人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「本のことども」by聖月

kotodomo.exblog.jp
ブログトップ
2005年 06月 19日

▲「人間動物園」 連城三紀彦 双葉社 1700円 2002/4

▲「人間動物園」 連城三紀彦 双葉社 1700円 2002/4_b0037682_1744664.jpg 警察へ、おばちゃんから電話がある。ペットが誘拐されたと。最初、すわ人間の誘拐かと勘違いした担当者たち。ペットなら事件性が少ないと、苦笑やら虚脱感やら。

 翌日、またそのおばちゃんから電話がくる。今度は、隣に住む少女が誘拐されたと。疑心暗鬼で、とりあえず現場に向かう担当者たち。誘拐なら、なぜ隣に住む人間から連絡が来るのだろう?なぜ、当事者の家から連絡が入らないのだろう?と。

 このミス2003年版で、国内7位にランクインした作品であったが、評者の評価はあまりよくない。ひとつには、登場人物たちをいちいち動物にたとえたり、なぞらえたりの記述がかったるく感じたこと。もうひとつは、この作品、ラストのパラドックス的な結末を読み手がどう感じるかという点で感性にあわなかったこと。結末を読んで、「ああ、そうなの」と思った評者は、やはり天邪鬼であるのかな(笑)。

 一般的には、それなりに読ませ、結末に大いに感心させられる小説との声が大勢を占めているようではあるのだが。(20021228)

書評一覧
↑↑↑「本のことども」by聖月書評一覧はこちら

by kotodomo | 2005-06-19 16:49 | 書評 | Trackback | Comments(0)


<< 〇「時計を忘れて森へいこう」 ...      ◎◎「ハートブレイク・カフェ」... >>