2005年 06月 19日
一部の読書ファンの間では、たとえば高村薫を女王様と呼んだり、宮部みゆきを歌姫と呼んだりしている。素晴らしい作品、繰り出す物語群を評価しての呼称である。ひとり、キングと呼ばれる作家がいる。霞流一である。バカミスキングと呼ばれて定着している。内容は本格系に属するのだが、アホらしい内容のミステリーばかり書くのでそう呼ばれるのである。 本書もバカミスである。プロレス技でいう逆エビ固めみたいな死因で発見される死体を中心に、変なもの、変な設定のオンパレード。謎解きも、非日常ありの、何でもありありである。 さぞや、ウッヒャヒャと笑って読めるだろうと思って読み始めた評者なのであったが、途中からアホらしくなってしまった。読むのをやめようかとも思ったのだが、読みやすくページ数も少ないので最後まで読んでしまった。 同じバカミスなら『六枚のとんかつ』蘇部健一の方がまだまし、このミスで『アラビアの夜の種族』古川日出男と競るような作品ではない、と思った読後感。結局、人の好き好きだろうとは思うのだが。(20030102) ※ 図書館で借りたが、買わなくてよかったと思っている。 書評一覧 ↑↑↑「本のことども」by聖月書評一覧はこちら
by kotodomo
| 2005-06-19 17:01
| 書評
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Comments(2)
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from 辻斬り書評
at 2005-08-11 22:52
タイトル : 「赤き死の炎馬~奇蹟鑑定人ファイル1」 霞流一
著者: 霞 流一 タイトル: 赤き死の炎馬―奇蹟鑑定人ファイル〈1〉 冗長の一言に尽きる。この小説ほど、解決編がどうでもよく感じられたものはない。流し読みどころか放し読みと表現してもいいくらいだ。 道具立て自体は悪くない。出雲大社などが中心となって組織... more
はじめまして。TBさせていただきました。
僕も霞流一には呆れてしまったクチです(笑) バカミスファン(僕はそうでもないのですが)は霞センス派と蘇部センス派でバッサリとわかれるようですね。なかでも本格愛好家は押しなべて霞センスを了としているように見受けられます。 わかりやすい現象だな、と思います。
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tujigiriさん こんにちは
呆れるというか、罪のない勢いはありますね、馬鹿らしさに(笑) 蘇部作品は「6枚のトンカツ」を1/3くらい読んだでしょうか。なんかドサクサしたら、もうそれ以上読む気力が失せたみたいな。 そうですね、霞流本格は確かに基本がありますね。 |
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