「本のことども」by聖月

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2005年 11月 05日

冬休みの課題


今朝、新聞を読むまで知らなかったのだけど、11月にはハリポタ4の映画公開なのね。

ということは、今年の評者の冬休み(12月23日~1月9日、どや!)の課題は
『ハリーポッターと炎のゴブレット』を読んで、上の娘と二人で映画デートやんけ。

ハリーポッター・・・これは読むべし本である。
少なくとも、シリーズ2作目までは読むべし!
特に2作目『ハリーポッターと秘密の部屋』は、評者はこのミス1位を取るべきミステリーだったと賞賛する。

では・・・一挙に再掲

○「ハリー・ポッターと賢者の石」 J.K.ローリング 静山社 1,900円 1999/12

インターネットの世界では、書評や本の紹介のHPが沢山ある。メディア系のプロによって書かれたサイトも多いが、大半は本好きが自分で読んできた本を紹介するという素人による個人HPである。評者もそんなHPをチョコチョコ覗くのだが、やはりしっかりした読書観、それを上手く紹介してくれる文章力のあるサイトに足を運ぶ。逆に、そういうサイトを信用して、本選びの参考にしたり、話題の本の話を捕捉したりする。

そういった評者が出入りする書評サイトで、2001年後半、ハリー・ポッターシリーズの本が、あちらでもこちらでも紹介されるという現象が起きた。映画公開前という話題性もあっただろうが、本当に面白い本であるらしいことが段々浸透してきた証ではないかと感じている。

評者の手許にある「ハリー・ポッターと賢者の石」は、2000年秋に購入したものである。最初の爆発的売れ行きが、やや下火になった頃購入したもので、評者も最初のうちは単なるブームかと思っていたのだが、どうも面白いらしいと思い、新書店で買ったのである。そのまま読まずにいるうちに、シリーズ3作目まで出版されてしまった。そして、2001年後半の読書の達人たちによる本シリーズの紹介に刺激され、また映画の宣伝映像に興味を抱き、やっと読んでみたのである。

主人公ハリー・ポッターは、プラス思考の明るい少年である。本当は由緒正しき魔法使いの子でありながら、赤ん坊のうちにマグル(人間)の家に預けられる。その家には主人公と同じくらいの息子もいるのだが、そこの夫婦もその息子も主人公をいじめる。境遇としては、シンデレラくらい悲惨だ。舞踏会に行くドレスを選んでいるイジワル継母と姉から冷遇され、一人雑巾がけをするシンデレラの顔には悲愴感が漂っていた。ところが、ハリー少年にはそれがない。前向きなのである。いやな家族たちのいじめにもめげず、また一緒に動物園に行くことになっても、邪魔者扱いされるのはわかっているのに喜んでついて行く。

本書はそんなハリー少年が、11歳になって魔法学校から入学案内が届き、魔法学校の最初の1年間を終了するまでのお話である。極上のファンタジイである。特にその世界観が良い。魔法学校の入学に際し、事前に用意するもののひとつに杖がある。ハリーが杖の店に入ると、店の主人オリバンダー老人は、自慢の杖を沢山出してきて、一本一本ハリーに振らせる。一角獣のたてがみで作った杖22センチ、不死鳥の羽で作った杖28センチなどを次々とハリーに振らせる。ハリーにぴったりの杖が握られると、振った杖の先から火花が飛び散るのである。なんともファンタジイな世界である。ところが、ホウキの世界は違う。ホウキはニンバス2000だとか、クリーンスイープの7番などと最新の機種が重宝される世界であり、まるで最新式のオートバイかゴルフクラブかと見まがう世界である。その他、いろんな設定、世界観が本書の楽しさの根幹を成している。

魔法学校の生活では、いろんな友人たちが出てくるが、ハリーは他の二人の友達と仲良し三人組で、学校生活を過ごしていく。一人は、赤毛の少年ロン。兄弟の末っ子、兄貴たちが優秀なので、ひけめを感じている少年である。もう一人が、おしゃまな女の子ハーマイオニー。勉強好きで、先んじて呪文なども予習しているため、彼女のちょっとした魔法が三人の手助けになったりする。他にも、イジワルな友人、臆病な先生など、いろんなキャラクターが満載の楽しい世界である。

ミステリーとしても良く出来ている。評価は○にしておいたが、これは今まで紹介してきた小学生が読めないような本と、同じ土俵で評価しているので仕方がない。評者がどう評価しようが、その面白さ、お薦め度はご承知の通りである。

一年以上、評者の本棚で読まれる日を待っていた「ハリー・ポッターと賢者の石」。今日から、子供用の本棚に移しておこう。上の娘は小学一年生。まだ、理解するにはちょっと早過ぎる気がする。早く大きくなって読んでおくれ。下の娘は4歳。お前も早く大きくなって読んでおくれ。嫁さんは○×歳。暇をみて読んでおくように。出来れば、早めに読み聞かせするように。家族全員で楽しめる本。楽しめる世界。素敵な本である。

