2012年 04月 09日
前作『犯罪』は著者の体験した稀有な裁判事象をすべて盛り込んだ佳作で、要するにすべて盛り込んでしまったために、二作目の本書は出涸らしでしかないのである。それでもほぼノンフィクションであるから、最終的なオチというか、収まり方があるはずなのだが、例えば“公園で母息子と思しき二人が遊んでいたのを見た”っていう話に、元々オチがないのなら、そういう話はするな!みたいな、そんな短編集なのである。前作を読んでない読者が、いきなり本書を読んだら、多分最後まで読み終えないだろう。本書より新聞の読者投稿広場のほうが面白い。 【amazonより転載】 内容紹介 この世には、裁くことのできない「罪」がある。高名な刑事事件弁護士が現実の事件に材を得て、様々な罪人たちの真実の姿を描き出す。『犯罪』の著者による至高の連作短篇集。 内容(「BOOK」データベースより) ふるさと祭りの最中に突発する、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。秘密結社イルミナティにかぶれる男子寄宿学校生らの、“生け贄”の生徒へのいじめが引き起こす悲劇。猟奇殺人をもくろむ男を襲う突然の不運。何不自由ない暮らしを送る主婦が続ける窃盗事件。麻薬密売容疑で逮捕された孤独な老人が隠す真犯人。―弁護士の「私」は、さまざまな罪のかたちを静かに語り出す。刑事事件専門の弁護士が、現実の事件に材を得て描きあげた十五の異様な物語。世界各国を驚嘆せしめた傑作『犯罪』の著者による、至高の連作短篇集。ドイツでの発行部数30万部突破。ドイツCDブック賞ベスト朗読賞受賞。
by kotodomo
| 2012-04-09 19:37
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