「本のことども」by聖月

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2008年 12月 01日

×「カカオ80%の夏」 永井するみ 理論社 1365円 2007/4

b0037682_9564839.jpg いやあ、ずっと間違っていました。なんで、こんなにも長い間、間違うことが出来たんだろう?いや、著者の名前である。この著者の名前を捕捉したのは、もう4年くらい前だろうか。『枯れ蔵』より後、『俯いていたつもりはない』の頃に、北上次郎の書評かなんかで補足し、その後も色んなところで名前を見かけていたわけだけど、そして本書を半分ほど読んだところで気付いたわけなのだけど、ずっと永井すみゑだと思っていたのであった。“するみ”と“すみゑ”じゃ違うのだけど、でもほら見てごらんなさい!“すみゑ”の名前の中に、“”も“”も“”もあるじゃないか、がはは。

 で、昨年、評判が良かったようなので、本書で初するみである。女性の視点から描いたハードボイルドという評判だったのだが・・・そんなことはなかった。確かに、女子高生主人公の視点で描かれてはいるが、休みなくハードに動いているだけで、ハードボイルドというにはなあ。おまけに、あまりにもご都合がいいのだなあ。子供用のロールプレイングゲームってとこだろうか。

 夏休みに入ったと同時に、同級生の女の子が置手紙を残して失踪。主人公は、特にその娘と仲良くもしていなかったのだが、つい最近、ショッピングに同行したばかり。いつしか、彼女と失踪の理由を追うことになる・・・って、評者にしては珍しく、帯の惹句みたいな説明。

 でだ、ここからが余りにもご都合のいい話が続くのである。色んな登場人物が出てくるのだが、すべて役割でしかない。ロールプレイングゲームで迷う主人公に、右に行きなさいとか、そういえばあの人がこういうことを言っていたよ、みたいな、ヒントを与える役でしかないのである。なんだかなあ。

 終ってみれば、主人公がシブヤで襲われた理由や犯人は置き去りにされたままだし、犯人や失踪した同級生の動機に蓋然性はないし、困ったものである。

 でも、いわゆるライトノベルって観点からすれば、こういうのもありのような気がするし、粗筋を楽しむ読書人には案外ウケがいいのかもしれない。評者の上の娘、中学二年生あたりが読んだら、面白がるかもしれないと思いながらも、評者はもういい歳なので、駄目だったのことども。(20081111)

※久々の×評価。結局、読書中ずっと退屈だったということである。(書評No842)

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by kotodomo | 2008-12-01 09:56 | 書評 | Trackback(1) | Comments(0)
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Tracked from 粋な提案 at 2008-12-01 15:33
タイトル : カカオ80%の夏 永井するみ
装画は松尾たいこ。ブックデザインは守先正。理論社ミステリーYA!シリーズ。 主人公で語り手の私:三浦凪は群れること甘えることが苦手な高校2年生。 夏休み、おとなしい福祉学科志望のクラスメート、笠軒..... more


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