「本のことども」by聖月

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カテゴリ:読書メーター( 100 )


2017年 08月 02日

2017年7月に読んだ本のことども

7月の読書メーター
読んだ本の数:1
読んだページ数:336
ナイス数:33

月の満ち欠け月の満ち欠け感想
佐藤正午は、デビュー作からずっとお付き合いしている、私と等身大の作家である。私とともに齢を重ね、文章を重ねている。すべてをタイムリーに読んできたわけではないが、傑作もあれば佳作もあれば凡作もある。今回、直木賞候補となっていることを前提に読んだが、巧い作家なのに、辻褄をあわせるため、文章が全体的に下手である。妻が運転好きのエピソード。あとで回収はされるが、いらないのではないか。主人公目線の男性3人というのも話がこんがらがるし。是非、直木賞を今更とってほしい作家なのだが、この作品ではない。
読了日:07月09日 著者:佐藤 正午

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by kotodomo | 2017-08-02 10:57 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2017年 07月 03日

2017年6月に読んだ本のことども

6月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:540
ナイス数:42

無貌の神無貌の神感想
恒川光太郎、最近は長編で随分凄いなあと思わせてくれますが、この短編集はなんかどうでもいいような作品ばかり。雑誌掲載を前提に書かれているので、所謂売文、言い方は悪いですが作品の出来はそんな感じ。不思議な世界観はいつもの通りなんだけど、別の見方をすれば既に和風テイストのSF。途中で読むのをやめようかとも思ったけど、もしかしたら次の作品は面白いのでは?なんて勘違いして最後まで。もうこれからは、長編だけ読むことにした。凄く力のある作家なんだけどさ。
読了日:06月19日 著者:恒川 光太郎
遠縁の女遠縁の女感想
素晴らしい文筆。これまでに読んできた本の最高峰。同じ作家の本も読んできた中で、ここまで座った本はなかった。いやあ、読書の喜び、生きていて、本を読んできてよかった。中篇が三作。どれも、そこそこの家格ながら、御国の事情で食い扶持を減らしていくのが共通なのだが、そこからまったく別個の話が紡がれる。そして、主人公たちの心の在り様が、この作家の紡ぎの真骨頂。唸る。とにかく読んでみろとしか言いようのない素晴らしさ。巻末の遠縁の女も、武者修行の話かと思えば、やはり遠縁の女の話。そうきたか、やられた。
読了日:06月15日 著者:青山 文平

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by kotodomo | 2017-07-03 09:33 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2017年 05月 02日

2017年4月に読んだ本のことども

4月の読書メーター読んだ本の数:1読んだページ数:211ナイス数:19ベトナムとビジネスをするための鉄則55 (アルク はたらく×英語シリーズ)ベトナムとビジネスをするための鉄則55 (アルク はたらく×英語シリーズ)感想そこそこためになりますが、少し浅いかな。もう少し、ベトナム人の気質まで踏み込んでほしい気がしました。15分の遅刻は、遅刻の範疇に入らないとか、謝らないとか、多少は触れていますが。私自身、今、ベトナム人実習生と接触していますが、誉めて伸びるタイプだと思っています。叱るときには叱りますが、日本人よりプライドがあるので、みんなの前では叱らないとか。あと、鉄則ではないですね。極めて原則。だから、変化球をもう少し盛り込んでほしかったかなと思います。基本書ですね。でも、著者のベトナムに対する愛は感じます。読了日:04月25日 著者:古川 悠紀
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by kotodomo | 2017-05-02 09:15 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2017年 03月 01日

2017年2月に読んだ本のことども

2017年2月の読書メーター
読んだ本の数:1冊
読んだページ数:248ページ
ナイス数:40ナイス

半席半席感想
このミスになんでこの作家がランクイン?と思ったけれど、間違いなくミステリー、それも極上の。空が晴れ上がったような小気味よさをまとった、いい意味での安楽椅子探偵小説。ただし、その謎解きは、江戸の文化、侍文化があってこそ成り立ち、逆に読者は、そういう侍精神に新鮮さを感じる。事件が起こり、犯人は判明し自白すらしていても、なぜ事を起こしたのか、そこがわからない。主人公は、その事を解き明かすのだが、あっちこっち奔走するわけではない。熟慮を重ね、仮説を立て、相手にぶつけるのみである。自分だけの理由を語られるとねえ。
読了日:2月19日 著者:青山文平

