2012年 11月 01日

2012年10月に読んだ本のことども

2012年10月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1741ページ
ナイス数:120ナイス

パンドラの匣 (新潮文庫)パンドラの匣 (新潮文庫)感想
◎◎18歳で傑作だと感じた本を、50歳で再読。太宰には珍しい青春小説である。「正義と微笑」「パンドラの函」の中編2編収録。まずは美文である。そして18歳のときにには気付かなかったが「正義と微笑」の主人公青年は相当のヘタレである。あまりのヘタレ具合に、思わず笑った箇所もあり、太宰で笑うとはである。「ライ麦畑・」の主人公も敵わない大ヘタレ。読むべし。そして、こちらの方が明るい青春傑作と印象に残っていたパンドラ。あとがきを読むと、そうかこの主人公青年のモデルとなった人物は結核を克服できずに死んだわけか。寂しい。
読了日:10月26日 著者:太宰 治
夏のバスプール夏のバスプール感想
◎◎高校一年男子の、夏休み前1週間の青春生活のお話。結局、最後の頁まで、何のお話を読んでいるのかわからず、人によっては何の話?オチは?と思うかもしれないが、個人的にこのまとめ方は好みである。最終盤での西澤との会話、青野との戯れ、色んなものが会話の中で恢復していくような筆の運びが。こりゃあ「国道沿いのファミレス」も読まないと。無駄なキャラたち、つまり不登校の男子、久野ちゃんの弟のつまるところ、本屋のバイト君などが、無駄なまま全体の溝をうまく埋めていて、この今までにない計算された構成を読まされると唸るしかない
読了日:10月20日 著者:畑野 智美
ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)感想
◎1作目より、本にまつわる薀蓄と物語が滑らかでよろしい。これで、「巨乳」と「体質」への言及と、栞子さんのどもり過ぎの描写が少なければ、もっと素直に評価できるんだけどね。前作に引き続き図書館に予約したのだけれども、自分の中では優先順位が低く、ラノベだし読まずに返しても、と思っていたが、いやいや読んで正解。優先順位は相変わらず低いが、続巻も読みますよ(^.^)多くの人が知らない本にまつわる章立てで、果たしてそれでも面白いのは作者のお勉強の賜物と構成力のおかげでしょう。あれだね、男性読者として栞子さん会いたい!
読了日:10月18日 著者:三上 延
フリント船長がまだいい人だったころ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)フリント船長がまだいい人だったころ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)感想
〇題名から冒険物かと思っていたら、ノワールな雰囲気の小説であったのことよ。町の漁船団を牛耳るドンが死んで、その息子が資産や権利を売っぱらうと宣言したことから起こる顛末、ただそれだけのお話を文学性を孕んだ描写で読まされるのは、そこまで苦にならないが、冒険物だと思っていたので、その落差は大きい(笑)結局、この作者は物語の中で音楽をプレイヤーに載せたかったのかな。レコードアルバムを奏でたかったのかな。登場人物たちに、好人物が不在なので、物語を楽しみたい読み手なら、本書は避けておいたほうがいいだろう。曇天の小説。
読了日:10月14日 著者:ニック ダイベック
金星を追いかけて金星を追いかけて感想
▲ハレーが、50年後に金星の日面通過が8年セットで2回起きるよ、自分はもう生きていないから、みんな全世界で観測して宇宙の距離を測りなさいねと言って、それが行われるのも凄いが、当時の先進国も大航海を経ないと観測地に行けないのも苛酷だし、全世界のデータを集めるのも大変だし、科学って凄いね。1760年代なんて、仏革命より前の話。飛行機でFAXで電話でネットで、そんなのないんで、船に乗っていても本国とのやりとりは手紙だし、そんな時代に凄い。ちなみに我々は、2004年、2012年の2セットを経験済み。この前あったね
読了日:10月8日 著者:アンドレア・ウルフ
僕らのご飯は明日で待ってる僕らのご飯は明日で待ってる感想
◎◎最高に爽やかな傑作恋愛小説。内に籠った青年の日常からの描きだしに、再生の物語?と思いきや、それ以上の物語。連作短編集のような章立てをとりながら、二人の男女の高校生活描写から、少しずつ物語は未来へと進んでいく。とにかく、読むべし!理屈などいらないお薦め小説。実に中身が健康的なのである。ただなあ、途中で縁があったえみりという名の女の子が可哀そう。可愛くて育ちもよくて素直な彼女が、なぜにフラれてしまうのか。なぜにフラれなければならないのか。ああ、可哀そうで仕方ないというのが中年男性読者からの唯一の欠点かな。
読了日:10月7日 著者:瀬尾まいこ

読書メーター

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by kotodomo | 2012-11-01 19:19 | 読書メーター


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