※未だに爆発的売れ行き。2作目以降は、もう少し沈静化してからと考えている。2作目のミステリーとしての面白さも耳に入ってはいるのだが。


◎「ハリー・ポッターと秘密の部屋」 J.K.ローリング 静山社 1900円 2000/9

『一年以上、評者の本棚で読まれる日を待っていた「ハリー・ポッターと賢者の石」。今日から、子供用の本棚に移しておこう。上の娘は小学一年生。まだ、理解するにはちょっと早過ぎる気がする。早く大きくなって読んでおくれ。下の娘は4歳。お前も早く大きくなって読んでおくれ。嫁さんは○×歳。暇をみて読んでおくように。出来れば、早めに読み聞かせするように。家族全員で楽しめる本。楽しめる世界。素敵な本である。』

↑これは、2002年1月に評者が書いた「ハリー・ポッターと賢者の石」の書評の結びである。少し早いかなと思って、上の娘に本を渡したのを覚えている。既に映画の映像はテレビ広告を通じて広く周知されていて、娘も"ああ、あのハリー・ポッターの本"と認識した上で受け取ったようである。もともと読書好きの娘の様子を見ていると、読んだり読まなかったりの感じであった。最後まで読めるかな?と思っていたが、最近では本を渡したことも念頭に置かないまま、評者は日々をやり過ごしていた。

1ヶ月ほど前、嫁さんと二人の娘が、近所のお友達の家に明日遊びに行くことを楽しみにしていると言った。何でも、ハリー・ポッターの映画のDVDをお友達の家に観に行くのだという。その時に評者も思い出して訊いたのある。"「ハリー・ポッターと賢者の石」は、もう読み終わったの?"と。答えは"3回以上、とにかく何回も読んだよ"とのことであった。お友達の家でハリー・ポッターの映画を観て、とても面白かったという。そして最近になってお友達のお兄ちゃんから借りてきたのが本書「ハリー・ポッターと秘密の部屋」である。"私、四日間で読み終わったよ。面白いよ。パパも読んでみて。パパは何日で読めるかな?"娘は夏休みなのだが、こちらは社会人である。それも、本を渡されたのが日曜日のノンダクレてからの時間帯だったので、月曜日からのチャレンジである。結果として、3日で読了。娘に"パパ読み終わったよ。面白かったよ。3日間で読んだよ"。娘は"ふーん"だって。コラコラ、自分で挑戦状突きつけたのを忘れるんじゃない。おまけに翌日帰ってきて書評でも書こうかなと思ったら、評者の書斎に置いたまままだ娘には返していなかった本が、あるべきところにないのである。勝手にお友達のお兄ちゃんに返してしまったのである。まっ、いいか。あまり粗筋に触れるつもりもないし。娘は返しに行ったついでに「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」を借りてきて喜んでいるようだし。

本書「ハリー・ポッターと秘密の部屋」は、前作「ハリー・ポッターと賢者の石」と比べ、格段に読みやすく面白く仕上がっている。読みやすさという点で、前作では、魔法スポーツ・クィディッチの試合に関して多くのページが割かれ、まだ映像を観ていない子供達には、どんなスポーツなのか理解するまで苦労したのではないかと思うが、今回はそういう説明描写よりは物語の展開に重点が置かれ、読む者を飽きさせない。かくいう評者もお友達の家にお呼ばれしていないので、まだ映画を観ていない。観ればクィディッチのシーンがより理解できるのだろうというのも、これもまた想像なのだが。面白さのほうでは、屋敷しもべ妖精ドビーのキャラクター造形が可笑しく可愛く、そして何よりミステリーとしての完成度が相当高い。ストーリーにほつれがなく、グイグイ引っ張ってくれる力がある。

巻末の後書きにあたる部分を読んだ。静山社の社長であり同時に本書の訳者でもある松岡佑子女史の寄せ書き文である。多くの人が考える、勿論評者も考える下世話なことは「作者ローリングは儲かっただろうな。ウハウハだろうな。」ということであるが、一方、作者の次の発言も真実である"私の本が、子供にビデオ・ゲームを忘れさせ、読書に夢中にさせていると聞かされる時、私は一番幸せで、光栄に思う。"また松岡佑子女史は1作目「ハリー・ポッターと賢者の石」の巻末では版権取得・出版までの経緯を書いているが、まだ爆発的な売れ行きが確信される前なので、現在の人気には言及していない。今回は、こう寄せている"一九九九年、十二月二十五日、私は「ハリー・ポッターと賢者の石」を亡夫の三回忌の墓前に供えた。「一度でいいから静山社の本をベストセラーにしたいと言っていた、あなたの夢が叶いました」"夫が亡くなり、会社を継ぎ、運があったからといっても、普通の人では今日の成功は難しい。彼女の苦労、それまでの努力があってこその、日本のハリー・ポッターの成功なのである。日本中の子供たち、大人たちが、彼女の訳でハリー・ポッターを読んでいる。また、彼女は同時通訳者でもある。運とか謙遜する前に、それだけの努力を積み、力量を研鑚してきた人物なのである。

