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「本のことども」by聖月

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2012年 07月 08日

◎「灰色の季節をこえて」 ジェラルディン・ブルックス 武田RJ 2310円 2012/4

◎「灰色の季節をこえて」 ジェラルディン・ブルックス 武田RJ 2310円 2012/4_b0037682_14353787.jpg1666年の英国の田舎を襲った疫病の顛末を、主人公女性の目を通して描かれただけの小説なのだが、小説とは何か、小説にできることは何か、そして作家という役割は何かを考えさせてくれる良書である。簡単に言えば、こんな題材で書いてもベストセラーになるわけではなく、作家とはベストセラーとは無縁な、業としての宿命を全うすべき存在なのである。常人が紡げない物語を紡ぎ、常人が繋げない物語を繋げるのである。主人公と牧師とその妻の宿命の物語。人間の強さと弱さと狂気と歓喜の物語。そして最後におまけの物語。良書読むべし読書人よ。

by kotodomo | 2012-07-08 14:37 | 書評 | Trackback | Comments(0)


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