「本のことども」by聖月

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カテゴリ:読書メーター( 98 )


2016年 04月 02日

2016年3月に読んだ本のことども

2016年3月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:650ページ
ナイス数:55ナイス

よこまち余話よこまち余話感想
素晴らしい。既に直木賞を受賞している著者なので、こういうのが本屋大賞にでもなって、多くの人に読まれてほしい。長屋横丁のほのぼのとしたお話、連作長編。最初戸惑うのは、時代設定。著者への先入観、長屋という単語で江戸時代と思って読み始めるが、レコードも小学生の皮靴もある時代。割と近代なのである。1話読む、ふむ。2話読む、ふむふむ。3話までいったら、もうやめられない静けさ。行間が読めるようで読めないようなミステリアス。この世には、時空のネジレや、歴史の繰り返しがあるのかもしれない。一心太助のようなキャラが印象に。
読了日:3月21日 著者:木内昇
もう過去はいらない (創元推理文庫)もう過去はいらない (創元推理文庫)感想
前作に引き続き面白いのだが、2点、前作より劣るかな。まずは、愉快な孫テキーラの活躍が少ないこと。ぼけた老人と、今の文明の橋渡し役の孫には、もっと登場してほしかった。それと、意外に筋が掴みづらかったこと。過去と現在の話が、少し読みづらく感じたかかな。まあ、全体は、身体と記憶に鞭打つ元警官老人の活躍で、老いぼれハードボイルド。減らず口を叩きながら、己の信念へと進んでいく。妻との会話も絶妙で、老女なんだけど、健気さを感じる存在。主人公の息子の死、父親の死、その理由が、前作でも本作でも語られないので、続編ありか。
読了日:3月18日 著者:ダニエル・フリードマン

読書メーター

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by kotodomo | 2016-04-02 16:29 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2016年 03月 01日

2016年2月に読んだ本のことども

2016年2月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1424ページ
ナイス数:83ナイス

スキン・コレクタースキン・コレクター感想
リンカーンライムシリーズ11作目。第1作のボーンコレクターから面白かったが、シリーズの中盤から俄然面白さが増すというのは、流石ディーヴァー。鳥瞰図的な世界の構築、ディープな構造、どれをとっても一級品。そして、最後には、大どんでん返しではなく、どんでんどんでんどんでんの波状攻撃。思わず唸りますなあ。読者を騙すというか、これは手品ではなく、超魔術。ライムの予測を、予測する犯人。その犯人の予測を、予測するライム。ハラハラドキドキ、そしてエエッ!と驚く読者。今回は、タトゥーに毒をつけて施す犯罪者と謎のメッセージ。
読了日:2月26日 著者:ジェフリーディーヴァー
ジャイロスコープ (新潮文庫)ジャイロスコープ (新潮文庫)感想
普通、新幹線が出てくると、東海道新幹線を想像するんだけど、やはり伊坂の場合は、東北新幹線になるのでした。どの作品も、可もなく不可もなく。表紙にもあるように、プレゼント感覚の作品群。まあ、総括りするならユーモア小説短編集ってことでしょう。好きな作品も、嫌いな作品もないのだけど、元々星新一の読者の私は、やっぱガツンと最後に落としてくれるか、妙なカタルシスがないと、どこか消化不良に感じてしましますね。って、いうか、そろそろ伊坂から卒業かという気がしないでもない。次の伊坂が出たら果たして読むかどうか?わからない。
読了日:2月7日 著者:伊坂幸太郎
ヘブンメイカー スタープレイヤー (2)ヘブンメイカー スタープレイヤー (2)感想
いやあ、久しぶりに壮大なクロニクルを読んだなあ。風太郎以来かな。それにしても、恒川光太郎、大化けしてきたなあ。夜市やそれに続くしばらくは、現実の隣の世界を小さく巧く描いていたけど、金色機械以来、紡いで紡いで世界を築き上げるようになったなあ。スタープレイヤーは映像に出来る紡ぎ物語だったけど、本作は小説だから出来る紡ぎ方。最後にはすべてが収斂していく。でっかく広げた風呂敷を、丁寧に畳んでいく。早く、この作家に直木賞をあげてください。初期の作品群もいいし、最近の作品群もいい。現実的なSFチックな作品群は凄いぞ。
読了日:2月7日 著者:恒川光太郎
マラソンは毎日走っても完走できない―「ゆっくり」「速く」「長く」で目指す42.195キロ (角川SSC新書)マラソンは毎日走っても完走できない―「ゆっくり」「速く」「長く」で目指す42.195キロ (角川SSC新書)感想
多分、ベテランランナーならば、つまらないかもしれない。私のように、何気にジョグして、何気に大会に出て、元々遅いから、小学校の時も得意じゃなかったし、まあ自分はこの程度と思っている人には、いい気付きの本でしょう。はっきり言って、やる気になりました。ある程度追い込んでみて、果たして自分の伸びしろはどれだけあるのか、実験してみたくなりました。ただし、もう50歳は過ぎています。故障をしない程度に、頑張ってみます。年々マイペースが遅くなっている10キロ大会も、もう少し、マイペースを速くできるのかも知れません。
読了日:2月5日 著者:小出義雄