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by kotodomo | 2017-03-01 14:27 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2017年 02月 01日

2017年1月に読んだ本のことども

2017年1月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1100ページ
ナイス数:65ナイス

一流アスリートの食事一流アスリートの食事感想
物語としてはチクハグ。結局、何が錦織を強くしているのか、高梨の勝負メシとは何なのかわからない。炭水化物がエネルギーの素という考えは、私の考えと一致しているので、大きな懐疑感はないが、そもそも何をすべきかという動機が伝わってこない。結局は、バランスのいい食事というのが根本にあり、そういう意味で私はサプリを摂ることにした。私は、趣味で長距離を走るが、最近はバテ気味。ヘモグロビンのことなんて考えたことなかったが、ふむ、鉄分は足らないような気がする。マルチビタミンミネラル、鉄、アミノ酸のサプリを発注。偏食解決。
読了日:1月21日 著者:細野恵美
浮遊霊ブラジル浮遊霊ブラジル感想
いやあ愉快。最初の二編は、長編の出だし風。三編目は、まあ短編。次の「地獄」から奇想が爆発、実に愉快な読書となりました。芥川賞作家ならではの言葉の操りで、読者をありもしない世界へと引き込んでいく。そして最後の「浮遊霊ブラジル」。成仏しない魂が主人公なんだけど、その冒険の物語とでも言おうか。最近手垢がついてきた感のある町田康節に少し飽いた自分には、凄く新鮮な津村流津村節。地獄もブラジルも主人公が年寄りなんだけど、感覚がヤングで発想も若い。今年は始まったばかりだが、一番の読書の喜びの収穫。ついていきます津村節。
読了日:1月13日 著者:津村記久子
煽動者煽動者感想
ふむ、騙して、騙されたふりをして、相手を読み、相手の読みを読み、なんてのが、この作家の繰り出す巧さなんだけど、この本はそういう部分は大いにあるにしても少し退屈。ちょっと起こりえないような、チープな犯罪が中心にあるので、サスペンス的ハラハラドキドキ感に欠ける。帯に二度読み必至とあるが、ああそうだったんですかと納得して、二度読みはしないし、背負い投げを食わせられても、ああ大技でしたねと思うだけ。ダンス=女性=二人の子持ち、どうしても話が小さくなっちゃう感じです。
読了日:1月7日 著者:ジェフリーディーヴァー
手のひらの京手のひらの京感想
京=みやこ。そう京都の三姉妹のお話。手のひらのようなその盆地に馴染み、そこにいい意味で捉われる。京都には一度行って、特に京都ファンではない私からすれば、京都の入門書でもあります。いけずという言葉は知っていても、その深い意味、適切な場面というのを、こうやって丁寧に説明されたら理解します。ただ、読んでいて思うのは、京都は地縛の土地柄なんでしょう。戦争とは違う戦があり、合戦があり、江戸が開ける前から栄えた地。大阪商人とは、まったく違った文化。その中での三姉妹。はんなりとしたした中に、強かさも感じる両親と三姉妹。
読了日:1月3日 著者:綿矢りさ

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by kotodomo | 2017-02-01 14:42 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2016年 12月 01日

2016年11月に読んだ本のことども

2016年11月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:644ページ
ナイス数:44ナイス

光炎の人 (上)光炎の人 (上)感想
木内昇にしては、野心作と思ってしまう上巻。単なる風情物語の枠を出て、ある男の血と汗を描く。機械や工学の話なので、さぞ下調べをして書いたのだろうと思う反面、素人にはやはり伝わりづらい。あと、謎の叔母との関係も、上巻では明かされないのだが、ベタな手法でいらつくかなあ。ただ、物語自体は、いつもの丁寧な筆。主人公が生まれた場所、池田、徳島の範囲、そういうものをあらためて認識しながら読みました。大昔の発明物語ながら、現代にも通じるところがあるでしょう。しかし、上巻最後の主人公の女性に対する、上司に対する態度は狂気。
読了日:11月15日 著者:木内昇
終わらない歌終わらない歌感想
前作を読んでいないと意味のわからない物語。逆に、前作の余韻で読ませる物語なので、間が空いても意味がつかめないかもしれない。私の場合、何も知らず本書を借りてからシリーズ2作目と知って、慌てて1作目を借りてきたので、間を空けずに読めました。でも、イマイチ。一番最初の短編は輝きがあるのだが、それ以外は説明みたいな感じで。別の見方をすれば、女子高校生たちが大人になっていく物語で、うどん屋の娘がこうなったのかあとか、あの先生を好きだったのかあみたいな。底に通ずるのは希望かな。パンドラの例も出てくるが、最後には希望。
読了日:11月15日 著者:宮下奈都

