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2011年 12月 01日
11月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:3747ページ ナイス数:71ナイス かわいそうだね?◎◎デビュー作『インストール』を読んだときに、傑作と思ったと同時に“こんな本ならいくらでも読みたい!”と感じたわけで、その後のりさ姫の小説を“やはり巧い”止まりの感想で読んできたわけだが、本書の表題作ともう一編の「亜美ちゃんは美人」は・・・こんな本ならいくらでも読みたい!!!10年ぶりのりさ姫の感性の魂の横綱相撲。感性でこんな相撲をとれるのは、町田康とこの人くらい。樹理恵の大阪弁よかったし、亜美研究会の会長のキャラも素敵に素晴らしいのであるのことども。 読了日:11月27日 著者:綿矢 りさ 探偵稼業は運しだい (PHP文芸文庫)◎このユーモラスな探偵小説、作者名を知らずに読んだら、ドナルド・E・ウェストレイクって思ったかもしれないのことども。いつものダルジールシリーズが不在の中、軽味は今まで読んだヒルではないのだが、構成力はやはりヒル、お見事。もともとユーモラスな表現は得意な作家だが、文体が軽い分、読み易さも抜群。休みの日に一日で読み切りの一冊。1作目、2作目のハヤカワポケミスもこりゃ読まなきゃである。 読了日:11月26日 著者:レジナルド・ヒル 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)◎少女漫画家がポーの一族的な欧風の、それでいてコミカルな感じのミステリーを、複数の殺人が起こってもどこか目出度しのお話を描いたような物語が本書なのだが、作者は少女ではない。多分、頭の中が素敵にお若いのだな。ディーヴァー的、ライムとサックスのような、判事とその助手も素敵なアクセント。近代医学が開花する前の、解剖医学を中心に、埃っぽいロンドンを舞台にしたお気楽ミステリーでござる。 読了日:11月26日 著者:皆川 博子 大江戸釣客伝 下◎『天地明察』を読んだ時もそうだったのだが、前半自由闊達に動いていた登場人物たちが、史実に絡められて自由な動きを止めるのが残念至極。殿中に浪士たち、江戸の大火、黄門様に流刑される人々・・・悪くはないのだが、史実に逆らわないように動くため、創造的でなくなってしまうのである。でも、釣りをしただけで、死刑、流刑なんて悪政ですな、怖いですなあ。 読了日:11月24日 著者:夢枕 獏 大江戸釣客伝 上◎◎釣りにも江戸の出来ごとにも興味のない評者なのだが、逆に興味を持って楽しめる。今みたいにメーカーのない中で、自ずから竿を工夫し、鉤を工夫し、技法を工夫する。それと並行して強化されていく生類憐みの令。知らなかったのだが、この禁令、何度も追加発令されてバージョンアップしていたのね。釣り師たちも、自分たちが何時釣りが出来なくなるのか戦々恐々としていた時代なのである。読みやすく(上下巻だが会話部分も多いので厚さが苦にならない)面白い物語。いざ下巻へ。 読了日:11月24日 著者:夢枕 獏 畦と銃◎◎この踊るようなリズムの文体は才能ですな。舞城や東山彰良のあれですな。ミナギという村を舞台にした、描写も見事な物語。米作り、林業、牧童仕事、そんな生業を描ききり、男たちの熱いエネルギーを紡ぎだす。今年の押さえ本のひとつのことども。 読了日:11月23日 著者:真藤 順丈 オイアウエ漂流記△飛行機が海に不時着、南の無人島で生き抜く主人公たち・・・結局、何度も何度も何度も描かれてきた設定で、面白いかどうかはその冒険譚に尽きる。序盤は、各人のキャラが立ち、中々面白いのでは?と思ったが、結局、水を探し、火を熾し、食料を確保して、男女のキャラをどう動かすかの話なら、読者の想像を超えるものはなく、荻原浩もちょいと枯れかけ?と感じたのは評者だけなのか。ユーモアでもシリアスでも、先の読めない想像を超える創造が読みたいのことども。 読了日:11月20日 著者:荻原 浩 日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典〇「日本人」シリーズ3作目ながら、前2作とは似て非なるもの。ちょいと小難しい。ただ吉田兼好の『徒然草』を、本屋の“知的生き方フェア”『シンプルに賢く生きる人生ノウハウ本』と称しているのには、座布団3枚差し上げます。・・・笑点の司会者って今誰? 読了日:11月19日 著者:蛇蔵,海野 凪子 地の鳥 天の魚群◎奥泉光がすばる文学賞へ応募し、最終選考に残った処女作と小品が2編収められた本書。勝手に副題を付けるなら“小市民石脇氏の幻想的で思弁的な日常の冒険譚”って感じかな。全体にユーモラスで滑稽な描写を漢字を多用した硬筆な文章で綴っていくのは、最近の作品でも多用されているが、全体的な暗さは「すばる」的かな(笑)。窓際サラリーマン石脇氏が、息子の失踪に苦悩し、妻と娘の喧騒、娘の異常に苦悩する物語である。ただ、夢想、幻想が交錯する部分も多く、奥泉文体に慣れていない方は、『モーダルな事象』あたりから入った方が無難かな。 読了日:11月13日 著者:奥泉 光 進々堂世界一周 追憶のカシュガル〇若き日の御手洗の口を借りて、問わず語りの紀行的物語。多分、作者が綴りたいと思ってきた、知見や逸話を披露するには、こういう形式が一番お似合いなのかもしれない。知的障害者、戦中の女子挺身隊、桜、そんな題材にまつわる小品集といったところか。ミステリーでも謎解きでもなく、なぜ御手洗?御手洗の必要はない!なんて思う向きもあるだろうが、もし御手洗でなければ、結局のところ島田荘司的な色合いが褪せそうだし、御手洗という「記号」をつけておかないと、結局この語り部は誰、どんな人物?そんな説明が必要になるので御手洗でいいのだ 読了日:11月12日 著者:島田 荘司 海にはワニがいる◎10歳でアフガンから不法移民として、パキスタン、イラン、トルコ、ギリシア、イタリアを渡り歩いた主人公少年の口述を記録した感の8年間の物語。220頁足らずの中に8年間が記録されているわけで、ということはエッセンスが詰め込まれた流浪の物語なのである。日本人の多くは「待遇」に不平不満を持つ幸せな地にいるわけで、主人公がを命を賭しながら切り拓く「境遇」とは、ほぼ無縁な世界を生きているわけで、多分、生きるために歩く、なんて経験はまずしない。子供から大人まで、多くの読者に支持されるべき1冊。不滅の押さえ本のことども 読了日:11月03日 著者:ファビオ・ジェーダ 心理学的にありえない 下▲上巻を読み終えたときに感じた、下巻への嬉しい予感が、結局は何も満たされずに読了したのだなあ。最後、じらした割には大いなるエンディングは特に存在しなかったしなあ。最後の最後で明かされたことは、それはそれでいいのだけど、じゃあミスリード的人物はどこにいるの?蚊帳の外?それと上巻のプロローグの意味は?以上ここまでは、読んだ人のみ理解できるつぶやき。未読の方へ:SF的能力を備えた人物たちが、巨悪の暴走に立ち向かおうとする物語です。前作と違い、広げた風呂敷の畳み方の折り目が完璧でないというところがお茶目のことども 読了日:11月03日 著者:アダム・ファウアー 2011年11月の読書メーターまとめ詳細 読書メーター |
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