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by kotodomo | 2016-03-01 13:04 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2016年 02月 06日

2016年1月に読んだ本のことども

2016年1月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:730ページ
ナイス数:43ナイス

光のない海光のない海感想
最近は、希望のある話を多く描くようになってきた作家だが、本書は希望があるようでないような、そして終盤は少し黒い。また、主人公にまつわる過去の経緯を小出しに書いていくので、謎めいた部分もある。また、この作家が描く女性というのは、多くが魅力的なのだが、本書の花江には性的な香りがない。まあ、全体は縁を描いたような物語。大事なものを壊してしまい、代わりの物が売ってないかと探すところから、この物語は始まる。そこで、花江という販売員と繋がり、なんて序盤です。可もなく不可もなくなんだけど、小説として巧いので読ませます。
読了日:1月26日 著者:白石一文
カイコの紡ぐ嘘(下)私立探偵コーモラン・ストライクカイコの紡ぐ嘘(下)私立探偵コーモラン・ストライク感想
面白い気はするのだが、上巻でも述べたように、人物紹介がどこにもないので、人間関係がわからないままでした(笑)ある作家が失踪、殺害され、その関係者の中に犯人が、ってな1本調子の話なので、単調と言えば単調なのだが、作者が巧いので膨らんでいく。ただ、主人公の義足の付け根が、ずっと痛みっ放しなので、それが読んでいて邪魔かなあ。シリーズ3作目が出たら・・・読みます。ロビンが健気で前向きなので。あと、本作、ずっと天気が悪い感じで、ロンドンだから仕方ないのかもしれないが、やはり天気の悪い話は、どこかどんよりしますね。
読了日:1月11日 著者:ロバート・ガルブレイス

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by kotodomo | 2016-02-06 15:51 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2016年 01月 04日