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by kotodomo | 2016-12-01 10:25 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2016年 11月 02日

2016年10月に読んだ本のことども

2016年10月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:803ページ
ナイス数:86ナイス

よろこびの歌 (実業之日本社文庫)よろこびの歌 (実業之日本社文庫)感想
連作短編。心が温まります。最初の編は、イマイチ盛り上がらないけど、実はこれが伏線となって、後半のふくよかな広がりを見せていく。最初のうちは、時間軸のズレを文章で読み取っていたけど、途中で各編の扉に日付があることに気付き、なるほどなと思いながら、後半は読み進めることに。女子高のクラスの話であり、まとまりの話であり、よろこびの歌の話。合唱の出来は・・・これは読者の想像に委ねられるが、きっときっと心に響く素晴らしい出来だったでしょう。
読了日:10月29日 著者:宮下奈都
女のいない男たち女のいない男たち感想
生家も今の家も、どうにも女が過半数を占めていて、女のいる男の私。ところで、村上春樹がノーベル賞をとると、たぶん直近のこの本が読まれるだろうけど、この本の中には、そういう才能は見られない。カフカの頃で、終わった感じかなあと。
読了日:10月26日 著者:村上春樹
羊と鋼の森羊と鋼の森感想
傑作でした。初めて本屋大賞に感謝。本屋の店員さんたちに感謝。静謐な物語。これだけ静かに丁寧に書かれていると、1頁1頁を、本自体を抱きしめたくなる。読み終わって楽しいじゃなく、読んでいて楽しい。空気に漂っている音楽を音符にして、ピアノから出したくなる。何の不幸も不安もなく希望に満ち溢れている。印象に残ったシーンは、子犬のワルツ。少し大きめな子犬とワルツを踊ってみたい。秋野さんの話に含まれている虚構は結局わからなかったけど、それはそれでいい。連作短編集のような流れの中で、主人公はどんどん大きくなって森になる。
読了日:10月13日 著者:宮下奈都

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by kotodomo | 2016-11-02 23:44 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2016年 09月 02日

2016年8月に読んだ本のことども

2016年8月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:763ページ
ナイス数:66ナイス

サブマリンサブマリン感想
最近、伊坂と波長が合わなくなってきていたけどこれはバッチリ。死神短編が合わず、死神長編がバッチリ、チルドレンはイマイチだったけどなあと思いながら読んでみると、やはり長編は波長が合います。キャプテンサンダーボルト、火星に住むつもりかいを途中で放り投げ、ジャイロスコープはイマイチ、陽気なギャングは読む気になれず、そしてこれはとても面白かった。チルドレンは再読する気にならず、自分の過去の感想を読んで、陣内、武藤、永瀬のキャラを押さえて読みました。非常にまとまり感のある小説。ただ、説明されないエピソードがなあ。
読了日:8月28日 著者:伊坂幸太郎
記憶の渚にて記憶の渚にて感想
いつもの感じの男性主人公、妙に感性が強く、いたって料理上手、で、これからどうなるの?と思っていたら、1/3も行かないところで、死んでしまったのは、最近にはないサプライズ。登場人物が多すぎるという前評判で、読みながら、いつもよりは多いけど、まあ付いて行けるなあと思っていたら、終盤にかけてウジャウジャ。最後の、あの部屋にもウジャウジャ。白石一文らしくない、手を込めすぎたミステリーって感じです。まあ、文体は作者らしいんだけど、広げた大風呂敷の大きさ、その畳み方は島田荘司にも似ている。このミス候補になれば面白い。
読了日:8月23日 著者:白石一文

