「本のことども」by聖月

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2013年 02月 03日

2013年1月に読んだ本のことども

2013年1月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:3432ページ
ナイス数:112ナイス

ある男ある男感想
明治初期、実際に日本で起こった7つの史実を材料に、それぞれその時代に居合わせた7人のある男の視点で語られる物語。木内昇、女性作家だというのを今回初めて知る(読書中ネットで調べた)。いい意味で女流らしくない。骨太な筆致で登場人物たちのキャラをこれでもかと浮き彫りにし、最後は物語全体をうっちゃり、何の話だったのと読者を惑わせる。勿論、時代の話なんだけど。主人公は時代で、キャラの立つ登場人物たちが脇役、盛り立て役と言ったら言い過ぎだろうか。「女の面」のお光と瀬喜のキャラの描き方なんて凄いのに脇役でしかないのだ。
読了日:1月30日 著者:木内 昇
恋愛写真―もうひとつの物語恋愛写真―もうひとつの物語感想
◎日曜の朝9時に読了with涙、もう自分も50歳だというのに、若い恋愛に涙とは、やれやれ、たしかに。もう恋なんて昔の話だと思っても、やはりこういう小説を読むと心は揺れ動いたり踊ったりするわけです。基本は、男性主人公の大学ライフのお話と、二人の女性の間にある機微。よく思うんですけど、どちらも気立てのいい女性なのに、なぜか小説の主人公は、結局高嶺の花は選ばずに、野に咲く花を選んでしまって、その花の哀しみまで共有しちゃうので、やっぱそういうとこがモドカシイかな。少し不思議な設定を含めて、この作者らしい作品かと。
読了日:1月27日 著者:市川 拓司
生きるぼくら生きるぼくら感想
×カフーや一分間だけや楽園を面白く楽しく読んだ自分には、同じ著者でも本書は合わずダメでした。ラノベで連載小説、結局朝の連続ドラマ「コメを作るぞ!もう引きこもらない!生きるぼくら!」みたいな感じで、いかにもの設定と、ドラマでしかありえない人間ドラマと、早く気付けよ、勘違いやすれ違いに!みたいなことでダラダラと引き伸ばされる展開に、こんな話を読むつもりはなかったんだけど、と思いながら、中盤からはパラパラ漫画読み。他の作家なんかでもそうなんだけど、連載物ってやっぱ売文的な側面は避けられないわけで仕方ないんだけど
読了日:1月20日 著者:原田マハ
海の見える街海の見える街感想
◎◎デビュー作から三作読んできたけど、この作家はずっと追いかけます。どの作品も、設定は自分の年齢よりずっと下の人たちの話なのだけど、気持ちが入れ込めるのは、やはり作者の巧さですかね。今回は図書館で働く、どこかオタクな複数男女の物語。4章からなって、それぞれ視点が違うのだけど、時が重複することなく物語が進んでいく、一年間の物語。人情、友情、恋愛、色々あり。で、初っ端、主人公の母親がインド人と結婚!この先どう展開するの?と思ったら、その話は置き去り(笑)窓やカーテンを開けたくない女!その心情は?解説なし(笑)
読了日:1月20日 著者:畑野 智美
バーニング・ワイヤーバーニング・ワイヤー感想
〇リンカーン・ライムシリーズは、予想も出来ない終盤のサプライズ、どんでん返しのそのまたどんでん返しの裏返しみたいなのが、持ち味なのだが、本書の結末はなんというか予定調和的。サプライズはあるのだが、ああそういうことですか、みたいな、なんだか予定されていたようなプチサプライズ。見抜いていたわけではないのだが、イマイチ。出だしこそ、電気って怖いじゃん、見えないじゃん、一瞬にして死ぬじゃんと思って読んでいたけど、中盤から意外にハラハラシーンが少ないし。このシリーズにして初めて、終盤にハヨ終ワレと思った退屈読書だす
読了日:1月15日 著者:ジェフリー ディーヴァー
花の鎖花の鎖感想
〇まあ、悪くはないと言っておきましょう。並行して進む、三人の女性の視点のお話。その着地点は、本を読みなれた人は多分途中で気付くはず。ただ、その着地点に気付いても、面倒なので点と点を結ばず、読み進めた読書中。だって、点と点が結べても、そこには作者の理屈があるでしょうし、そこが肝心だから。だから、終章の蓋然性には疑問もある。ただね、物語の構造としては、まあ悪くないのかな。結局、色んなことに論理づけしてくれる著者なのだが、出だしの設定は無意味かな。つぶれた英会話スクールとか、婆ちゃんへの頼みの軽さのラノベ加減。
読了日:1月12日 著者:湊 かなえ
転落少女と36の必読書(下)転落少女と36の必読書(下)感想
◎◎青春物語がわかった上巻。後半は、いやはやミステリーではないか。その昔マキャモンの「少年時代」を普通の小説と思っていたら、普通に描かれていたことが全部伏線になって収斂されていくミステリーであったことを思い出した。ただ、本書の場合、謎が想像でしか解決されないわけで、途中の素晴らしい描写を考えたときに、ちょっと着地に失敗したかな?感は否めない。だが傑作!ちょっと変わった修辞的な文章作法だが、これが自分には合う。括弧が多くて、前後の文章を繋ぎ合せなきゃいけなかったりという作業が、結果、文章を舐めて楽しめたのだ
読了日:1月8日 著者:マリーシャ・ペスル
転落少女と36の必読書(上)転落少女と36の必読書(上)感想
◎◎上巻436pを読了。傑作である。既にして名作の感。表紙絵と邦題が残念。中身は、綿矢りさの感性に、村上春樹も顔負けの修辞的な文章と展開といったところの。教養ある大学教授の娘ブルーという女学生が主人公。ブルーとパパの、ブルーとちょっとはみ出た学校仲間の、ちょいわるで知性溢れる冒険が楽しい。どんな話か知らずに読み始め、テイストはわかったが、どんな話になっていくのかは、下巻の楽しみ。上下巻で約4000円とお高いので、未読の方は是非図書館へ。最近読んだ本の中で、一文も漏らさず味わいたい傑作中の傑作。舐めて読め!
読了日:1月6日 著者:マリーシャ・ペスル
アルカトラズ幻想アルカトラズ幻想感想
△無理して読んで、重力の話は字面だけ追っかけて、アルカトラズの部分はまあ普通に読んで、最後のパンプキンは10分で読み散らかしたので、本当の因果は最終的にはチンプンカンプンなのだが、それはそれでそのままにしよう。意味のわからない長い話だったが、長いものには巻かれてしまおう。読んだことも忘れてしまおう。なんで、このミスで伊坂が褒めちぎっていたのか。それもヨシとしよう。騙したのが伊坂ならそれもいい。ただ、個人的な感想を簡単に述べると、時間の無駄を感じた読書タイムでした。まだ、一生懸命読まなかっただけでも救いか。
読了日:1月2日 著者:島田 荘司

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by kotodomo | 2013-02-03 09:47 | 読書メーター


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