2015年8月から12月に読んだ本のことども

2015年の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:5878ページ
ナイス数:637ナイス

カイコの紡ぐ嘘(上) 私立探偵コーモラン・ストライクカイコの紡ぐ嘘(上) 私立探偵コーモラン・ストライク感想
ハリポタ作家の別名義。シリーズ第一作「カッコウの呼び声」が面白かったので。上巻を読んで面白い気はするのだが、致命的な欠点(多分、出版社の)があって、それがいけない。というのも、登場人物が多いのに、人物紹介がどこにもないのである。タッセルがキャサリンがと言われても、どこのどなたさんでしたっけ?てな感じ。それでも、読み流すように読み進めています。きっと、面白いのだろうから。宮部みゆきは、長い話を描くのが好きで、冗長で嫌いな作家だが、この作家はハリポタにしろ長いのが巧い。本書も上下巻800頁弱。下巻の新展開へ。
読了日:12月31日 著者:ロバート・ガルブレイス
ここは私たちのいない場所ここは私たちのいない場所感想
直木賞受賞以来、益々うまくなってくる白石一文。私は、デビュー作からリアルに読んでるが、本作は贅肉の削げた傑作。大人の愛と生き方を描いたリアルな作品。特に50歳を過ぎたあたりの読者には、妄想的なリアルさ。こうありたいなあ、みたいな。物語自体は、何の話とまとめるには、終わり方があっけない。でも、この作者はフィロソフィーの作家なので、その哲学が巧くまとまっているのは確か。今は夫婦でも、何かが違ったら、お互いの存在を知らずにすます人生もあり得るし、二度と会うはずもないあの時のあの人は、もう自分の場所にはいない。
読了日:11月27日 著者:白石一文
ウォーク・イン・クローゼットウォーク・イン・クローゼット感想
表題の中編作品は可もなく不可もなく。ただ、りさ姫がファッションを詳しく描くタイプとは思ってもみなかったので新鮮。もうひとつの中編「いなか、の、すとーかー」は中盤から秀逸。悪意を持ったストーカーの非常識なロジック、そんな表現は舞城王太郎くらいしか描けないだろうと思っていたら、りさ姫、凄いじゃん。「インストール」の頃は、町田康的に静的な日本語を操っていたけど、こんなヒストリックに日本語を操るとは!物語的には、2編合わせても、あまり心に残るストーリーではないけど、彼女の筆は進化しています。いつまでも、瑞々しい。
読了日:11月23日 著者:綿矢りさ
もしも、私があなただったらもしも、私があなただったら感想
9年ぶりに再読。内容をさっぱり忘れていて、最初から最後まで「どうなるんだろう?」と楽しめました(笑)9年前の自分の感想をみると、男にとっての願望小説と評価している。読んでみれば、今でも確かにそうだし、逆に自分の年齢が主人公の年齢を通過した分、共感する部分も多くなったような気がする。最終的に、真相がどういうことだったのか、わからずに終わってしまうエピソードもあるが、それはそれでいいのではないかな。やはり、the小説は心地いい。そういう意味で、この手の白石作品は、どの作品をとっても、直木賞受賞にふさわしい。
読了日:9月17日 著者:白石一文
これからお祈りにいきます (単行本)これからお祈りにいきます (単行本)感想
本の題名とは関係ない中編「サイガサマのウィッカーマン」と短編「バイアブランカの地層と少女」の二編が収められていて、前者も面白いのだが、ある奇祭の準備期間から開催までと、時間の流れが結構あるので、独特の文章ながら、冗長感も否めない。後者は抜群の面白さ。既に芥川賞を受賞している作者だが、こういう楽しめる作品で受賞していれば、普段から本を読まない人も、文学に興味を示すのではないのだろうか。とにかく、この作家は、少年やそれに近い男の視点で描かせたら巧い。唸るほど巧い。やはり、こういう紡ぐ作家は追いかけていきたい。
読了日:8月14日 著者:津村記久子
とにかくうちに帰りますとにかくうちに帰ります感想
ちょっとこの作家にしては単調。ウエストウィングに続き、また大雨だし(笑)大雨は退屈なのである。職場の作法はまあ多少頷けるところもあるが、やはり単調かな。ああ、あれは面白かった。その人が応援するものは、不幸にして呪われるような話。小学生の頃、私は甲子園の高校野球、地元の試合を必ず見ていた。大抵前半に点を入れられる。後半、心の中で追いつけ!と念じているのだが、一緒に見ていた母や姉が「ダメだね」「ダメだったね」と諦観の言葉を吐き呪いの霧を撒き散らす。あんたたちが、そんなこと言うから負けたんだ!と試合後に思う私。
読了日:8月1日 著者:津村記久子

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by kotodomo | 2016-01-04 16:26 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2015年 08月 02日

