2012年 02月 01日
2月の読書メーター 読んだ本の数:9冊 読んだページ数:2673ページ ナイス数:54ナイス ユリゴコロ ◎◎ホラー的サスペンス。その上、物語の後半での収斂のさせ方は、いわゆるミステリー。少し無理がないわけじゃないけどね。でも極上の紡がれる物語ですなあ。自分の実家の押し入れから発見された手記。主人公青年はその物語に惹きこまれていくのだが、その内容がホラー。いわゆる殺人者の手記。描いた人物は誰なのか。その一方で、消えた恋人の話も、中盤あたりから動き出し・・・宇多田ヒカルみたいな名前の著者だが、沼田まほかるは57歳の遅咲きデビュー作家。今は大体63歳の作家の筆は、瑞々しい感性に溢れかえっているのことども。 読了日:12月29日 著者:沼田 まほかる シューメーカーの足音 ▲なるほど、自分で靴をチョイスするとき、上から目線でしか、そのフィット感を見ることしかしないが、他人はつま先側から視るわけで、鏡に映してみなければわからないのだなあ、というような、うん十万円もするオーダーメイドの紳士靴の蘊蓄は新鮮なのだが、ミステリー的な話の骨子は弱い。なぜ、そういう行動、結末になるのかよくわからないのだなあ。読後、あの小料理屋の母親と板前のことはどうでもよかったと思うし、銀行員の女性も結局なんだか性格がよくわからなかったし、エピローグもいらないような・・・そんな感じのことども。 読了日:12月25日 著者:本城 雅人 このミステリーがすごい! 2012年版 発売と同時に買ったのだが、ランキングだけ眺めてほったらかし。やっと細部まで読みましたのことども。自分的には1位は『三題噺 示現流幽霊 神田紅梅亭寄席物帳』愛川晶なのだが・・・。本書を読んで二つのことを思ったわけで、1つは、最近このミス的読書をしていたわけじゃないけど、国内海外ともに、意外にベスト20の本を自分が読んでいたことに、ふむと。もうひとつは、アンテナにひっかかっていなかった作品がやはり多数あるわけで、うむと。『探偵術マニュアル』ジュデダイア・ペリーと『ムーンライト・マイル』デニス・レヘインは読もう 読了日:12月25日 著者: 憧憬☆カトマンズ ◎◎最近読んだ本の中で、抜群に単純に面白い。っていうか、この宮木あや子って作家、初読みなのだが感情の感性と言葉の感性に天性的なものがるのことども。東山彰良の女性版?綿矢りさ姫の大衆版?そんな感じの、反射神経で紡がれた文章は秀逸。本書には4つの視点から描かれる物語が収められ、連作短編でもあり、それぞれ読み切りでも楽しめるわけで、標題の「憧憬☆カトマンズ」の言葉や文章の操りには脱帽。日本語の操り師が町田康なら、宮木あや子は超絶女子言葉の操り師のことども。読むべし、読むべし、べし、べし、べし!!! 読了日:12月23日 著者:宮木 あや子 嫌な女 ◎◎絶品、絶妙な物語。周囲の女性には疎まれながら、男を弄ぶ夏子の人生。困ったときに、何故か主人公の女性弁護士を頼ってくる。そんな話が章立てになった連作集。長編的な変遷を持ちながら、短編の鋭い味わいを緻密に紡ぐその筆は本物のことども。『県庁の星』のとき、アイディア作家かと感じたが、それは大間違いの本物の小説家がここにあり。昭和53年の第1章を読んで???2章、3章・・・なるほどね。しかし、巧すぎる。昔、真保裕一の『ストロボ』の章立てに感動したが、比肩の必見の小説がこんなところに転がっていたのだなあ。 読了日:12月18日 著者:桂 望実 改訂2版 環境社会検定試験eco検定公式テキスト 検定試験前日に、また通読してしまったので、再読本に追加。どうして自分は努力してしまうんだろう。多分、再読しなくたって万全なのに・・・5時間もかけて読んでしまった。 読了日:12月17日 著者:東京商工会議所 eco検定必須ポイント&問題集決定版 過去問・一問一答・模擬〈2011年版〉 過去問を4年分90問×4=360問、それを2回解いたので計720問。明日が検定試験だが、ほぼ完璧でしょう。また、つまらない壁に全力をあげてしまったのことども。 読了日:12月17日 著者:eco検定合格プロジェクト 改訂2版 環境社会検定試験eco検定公式テキスト 来週12月18日が試験。一通り眺めて、85点くらい取れるようになったので、一応読了ということで。合格ラインは70点。中学のテストでいうところの保健体育のテストみたいな・・・いやね、英語や数学は勉強すればしただけ100点に近くなるけど、保健体育の試験は茫洋としていて、まあ80点は頑張れば取れるけど、みたいな。中身は、はっきり言って面白くありません(笑)。ECOの枠組み体系みたいな、そんな世界です。発展も大事だけど、自然と共生して、将来を見据えないと、石油も石炭も枯渇して砂漠化して北斗の拳の世界になるのだなあ 読了日:12月11日 著者:東京商工会議所 ヒポクラテスのため息 ×まったくもって、自分には退屈な本でした。巻末に医療に関する参考文献が載っているが、現在の日本の医療事情のトピックを、ダラダラとした物語にしたようなもので、題名に「ため息」と付いているが、読んでるこちらが「ため息」だど。多分、テレビドラマだと、蓋然性のなさやキャラの行動に“人はそんな風に考えないし動かない!”と思いはしないのだが、活字だとなあ。門倉医師の実家が定食屋であることは、ドラマだと一つの風景になろうが、本書では無駄なページであるのことども。でもって、ドラマ化されるんだろうなあ。 読了日:12月04日 著者:福田 和代 2011年12月の読書メーターまとめ詳細 読書メーター
by kotodomo
| 2012-02-01 20:00
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