「本のことども」by聖月

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2016年 01月 04日

2015年8月から12月に読んだ本のことども

2015年の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:5878ページ
ナイス数:637ナイス

カイコの紡ぐ嘘(上) 私立探偵コーモラン・ストライクカイコの紡ぐ嘘(上) 私立探偵コーモラン・ストライク感想
ハリポタ作家の別名義。シリーズ第一作「カッコウの呼び声」が面白かったので。上巻を読んで面白い気はするのだが、致命的な欠点(多分、出版社の)があって、それがいけない。というのも、登場人物が多いのに、人物紹介がどこにもないのである。タッセルがキャサリンがと言われても、どこのどなたさんでしたっけ?てな感じ。それでも、読み流すように読み進めています。きっと、面白いのだろうから。宮部みゆきは、長い話を描くのが好きで、冗長で嫌いな作家だが、この作家はハリポタにしろ長いのが巧い。本書も上下巻800頁弱。下巻の新展開へ。
読了日:12月31日 著者:ロバート・ガルブレイス
ここは私たちのいない場所ここは私たちのいない場所感想
直木賞受賞以来、益々うまくなってくる白石一文。私は、デビュー作からリアルに読んでるが、本作は贅肉の削げた傑作。大人の愛と生き方を描いたリアルな作品。特に50歳を過ぎたあたりの読者には、妄想的なリアルさ。こうありたいなあ、みたいな。物語自体は、何の話とまとめるには、終わり方があっけない。でも、この作者はフィロソフィーの作家なので、その哲学が巧くまとまっているのは確か。今は夫婦でも、何かが違ったら、お互いの存在を知らずにすます人生もあり得るし、二度と会うはずもないあの時のあの人は、もう自分の場所にはいない。
読了日:11月27日 著者:白石一文
ウォーク・イン・クローゼットウォーク・イン・クローゼット感想
表題の中編作品は可もなく不可もなく。ただ、りさ姫がファッションを詳しく描くタイプとは思ってもみなかったので新鮮。もうひとつの中編「いなか、の、すとーかー」は中盤から秀逸。悪意を持ったストーカーの非常識なロジック、そんな表現は舞城王太郎くらいしか描けないだろうと思っていたら、りさ姫、凄いじゃん。「インストール」の頃は、町田康的に静的な日本語を操っていたけど、こんなヒストリックに日本語を操るとは!物語的には、2編合わせても、あまり心に残るストーリーではないけど、彼女の筆は進化しています。いつまでも、瑞々しい。
読了日:11月23日 著者:綿矢りさ
もしも、私があなただったらもしも、私があなただったら感想
9年ぶりに再読。内容をさっぱり忘れていて、最初から最後まで「どうなるんだろう?」と楽しめました(笑)9年前の自分の感想をみると、男にとっての願望小説と評価している。読んでみれば、今でも確かにそうだし、逆に自分の年齢が主人公の年齢を通過した分、共感する部分も多くなったような気がする。最終的に、真相がどういうことだったのか、わからずに終わってしまうエピソードもあるが、それはそれでいいのではないかな。やはり、the小説は心地いい。そういう意味で、この手の白石作品は、どの作品をとっても、直木賞受賞にふさわしい。
読了日:9月17日 著者:白石一文
これからお祈りにいきます (単行本)これからお祈りにいきます (単行本)感想
本の題名とは関係ない中編「サイガサマのウィッカーマン」と短編「バイアブランカの地層と少女」の二編が収められていて、前者も面白いのだが、ある奇祭の準備期間から開催までと、時間の流れが結構あるので、独特の文章ながら、冗長感も否めない。後者は抜群の面白さ。既に芥川賞を受賞している作者だが、こういう楽しめる作品で受賞していれば、普段から本を読まない人も、文学に興味を示すのではないのだろうか。とにかく、この作家は、少年やそれに近い男の視点で描かせたら巧い。唸るほど巧い。やはり、こういう紡ぐ作家は追いかけていきたい。
読了日:8月14日 著者:津村記久子
とにかくうちに帰りますとにかくうちに帰ります感想
ちょっとこの作家にしては単調。ウエストウィングに続き、また大雨だし(笑)大雨は退屈なのである。職場の作法はまあ多少頷けるところもあるが、やはり単調かな。ああ、あれは面白かった。その人が応援するものは、不幸にして呪われるような話。小学生の頃、私は甲子園の高校野球、地元の試合を必ず見ていた。大抵前半に点を入れられる。後半、心の中で追いつけ!と念じているのだが、一緒に見ていた母や姉が「ダメだね」「ダメだったね」と諦観の言葉を吐き呪いの霧を撒き散らす。あんたたちが、そんなこと言うから負けたんだ!と試合後に思う私。
読了日:8月1日 著者:津村記久子

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by kotodomo | 2016-01-04 16:26 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
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