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「本のことども」by聖月

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2005年 06月 08日

◎「羊たちの沈黙」 トマス・ハリス 新潮社 781円 1989/9


 映画でも大々的に取り上げられている。そのカットが眼に焼き付いていて、きっと数人の女性がレイプされ、沈黙していたのが立ち上がり、その弁護を主人公がおこなう法廷物かと勘違いしていた。

 実際には、FBI女性捜査官が、収監中の殺人鬼レクター博士とプロファイリングにより、犯人を追っていくものであるのだが。

 印象としては、翻訳物としての読みにくさを感じた。だが、後書きを読んで、その印象の間違いに気付いた。この作者は数年に一本しか、作品を発表しない。ということは、1年くらいで書き上げて、後の何年かを草稿に費やしているのではないか。とすれば、この読みにくさは、文章の奥行きの深さに起因しているのである。何を言っているのか解からない会話をやり過ごし、読了すると、全体の奥行きの深さを感じてくる。

 新作「ハンニバル」も出ているが、しばらくしてから読もう。既に古本屋では半値で出回っているのだが。奥の深い読み物を、続けて読むのは、疲れるもので。

※古書店で100円で買うべし

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by kotodomo | 2005-06-08 20:31 | 書評 | Trackback | Comments(0)


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