カテゴリ:読書メーター( 97 )


2013年 04月 20日

2013年3月に読んだ本のことども

2013年3月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2498ページ
ナイス数:129ナイス

化石の分子生物学――生命進化の謎を解く (講談社現代新書)化石の分子生物学――生命進化の謎を解く (講談社現代新書)感想
▲総じて斜め読み。文章が秀逸ときいて手に取ったのだが、それほどもなし。各章、出だしは読みやすいのだが、どうしても算数的足し算割り算的ロジックが出てきて、ただ単に筆の運びを楽しもうと思って読んでいたので、斜め読み。世界観は面白く、化石=DNAいっぱい、じゃないよ!というのはよくわかったのだが。
読了日:3月30日 著者:更科 功
握る男握る男感想
◎いやあ、思わず面白い。東野「白夜行」桂「嫌な女」奥田「噂の女」の男バージョンと言えばいいのか。ただ先の3作品だと主人公が悪女と呼ばれるが、男性主人公だと一味違うわけで、野望、策謀の男が主人公。これもまた少し違うが貴志「悪の教典」と似ているような。鮨を握ることで、少しずつ大きくなり、日本の食を牛耳るために、次々と裏と表の手を尽くし、のし上がっていく主人公(を補佐する男の視点で描かれている)。中々にその見えない謀略が飽きさせない。終盤までしっかりと読ませる。ただなあ、落としどころであの手では、少し乱暴な終盤
読了日:3月20日 著者:原 宏一
終わりの感覚 (新潮クレスト・ブックス)終わりの感覚 (新潮クレスト・ブックス)感想
〇なんというか、知らなければ一過性の過去も、知らない部分に複雑さがあれば、全然違った様相を見せるなんて話なのだけど、知らないですむなら知らないほうがいい、知ったばかりにいらない罪の意識を感じるなんて話の裏返しでもある物語。よくよく考えたとき、元カノはやはり鼻持ちならない女だし、友人は不可思議さに包まれたままだし、主人公本人には悪意はないし、たとえあったとしても因果な結果を知らなければそれでよかっただけの物語。広義の意味のミステリーだが、いやこれはブンガクだというには芯がない。元カノの家族も描かれてないし。
読了日:3月19日 著者:ジュリアン バーンズ
ねにもつタイプ (ちくま文庫)ねにもつタイプ (ちくま文庫)感想
〇人にもよると思うが、例えば自分はヘンなこと考える奴だとたまに言われ、言われるのはたまにだが、考えるのはいつものことで、「もし我が家が逆さまになったら天井が床になるわけで、隣の部屋には桟を越えなきゃいけないし、トイレは入るの難しい・」とか「桜島と錦江湾、この湾の水が干上がったら、島まで徒歩で行けるだろうが、湾底の起伏は激しく・」そんなことを結構考えているわけで、そんなお仲間が発見できて嬉しく、中には「それ俺も思っていた!」なんて話もあって、この著者に大共感。まあ年代がアラウンド50でないとわからない話も。
読了日:3月19日 著者:岸本 佐知子
破産破産感想
◎最近の嶽本野ばらの小説の中ではナカナカのノリで一気読み。浪費癖のある宵越しの金を持たない著者の私小説的なところもあるが、とにかく登場人物たちがキャラ立ちまくりで面白い。主人公の元カノ、巫女の恰好をした魔術師、業界人の編集者たち、そして忘れてならないのが古書店の男。結局、本書は破産直前の書かなくなった作家と、稀覯本だら、幻本だら、少し本好きの香り漂う味付けと、あとは乗りにノッタ、嶽本野ばらの絶妙な筆の反射神経の面白さ。こりゃいいわ。面白い(^.^)ただし、野ばらワールドに慣れない人にはナニコレ的な一面も。
読了日:3月17日 著者:嶽本 野ばら
ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)感想
〇シリーズ3作目。大した盛り上がりはなく流した感じだが、それでもこのシリーズはそこそこ面白く、読んでいて苦にならない(いや、読めない体質とどもり巨乳という設定は、毎回ひっかかるが)。1作目と比べて、母親のこととか背景の謎っていうのがベースにしっかり食い込んできている。果たしてどのような解決に向かうのか。しかし、この作者、このシリーズ書くのに勉強を重ねているところがエライ。古書の来歴って、結構多面的で奥深いところがあるのがよくわかります。電子書籍化の時代。こういうことが、段々となくなってくるのでしょうね。
読了日:3月13日 著者:三上 延
本にだって雄と雌があります本にだって雄と雌があります感想
◎◎表題で気を惹くが、気を惹いても面白いの?って思うに留まるところが残念なところか。雄とか雌とかいうより、本って増殖したり、飛んだりするんでっせ、大阪弁的加えて思弁的物語。奥泉光、森見、そんな感じの軽妙文体。とにかく巧い。ただ、後半ボルネオ行軍記録がちょっと冗長で軽妙さに欠けるかな?舐めて文体を楽しみ、物語の展開の果ての連環に唸るべし。なんとなく読むのを避けてきた本書。いや読んで良かった(^.^)この作家は読み続けよう。ただデビュー作はイマイチ不評のようなので、遡っては読まないつもり。いやあ、面白かった。
読了日:3月10日 著者:小田 雅久仁
キミトピアキミトピア感想
◎◎やっぱ自分と舞城の波長は合うみたい。長編でないのを舞城が書くと、どうだらこうだら言う人があるが、自分から言わせると凄み満載。結局、粗筋も知らないまま手に取り、粗筋も落ち着かないまま終わってしまうのだけど、ビビビビくる感性に痺れっぱなし、圧倒されっぱなしの読書タイム。なかには、なんで話がそっち行っちゃうの?行っちゃうの凄過ぎだけど、みたいのもあって楽しさ満載。娘の受験の随行で携行した本書。この天性の感性は隣にいた娘には電波していないけど、お蔭様の幸あらんことを、舞城頼むで。
読了日:3月9日 著者:舞城 王太郎
しょうがの味は熱いしょうがの味は熱い感想
〇綿矢りさ姫らしい、現代的な手垢のついていない感性は不在。ただただ普通の恋愛小説。同じ男女を主人公にした中編が2つ収められているが、最初のお話は、お互いにすれ違いを感じている二人の夜の物語。もう一つは、そんな二人が離れて暮らし、お互いを思うお話。多分、自分がこの男性主人公の立場なら、掃除や色んな手際があわないこの女性との復縁はないのかな?まあ、主人公たちの行動や考えが自分にあわなくてもいいのだけど、これは誰の作品?と問われたときに、綿矢りさ姫と見破れないような平坦な文章の物語なのだなあ。直近の2作は不発。
読了日:3月3日 著者:綿矢 りさ