2015年7月に読んだ本のことども

2015年7月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1826ページ
ナイス数:75ナイス

ポトスライムの舟ポトスライムの舟感想
〇「十二月の窓辺」は、面白く可笑しく巧い。芥川賞を受賞した「ポトスライムの舟」はぬるい。その後の津村作品に親しんだ人には、瑞々しい感性の不在に残念だろう。でも、先に、その残念作品から読み、「十二月の窓辺」を読んだら、読書としては満足じゃないかな。話は変わるが、ポトスライムって、メタルスライムとかそういうのを想像して、中々ダメージは与えられないけど、会心の一撃なんかでスパーンといくと、経験値たくさんもらえるし、とかドラクエのことに想像が行ったのは、私だけじゃないだろう。私だけかな。キングスライムとかさあ。
読了日:7月21日 著者:津村記久子
淵の王淵の王感想
◎◎舞城は天才である。でも、その紡ぐ先が狂気と紙一重なので、読み手の評価も分かれそう。でも、例えば本書に収められた中編3編、舞城以外には描けないのは明らかで、反射神経だけで積み重ねて、畳みかけていく。最初は、語り手の正体は何?と訝りながらも、最後には、もうそんなのもどうでもよくなって、最後の話なんか、猫の死体の意味も置いてきぼりを喰らって、それでも全体傑作なのだから、どうでもよくなってしまう。ひとつだけ注文。私は鹿児島在住である。桜島の火山灰の話や、それに対する人々の会話は、外国の教科書に書かれた日本だ。
読了日:7月20日 著者:舞城王太郎
流感想
〇この人の同様の作品なら「さよなら的レボリューション」のほうが、ずっと面白かったかな。本作は、良くも悪くも大人しくまとまっていて、まあ、それが直木賞の受賞へも繋がったんだろうけど。中森明菜の「セカンドラブ」。よく流れていたし、歌詞も少しは覚えていたんだけど、その意味を解釈しようと思ったことはなく、そういう意味の歌だったことを、初めて知りました。台湾を主な舞台に、日本、中国も多少、そして色んな事件が起こるんだけど、それらはすべて流れのなかに消えていく。消えてしまわないのは、爺ちゃん殺しと、ファーストラブ。
読了日:7月19日 著者:東山彰良
ウエストウイングウエストウイング感想
◎◎この作家、二作目の読書だけど巧いなあ。この作家の作品、全部読まなきゃと思ってしまう。前回読んだのも少年が出てくる話。今回も少年が出てくるということで手にとったのだが、少年のパート、OLのパート、ダメな感じのする男性会社員のパート、3視点から描かれる、あるビルの西棟の物語。塾も入っていれば、事務所もあれば、喫茶もあれば、居酒屋もあるという、どこにでもありそうなビル。そこの空き部屋に出入りする三人。お互いの痕跡は感じるが、出入りする時間帯が別なのでどんな人が出入りしているのかはわからない。そして大雨に。
読了日:7月10日 著者:津村記久子
カクテル・ウェイトレス (新潮文庫)カクテル・ウェイトレス (新潮文庫)感想
1977年に亡くなった作家の埋もれた作品。わかりやすく面白いじゃないか。訳者がリメイクしてくれた、古い題材の映画を観るようで。この作家の代表作は「郵便配達は二度ベルを鳴らす」。とはまた別の風味の読み物で、若い未亡人が、カクテルバー勤務から大邸宅で暮らすことになるまでの、その勢いある流れのお話。ただ、読者を選ぶキーワードがあって、途中で出てくる薬の名前を知っているか否かで、結末の見え方は違ってくる。自分の場合、水俣病、ヒ素ミルク、そんな言葉と同じ時期に吸収した言葉である。サリドマイド。未来は誰もわからない。
読了日:7月4日 著者:ジェームズ・M.ケイン

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by kotodomo | 2015-08-02 06:51 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2015年 07月 02日

2015年6月に読んだ本のことども

2015年6月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:485ページ
ナイス数:62ナイス

錦繍 (新潮文庫)錦繍 (新潮文庫)感想
◎◎昼休みの読書。本日読み終える。出版は1982年。自分が20歳の大学生の頃。こういう美文を当時読むべきだったとも感じるし、50歳を過ぎた今読んだからこそ、感じ入る部分が多かったのかとも思う。昔夫婦だったもの同士の書簡のやりとりのみで全体が構成される。何がどうということもない。お互いに知らなかったこと、お互いのその後、お互いの今が語られるだけ。それぞれに、どこか不幸を抱える今。ただ、一人格好良く描かれる女性の父親だけは、キャラが立っていて、ひとつの楔になっているような気がする。我が同級生たちよ、読むべし!
読了日:6月19日 著者:宮本輝
太宰治の辞書太宰治の辞書感想
書き出し。「女生徒」朝、眼をさますときの気持ちは、面白い。「パンドラの函」君、思い違いしちゃいけない。「ダス・ゲマイネ」恋をしたのだ。そんなことは全く初めてであった。「きりぎりす」おわかれ致します。あなたは、嘘ばかりついていました。「帰去来」人の世話ばかりになってきました。「作家の手帳」ことしの七夕は、例年になく心にしみた。「桜桃」子供より親が大事、と思いたい。「人間失格」私は、その男の写真を三葉見たことがある。「斜陽」朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母様が、「あ」と幽かな叫び声おあげになった。
読了日:6月11日 著者:北村薫

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by kotodomo | 2015-07-02 16:16 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2015年 06月 01日

