わないことなんてショッチュウなのですよ、ははは。ゲラゲラ。で、この作品は町田康あたりが示してモブあたりが曲解したような新文体で書かれているのだが、そこらへんのブレがないから偉い!さすが金払って同人誌に掲載しただけのことはある!!!巻末を見ると掲載費用は1頁につき500円。本作は20頁で大体1万。1頁が原稿用紙3枚相当っていうから、原稿用紙60枚書いて、掲載料1万払って、おっとその前に同人費1万2千円払ってるし・・・

 って、お金のことは人の好き好きであって置いといて、しかしですね、同じようにネット書評もしくは感想みたいのやっている人が、同人誌に載せるような小説書いているわけで、60枚も書いているわけで、それはやはり凄いことなのである。だって、自分が出来ると思わないし、挑戦するきも起きないぞ、原稿用紙60枚ってさ。

 ああ小説の内容は、不思議ロジック形而上。疾走系というのは書き出しの部分はそうなんだけど、途中からは思慮系なんかな。モチーフはプリントもうひとつ。ゲームの魔界村。昔人から借りて、すぐやられてしまうので、なんじゃこのくそゲーは!と怒って返したような・・・
以上、生まれて初めて読んだ同人誌『じゅん文学』の「辛すぎるプリンは幸せなおしおきの味」古澤崇著を読んでの・・・ん?うん?この辛いっていう字と幸せっていう字はなんか呼応しておるのかのう?まあいいや。f丸さん鹿児島まで送っていただき、お年賀までいただきありがとうございましたm(__)m
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by kotodomo | 2005-01-05 09:55 | メモる | Trackback | Comments(2)
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Commented by でこぽん at 2005-01-05 12:07 x
聖月さんのエントリに乗っかります。聖月さんはトラバすればいいんだけど私は字数制限があるのでサクサクいきます。f丸さん、ありがとうね。もうすごい才能!私好みで面白い。「ピピピピ、ピーナッツバターが一緒に心中したいほど好きだからです」「俺、体によくないことをするのが大好きなんですよ!」こういった会話が超好き。
プリンと辛子を組み合わせるなんて思いもしませんでした。
私は「超魔界村」をやりました。魔界村は超難ゲーですよね。えっ!?くそゲー?
そうそう、聖月さんは鋭いです。f丸さんの文章は流れるような勢いがある複文なんだけど、決して破綻していないのが素晴らしいです。
ネットで発表されてはいかがですか?

あの~、全然関係ないのですが、「破滅型芸人」と「5万買ったし。」が分からないのですが。「5万勝った」のではないのですか?
Commented by 聖月 at 2005-01-05 13:51 x
実はあの同人誌で一番印象に残ったのは、巻末の会則。凄く下手でブレのある羅列型日本語で。なんなのかなあ?って。ビジネス文書の基本みたいの出来てないなあって。次に印象に残ったのが「編集室の窓」。単純型の小説「空中ブランコ」をよくここまで酷評できるなあって。
まあ、そういう中で『辛いは幸い』が一番ヨロシイかと(^.^)

うん、5万円勝った!!!!パチンコ。破滅型芸人は、作家のことどものカテゴリー頁で、私がお茶目な振り仮名を振ったので、相方の突っ込みってやつですかね。


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