2005年 06月 26日

◎◎「テースト・オブ・苦虫」 町田康 中央公論新社 1700円 2002/11


 めんどくせー、町田康の紹介、って、真似してやらーな、ウッシッシ。
「日本語の面倒、自分は私はこう思う」 文責 聖月


 いやね、この題名、やっぱ考えちゃうんだよねえ、君たち大衆と違って、いろいろとさ。多分、君たちの中で一番だめな部類の痴れ人は、テーストの意味も、オブのいわんとするところの用法もわからんだろうし、苦虫をクチュウなどと読んで、わあ、カワイイというのだろうねえ、知らんけど。まあ、評者は文化人だからして、苦虫の味ねえ、そりゃ苦いね、と考えるにとどまらず、と考えるにとどまらず、と考えるにとどまらずって三度も書いちゃうのは、これ新しい強調法って、ダメかな?流行らないかな?そか、どっから、ああ、とどまらず、苦虫ってなんど?それよりなにより、この虫、苦いね、って思うのは、はん、やっぱ昔からいろんな虫、口に入れて、食えそうとかこりゃあかんとかやっていたのだろうか、とそういうとこまで、自分は俺は考えるのだ、痴れ人諸氏よ、参ったか!自分は俺は、文化人及び知識人なのだあ、あめゆじゅとてちてけんじゃ、おらおらでひとりえぐも、あらまた知識がポロリ。わからん?ええけど。ええ詩なんやけどなあ。

 ところで、わからんと言えば、テンダーロイン。昔々あるところに、僕チンが住んでいました。僕チンはテレビを観ておかあたんに言いました。ママン、あんなビフテキ食べてみたい。おかあたんはコンジョンガラガア!と怒って出て行きました。オシマイ。って、昔はビフテキもしくはビーフステーキであったと思しきものが、近年にいたり、やれサーロインだのやれフィ~レだの言われ、これは浸透してきた言葉ではあるとは思うのだが、テンダーロイン、これはわからん?何がテンダーなのじゃ?あのヤンキーの豆くい野郎、え?差別用語?いいじゃん、じゃあ俺はジャップ、ってこれって謙譲?ちょっと脇道それるけど、いいんじゃないチビ黒サンボはチビ黒サンボのままで。俺、チビ黒サンボって言われてもいいけどさあ、ノビタっては言われたくないと思ってるの。そのうち「のびたのくせに」って言葉も差別用語の仲間入り、で、ジャイアンは無口に。脇道から帰ってきた。あの豆くいカウボーイ映画の中で“ラヴ ミ~ テンダ~ ラヴ ミ~ ドゥ~♪”あれ思い出しちゃって、どこが優しいのだ?この肉のどこが!この肉め!このバカ肉が!って、いやあテンダーロインステーキの名前見ると。他にもあるよ。日本語の乱れ。例えば、おっとピンポン鳴ったよ。ちょっと待ってて、行ってくる。

 行ってきた。いやあ、今日は家のものも玄関番もおらんでね、宅急便だったよ。ほら、あなた、今オイラを馬鹿にしたね。フン、痴れって。宅配便だろ。宅急便はクロネコヤマトの登録名だから、一般的に宅配便ってのが普通だろうって?知ってるよ、知ってるけどクロネコヤマトが持ってきたのだ、実際に。だから、いいの。って、なんだっけ。そう、日本語の乱れ。例えば「かえりうち」って言葉。いやあ、夕べ麻雀、この前はよかったんだけど、ゆんべは“返り討ち”にあっちゃってさあ、って間違った使い方。正しくは、きょう会社早く終わったから、“帰りウチ”に寄ってたまには麻雀でもせえへん?これが正しい。知識人やろ、ワイは。君、思い違いしちゃいけない、は、太宰の『パンドラの函』の書き出し、ワイは知識人。女は、やっぱり、駄目なものね、は同じく『千代女』、子供より親が大事と、思いたい、は同じく『桜桃』、おわかれ致します。あなたは、嘘ばかりついていました、は同じく『きりぎりす』、これ即ちこぼれる評者の知識の顕れなれど、しかし太宰は美しいのう。

 そんな馬鹿文章書いていたら、おう窓辺に蟋蟀(コオロギ)。なにかピノッキオなことでも始まらんかなと思って、ステッキと山高帽を見つけ出し構えた評者の口にダイヴインした蟋蟀もお前も苦虫だったのかあ…

 って、町田康がこんなの書いてるかどうか、知~らない。少しだけ真実を書くと、本書『テースト・オブ・苦虫』はヨミウリ・ウィークリーに連載されていたエッセイ集である。(20030620)


※本書に気をよくした評者は、町田康&いしいしんじからなる『人生を救え!』毎日新聞社を図書館から借りてきた。これは毎日新聞紙上での町田康バカ話人生相談なのだが、5項目読んで、読むのをやめた。これは面白くないぞ。もう返す。

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by kotodomo | 2005-06-26 07:23 | 書評 | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from まっしろな気持ち at 2005-12-10 15:17
タイトル : テースト・オブ・苦虫1
これはエッセイなのか小説なのか。分類に困る、或いは分類などいらない、そういう本なのだろうという結論に至ったのだけれど、やはり私としたら小説の部類に入れてしまいたい。だって、図書館の棚で小説に分類されていたことだし、そう認識しつつ読んだのであるから。けれど、自... more
Commented by ましろ at 2005-12-10 15:14 x
聖月さんが知識人&文化人だということを再確認した私です。“見事”という一言に尽きます!
Commented by 聖月 at 2005-12-10 18:54 x
ましろさん 今読み返して、自分が痴れ者だとわかりました。
恥ずかしい文章だなあ。


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