毎日を楽しく考え、心配性の自分を憂えるエッセイ集。「タクシーが多すぎる」などは、まるで永六輔が「タクシードライバー名語録」を編纂したような面白さ。後半は、仙台に住む著者が描いた、震災に思うことと、それを題材にした掌編。読みながら思ったのだけど、今描かれている多くの震災関係のフィクションやノンフィクションは、後世、読まれるには堪えられないんじゃないかな?ということ。今の日本人全員が体感したから、説明抜きで構成できるわけで、30年後、30歳の読者が読んでも地震のことは知っていても、描写がピンとこないかも。