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「本のことども」by聖月

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2006年 10月 08日

◎「虚人魁人康芳夫」 康芳夫 学研 1785円 2005/3


 書評を書く目的っていうのは、評者の場合“よろしければ読んでみて”って気持ちが(面白い本の場合だけど)誰かに伝わって、“読んでみたよ。面白かったよ”ってその誰かが思ってくれることである。そういう意味で、本書の書評っていうか紹介をするのは非常に容易い。著者が本書に書いている、これまで自分がやってきたことをそのまま紹介すればいいだけだからである。その内容に興味がある人は手に取るだろうし、そうじゃない人は読む必要がないだろう。

 著者、康芳夫がやってきたこと・・・

 
 ボリショイサーカスを日本で興業
 インディ500を日本で開催
 モハメド・アリの試合を日本で初めてプロモート
 歌手トム・ジョーンズの招聘
 ネッシー探索隊の結成と実行
 人かサルか?オリバー君を日本へ
 アントニオ猪木対アリ戦の実現
 アントニオ猪木対人喰い大統領アミン、審判はモハメド・アリをもう少しで実現
 空手家対虎の対決を目論むも・・・
 『家畜人ヤプー』のプロデュース

 ざっと、こんな感じである。如何に?興味を覚えるかな?覚えなければ読む必要はない。評者の場合、猪木アリ戦とオリバー君に興味を惹かれ購入したのである。一体、あの猪木アリ戦はなんだったのだろうかと。オリバー君って、一体全体なんだったのだろうと。

 当時、猪木アリ戦はテレビで観た。なんじゃ?と思った。っていうか、それより何より、当時評者はアリのヘビー級戦をよくテレビで観戦していたわけで、現在だと外国人同士のボクシングの試合なんてテレビは放映してないわけで、あのアリ人気というものは、本当にワールドワイドなものだったのだなあと懐古感慨。そのアリと猪木だもんなあ。本当は、どっちが強かったんだろう?

 日本がオリバー君に熱狂していたとき、実は評者は特に興味を持っていなかった。多分、当時、オリバー君が出たテレビ番組は観なかったんじゃないかな。でも、今になってみると、あいつは何だったんだろうと思ってしまう。だから、本書を読みたくなってしまう。著者は書いているが、今でもオリバー君は健在らしい。老後を静かに過ごしているらしい。

 インディもトム・ジョーンズも空手家対虎も『家畜人ヤプー』も興味ない評者だが、この二つの話に惹かれて、虚業家の半生を読んでしまった。しかし・・・凄い人と言うよりは、凄い世界があるもんだ。ビジネスなんてコツコツ階段を上るようなもんだと思っていたが、呼び屋の世界は博打である。大博打である。アイディアと手法のみ。そしてスポンサーを見つけ、億単位の借金。成功すれば億単位の金が残り、失敗すれば億単位の借金が残る。評者だったら、5億くらい残ったところで両替して家に帰るんだが・・・って、パチンコじゃないんだから(笑)。

 結局、著者の求めているものは金ではない。人に出来ないことをやりたい、自分の虚無感を埋めたい、ただそれだけである。室井佑月はこう語る。“あたしはたまに考えてしまいます。康さんはほんとうに存在しているのかと。じつは、みんなの頭の中にいる幻の人、こういう人がいれば面白いのにと想像するだけの人・・・なんじゃないかと。”(20061007)

※少しは似たようなことをしたことがある評者。3年前、鹿児島の大型書店内にリアル「本のことども」コーナーを作った。大抵の読書好きブロガーがやりたくてもできないことをやった。売れなかった。評判を呼ばなかった。縮小して・・・消滅した。でも、残せた足跡は思い出。やった事実は残った。新聞記事にも載った。達成感はあるのである。
今は、自分の企画ではなく他人の頼みで清泉クリニック整形外科内に、リアル「本のことども」コーナーはある。売ってはいない。患者の方の、待ち時間対策。ファンはいる。それぞれの本に、それぞれの栞が挟まっている(^^)v(書評No670)

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by kotodomo | 2006-10-08 10:39 | 書評 | Trackback(1) | Comments(0)
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