子供たちの読書への回帰も本当にありがたい現象だが、何より本シリーズ2作に接して感じたのは、良書を子供たちの手に渡すまでの誠実な出版姿勢である。
評価は、◎。本当は◎◎でもいいのだが、「ハリー・ポッターと賢者の石」の評価の際に書いた理由と、何より一部の夢のない人たちには薦められないので。(20020828)


※この原稿を書きながら、ハリー・ポッターといちいち入力するのが面倒になり、"はり"の変換で"ハリー・ポッター"とできるよう登録した。今使っているパソコンは仕事でも使っているので、ビジネス文書を書きながら"貼り"や"張り"と変換するつもりが、"ハリー・ポッター"と誤変換される日も近い。


 ○「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 J.K.ローリング 静山社 1995円 2001/7

7月30日が上の娘の誕生日なのだが、今年から仕事の本拠地を東京に移した評者は、初めて娘の誕生日に不在。それならと7月の頭の帰省中に、パパ主催の早めのお誕生会を開催したのである。そのときのプレゼントが、映画「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」の親子鑑賞券だったのである。6月の終わりぐらいから"パパ、いつ行くの?いつ連れていってくれるの?"と何度も尋ねる娘に、今度帰って着た時に、のお約束のプレゼントなのである。

で、お盆に帰ってくる予定は早々と決まっていたのだが、図書館本に押されて、中々読めないでいた本書『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』。鹿児島へ帰る前の日から、道中飛行機の中までずっと読み続けて、ようやく間に合わせた評者なのである。映画を観るのに、予習がいるのか?って。いる!このハリー・ポッターシリーズだけは、本を読んでから映画を観るべし。自分の頭の中で描いた不思議な魔法や体験や動物たちが、実際の映像ではどうなのか?そこらへんがすこぶる楽しいのである。

ところで、このシリーズも3作目となると、少し水戸黄門的にお約束の流れとなってきたことに気付く。冒頭で、いじわるな親戚一家と暮らすハリー・ポッター。抜け出すように、ホグワーツ魔法学校へ。新しい授業と、新しい魔法。そして、クウィディッチの試合での主人公の危うい活躍。そこへ、単独の大きな謎が!という構図である。

これまでは、本の評価はどれも◎程度。そして映画は、やはりエンタメ度があがって◎◎だったが、今回の映画は○。監督が代わったせいもあるのか、前2作は映画のシリーズとしての連続性に問題がなかったのに、今回の映画はどこかホラーっぽく、暗い。あの明るく楽しい学園生活の描写や、クウィディッチの描写が割愛されすぎて、残った部分が随分とホラーでサスペンスなのである。シリーズ映画の3作目を作らずに、シリーズ本の3作目を映画化したような感じなのである。でも、下の娘は"パパ♪とっても面白かった♪連れてきてくれてありがとう♪"と言っていたので、大人の感性と子供の感性はまた別物なのかな?

あと、オジサンから言わせてもらえば、あのカワユかったハーマイオニーちゃんも、もう大人。仕方がないのだが、着ていた服が仕方なくない。娘に買ってあげたパンフレットを読むと、今回は色んな衣装が着れて楽しかったと本人は感想を述べているが、評者からみるとどの服も貧乏臭かった(笑)。いくらカワユクても、貧乏臭いのはいけない。あのかわいい制服きて、素敵なマントを被っていたハーマイオニーちゃんには、もう会えないのね(ToT)。

娘に買ってあげたもの。パンフレットにポップコーンにジュース。普段、娘にお金を遣う機会のない東京生活中心の評者なので、ほら、他にもあるよグッズが、買ってあげるよ、というのに遠慮する娘。仕方がないので、パパは自分でこのブックカバーを買おうっと、パパは買うよ、欲しかったら同じもの買ってあげるよで、やっと買うという娘。でもこれには失敗があって、純粋にブックカバーが欲しかった評者が普段読む本には、このカバー大き過ぎ。娘が映画館に持ってきていたハリー・ポッターシリーズ本にはぴったり。そう、ハリー・ポッター用の大きなサイズのブックカバーだったのだ。でも、このカバー素敵なデザインで、カバーをかけた娘の本は魔法の書みたいな見映えに。パパ評者が自分のために買った分は、当分は記念の品に。(20040810)

※一冊でもこのシリーズ読み応えありすぎるのに、次の『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』は2分冊。映画作るのは、もっと先でいいからね、ワーナーブラザーズさん。
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by kotodomo | 2005-11-05 09:40 | メモる | Trackback(3) | Comments(0)
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