2015年5月に読んだ本のことども

2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:1冊
読んだページ数:446ページ
ナイス数:50ナイス

服用量に注意のこと (ハヤカワ・ミステリ文庫)服用量に注意のこと (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
〇題名について、作者の解説がある。収められた短編の数16。一気に読み過ぎると、服用量をオーバー、読者もそんなことを考えて、少しずつ服用をとのこと。自分も、合間の読書に少しずつ服用。ラヴゼイ自体は、巧いのがわかっている作家なので、少しずつ楽しんだのでした。ちゃんと最後に落としどころのある作品ばかりで、文体にはユーモアが。そのユーモアがわかることが、この作者の読者にとって必須なんだけどね。特に最後の「クリスマスツリーの殺人」なんかは、その典型。父親を三人の子のうち誰が殺したかの結末はどうでもよく、文章が最高。
読了日:5月24日 著者:ピーターラヴゼイ

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by kotodomo | 2015-06-01 14:17 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2015年 05月 01日

2015年4月に読んだ本のことども

2015年4月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:794ページ
ナイス数:58ナイス

桜の下で待っている桜の下で待っている感想
ふむ、5編のうち、最初のワンピースのエピソードは良かったが、全体がイマイチ。どの話も東北新幹線の車中から話が始まるという共通項はいいのだが、どの話にも東北観光地案内があるのはどうなんでしょう。確かに、この作者は震災を現地で体験し、それについて触れたい気持ちはわかる。本書を上梓するために、丁寧に各地を取材したのだろうなというのも汲めるし、巻末の参考文献もなるほどである。でも、それはこの作者の持ち味ではないのだよなあ。もっと、想像と感性で描いて欲しかったかな。どれも、優しく温かい、桜のような話なんだけどね。
読了日:4月30日 著者:彩瀬まる
ラスト・ワルツラスト・ワルツ感想
〇このシリーズも、3作目にして、ちょっとキレがなくなったきたかな。中編の「ワルキューレ」なんかは、キレというより冗長。D機関という特殊スパイの話のはずが、本書に収められた3編とも、まあスパイらしい話という具合で、イマイチなあ。
読了日:4月18日 著者:柳広司

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by kotodomo | 2015-05-01 11:11 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2015年 04月 01日

2015年3月に読んだ本のことども

2015年3月の読書メーター
読んだ本の数:1冊
読んだページ数:456ページ
ナイス数:49ナイス

ガットショット・ストレートガットショット・ストレート感想
全体が映画でした。登場人物たちの心情も描くが、背景描写が凄く映画的。また、セリフ回しも非常に映画的。作者自身がシナリオライター、構成作家なので、そこらへんが巧いのだな。自動車窃盗の服役を終えたばかりの主人公の前に、仕事の依頼が。実に単純で怪しい、車を運んで、行った先で荷物を受け取るお仕事。ところが、途中で車の後ろのトランクから奇妙な音が。ありきたりなスタートながら、映画のような展開にページを繰る手は軽やか。題名の意味は、あと1枚カードがくればフラッシュが完成する、そんなポーカー用語。結局人生は賭けなのだ。
読了日:3月5日 著者:ルー・バーニー

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by kotodomo | 2015-04-01 15:00 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2015年 02月 01日

2015年1月に読んだ本のことども

2015年1月の読書メーター
読んだ本の数:1冊
読んだページ数:382ページ
ナイス数:56ナイス

もう年はとれない (創元推理文庫)もう年はとれない (創元推理文庫)感想
◎◎最高に愉快な、老いぼれハードボイルド。元刑事といっても87歳なわけで、そんな齢になれば、元、なんて意味がないようで意味がある。それは、彼が伝説だったから。愉快とは書いたが、ユダヤの金塊に絡み、人は死ぬし、謎は深まる。でも、この老いぼれの思考回路、吐き出す言葉がなんともいかすのである。あと、彼のことをじいちゃんと呼ぶ、孫との二人三脚も読ませる。最新機器を使いこなす若者と、GPSも理解できない老人とのコンビ。最後は頁数が少なくなって、そうするとあいつが意外な犯人かともわかるのだが、秀逸なミステリーなのだ。
読了日:1月31日 著者:ダニエル・フリードマン

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by kotodomo | 2015-02-01 16:52 | 読書メーター