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by kotodomo | 2016-09-02 13:27 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2016年 08月 01日

2016年7月に読んだ本のことども

2016年7月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:475ページ
ナイス数:54ナイス
http://bookmeter.com/u/11419/matome?invite_id=11419

■ジニのパズル
ふむ、傑作の誉れをきいて読んだが、そういうものではないでしょう。あと、芥川賞候補として引っかかるのは、ニュースな固有名詞に寄りかかっていることかな。今スプートニクと言われても何のことかわからない人が多いように、テポドンという言葉は歴史の中に埋もれていってしまう言葉なので。主人公の過去の出来事に多く触れながら進むも、たった三日間の時の流れを収めた話と、記憶の話。いわゆる傑作というよりは、教科書であり、テキスト的な物語。浦島太郎が玉手箱を開けて老人になる。そこにある意味は誰も解説しないし、自分で考えるのみ。
読了日:7月17日 著者:崔実
http://bookmeter.com/cmt/57722637

■スクラップ・アンド・ビルド
この作者の「ワタクシハ」は直木賞側、本書はやはり芥川賞側である。両者の違いはというと、明確な粗筋の有無、明確なオチの有無である。本書は、粗筋は結構明確なので読みやすく、色んなエピソードが散らかったままで、オチはないかな。題名は老いていく老人への考え方と、主人公の筋肉破壊&増強願望を含んでいる。この主人公青年が、結局は優しい。祖父の老いを嫌悪し、悪意のロジックで身の回りの世話をするのだが、人は本当に嫌悪したとき、こういう態度にはならない。どうなるのか?無視である。そこには居ないものという態度を決め込むのだ。
読了日:7月15日 著者:羽田圭介
http://bookmeter.com/cmt/57674254

■10代からの情報キャッチボール入門――使えるメディア・リテラシー
自分の知識以上のものはなかったけど、まあまあ有用な本じゃないかな。FBをやっている私だが、ほとんどシェアはしない。筆者が言うには、あなたがニュース速報の発信者を担っているわけではないということ。へえ、面白い、友人たちにも知らせようと、裏付けのないニュースを拡散するのは考え物ということだ。だから、行方不明(拡散希望)とかいうのもシェアはしない。本当かどうか知らないから。でも、自分でオリジナルな記事を書いているときは、結構いい加減な事実を記していることも、自省と自制は必要なのかな。まあ、昔より怖い世の中です。
読了日:7月13日 著者:下村健一
http://bookmeter.com/cmt/57635915


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by kotodomo | 2016-08-01 13:06 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2016年 07月 04日

2016年6月に読んだ本のことども

2016年6月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:506ページ
ナイス数:63ナイス

ままならないから私とあなたままならないから私とあなた感想
表題作は全然面白くなかったが、一緒に収められたレンタル世界は随分と面白かった。解る人は全体の構成に気付くんだろうけど、こちらは先読みなしで楽しんでいたので、ほうそんな世界があるんだと感心し、落ちにも関心したが、あれだけは好きじゃないな。私が好きじゃない物とは、例えば幼少期に性的虐待を受けたトラウマとか、同性愛とか、それ自体は否定しないけど、物語の要素やトリックに使ってはいけない、私の勝手な禁じ手たち。あの理由づけがなかったなら、中々の中編作品じゃないかと。表題作は、男の作者が女性視点で描きたかっただけと。
読了日:6月19日 著者:朝井リョウ
教場2教場2感想
ふむ、前作は中々カチリとはまっていたが、本書はイマイチ。警察学校が舞台なのは前作と一緒。悪意に満ちた感じも一緒。でも、落としどころというか、そこに持っていくまでが、いまひとつ。小細工が、小細工のまま成功していない感じかな。例えば、人の記憶には匂いも一助ってことで話を進めているが、そうはならないでしょうと思ってしまう。興味あるものに対しては瞳孔が開くでしょうと言われても、そうはならないでしょうと思ってしまう。てなわけで、このシリーズは3が出ても、そこまで興味はひかれなさそう。暇つぶしなら、他の本で充分かと。
読了日:6月9日 著者:長岡弘樹

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by kotodomo | 2016-07-04 13:24 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)