2008年 04月 09日
本書『乳と卵』を読みながら、まずその文体という観点から同じ芥川賞受賞作品◎『きれぎれ』町田康と比較せざるを得ないし、女流作家という観点から◎『蹴りたい背中』綿矢りさ、◎『蛇にピアス』、▲『しょっぱいドライブ』大道珠貴と比較してしまう評者なのである。 評価記号からもおわかりのように、評者の個人的な好みからいえば、その面白さ(面白くなさ?)は『しょっぱいドライブ』と似たようなものであり、町田、綿矢、金原作品と較べると、読書というものをさほど楽しめなったという結果になる。 例えば、綿矢、金原作品と比べたとき、女性という性の在り方がなんだか滲み出た体液臭く、男性読者としてはどうも馴染めないのである。金原作品でも、ドロドロしたものは確かに在るのだが、やはりそれは物語の一部であり臭みまでは感じないわけで、大堂作品を読んだときに感じたような馴染めなさが存在するのである。 また、関西弁、ダラダラ節という観点から考察した場合、町田作品との比較になるのだが、他の作品を読みたくまでならないところで、個人的に町田作品には敵わないのである。 ということで、芥川賞作品を読んだよ、という報告でした。(20080403) ※悪くはないのだが・・・(書評No784) 書評一覧 ↑↑↑「本のことども」by聖月書評一覧はこちら
by kotodomo
| 2008-04-09 10:07
| 書評
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Comments(4)
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ぶひっっ
at 2008-04-10 23:48
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こんばんは☆ 入院中に、売店で文藝春秋を買って読みました。私も▲。もう自分はダメなのかなぁ、おばはんになっちまったんだろうなぁ、と思った。最近の若い女性作家さんには付いていけない。(聖月先生◎の"りさ姫"もダメだし。)
読んでいて日本語が楽しめない。関西弁は好きなんですが。 句読点のペースが合わなくてすっごく苦痛。 性のあり方、みたいなものも、女性だけど好感や共感は持てませんでした。780円、勿体無かったよー; 以上私も、芥川賞 読んだとよ、のご報告でした(笑)。 *追)伊坂クン、本屋大賞オメデトウ☆ でもやっぱりいつかは直木賞をとって欲しいなぁ。。。
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ぶひっっさん こんにちは(^.^)
退院、おめでとうございます。ダイエットになったかな? まずは、伊坂クンですが、直木賞すぐいきますよ。太鼓判!!! 世の中がそういう流れになっていますので。 『乳と卵』そうですか、女性でも。なんだか、変ないやらしさがあるんですよね。あと、ダラダラ節でも、物語が紡がれないといけない。 私は図書館本だったので、損はしなかった。芥川賞読んだよ、という意味では時間も損した感じはないし(^^ゞ
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美結
at 2008-04-13 09:10
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お久しぶりです。
「チチトラン」結構大丈夫でしたけど・・・ 若くはないけどね。 まぁ、読みやすい文章ではないので、時間はかかりました。 芥川賞の選考委員が好きな作家さんが多いですよね。 {池澤夏樹、村上龍、小川洋子、川上弘美など) それで、受け入れてしまったのかも。 今回の芥川賞も直木賞も、かなり好き嫌いが分かれてる作品でしたね。
美結さん こんにちは(^.^)本当にお久し振り(^O^)/
そうですね、こういう文章は人を選びますね。 私、大抵の場合、選ばれるほうなんですが、女性臭いと、どうも、というのが今回の大きな印象でした。 悪くはない、というのも、ひとつの自分の中の答えで、でも、他の作品まではいいかな、というのも答えで、なんともあやふやな、読みましたけど、的なそんな感じのことども。 |
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