2017年2月の読書メーター読んだ本の数:1冊
読んだページ数:248ページ
ナイス数:40ナイス
半席の
感想このミスになんでこの作家がランクイン?と思ったけれど、間違いなくミステリー、それも極上の。空が晴れ上がったような小気味よさをまとった、いい意味での安楽椅子探偵小説。ただし、その謎解きは、江戸の文化、侍文化があってこそ成り立ち、逆に読者は、そういう侍精神に新鮮さを感じる。事件が起こり、犯人は判明し自白すらしていても、なぜ事を起こしたのか、そこがわからない。主人公は、その事を解き明かすのだが、あっちこっち奔走するわけではない。熟慮を重ね、仮説を立て、相手にぶつけるのみである。自分だけの理由を語られるとねえ。
読了日:2月19日 著者:
青山文平読書メーター