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「本のことども」by聖月

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2007年 03月 29日

◎「風の日にララバイ」 樋口有介 徳間書店 1262円 1990/10

◎「風の日にララバイ」 樋口有介 徳間書店 1262円 1990/10_b0037682_11271726.jpg 可笑しかったのが、読んでいる途中、何故にこの題名になったのかが皆目わからず、最後の最後になって、物語の終りの日が風が強かった、結末がちょっと切ない、そんな感じで終幕・・・なんか題名がいい加減だったことである。ははは。

 樋口流ハードボイルド会話全開の本書『風の日にララバイ』。中学生の娘と二人暮らしの主人公中年男性。もう、この設定だけでハードボイルドの香り漂う。5年前に別れた妻が刺殺されたところから物語は始まる。絡んでくる女性陣は全員美人・・・これも樋口流。探偵の真似事を始めた主人公に、いつのまにか探偵助手の若い女性ができてしまい・・・これも樋口流。いたるところでなされる会話も、軽妙なワイズクラックが小気味よく・・・これも樋口流。

 そして、ミステリーとしての真相部分は、結局、ああそうですか、そうだったんですかとしか言いようのないどうでもいい結果・・・これも樋口流、ははは。この人、ミステリーにこだわっているけど、ミステリーを書かなきゃいいのにと思わせる、ちょっと風変わりな逸品ですなあ。(20070325)

※次は、ちょっと樋口有介は休んで、正統派ハードボイルドの誉れ高い『冬の砦』香納諒一に行きましょうかな。(書評No707)

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by kotodomo | 2007-03-29 11:27 | 書評 | Trackback | Comments(0)


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