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by kotodomo | 2013-04-20 07:15 | 読書メーター
2013年 03月 10日

2013年2月に読んだ本のことども

2013年2月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2560ページ
ナイス数:110ナイス

空白を満たしなさい空白を満たしなさい感想
〇さすが、平野啓一郎。死んだ人が再び蘇るというSF的な設定ながら、どこまでも現実的で哲学的で、意味深く、考えさせられる。ケン・グリムウッド「リプレイ」と同じ系譜で、なぜ蘇るのかというところには力点を置かず、何が起きるのかという作用点を描くのである。大きな設定とは別に、隙間を埋める展開や人物たちも唸るほどに秀逸に描かれていて、特に警備員佐伯の独りよがりの論法に、こちらも頷きそうになるくらいである(笑)死んだはずの人々が、ある日戻ってきたら・・・別々の場所で、それぞれの現れ方で。設定は簡単だが、中身は重量級。
読了日:2月25日 著者:平野 啓一郎
残り全部バケーション残り全部バケーション感想
◎◎伊坂流伊坂節全開、といっても、伊坂節には種類があるわけで、ユーモアなおとぼけな軽妙さが満載と言ったらわかりやすいかな。連作短編集なんだけど、伏線が丁寧に刈り取られ、最後は希望が持てるような映画のラストシーンで伊坂ファンにはたまらない。当たり屋的裏稼業を中心にして、でもほのぼのとした感じで進んでいく、なんというか途中のズレた会話も楽しく、そういうことだったのかという箇所も満載で、いやはや、やってくれましたな。この作品なら伊坂が直木賞獲っても、再度本屋大賞とっても誰も文句は言わないでしょう。読むべし!!!
読了日:2月20日 著者:伊坂 幸太郎
墓場への切符―マット・スカダー・シリーズ (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)墓場への切符―マット・スカダー・シリーズ (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)感想
〇1991年の作品を今頃読んだのは、このシリーズの最新作が昨年好評を得たからで、その昔、古本を買うのが趣味だった自分の場合、倒錯三部作だけは蔵書していたからである。何が倒錯?なんて思って読み始める。全体に普通の探偵ハードボイルドなのだが、なるほで悪敵が倒錯的。自分の本名はモリユウスケなのだが、自分を殺してやりたいと考える敵が、ユースケサンタマリアを殺して、森進一を殺して、どうだ!お前は最後に殺してやる!というような考えをするのは、かなり倒錯しているわけで、好きだから殺して食べた的に猟奇的で倒錯的なのである
読了日:2月19日 著者:ローレンス ブロック
噂の女噂の女感想
◎◎連作短編集の体裁を借りた長編と呼ぶのが正解なのかも知れない。確かに雑誌で連載されていたものだが、最初の短編を読んだ時の中途半端さに驚き、読み進めるうちに、なるほど全体構成がわかってきて、最後の2頁の挿絵で、なるほど食虫花と餌食になる憐れな虫の物語、悪女とその周辺の物語だと腑に落ちる次第なのである。東野「白夜行」や桂「嫌な女」みたいな物語の流れなのだが、なんだか悪女たる女性が魅力的で憎めないのは、その二作品とは異なる。別の見方をすれば、中古車販売店の事務員の出世成長物語。その転身ぶりに潔さを感じるのだ。
読了日:2月17日 著者:奥田 英朗
湿地 (Reykjavik Thriller)湿地 (Reykjavik Thriller)感想
〇アイスランドミステリー。コルブルンやエーリンボルグが女性の名前っていうのが肌に合わずいちいち引っかかるが、全体的にはサクサク読める面白小説。章立てというか、短い場面が程よく切り替わり、読み込む必要もなく物語は展開していく。ただ、可笑しいのは、なんだかんだ言っても主人公の当てずっぽう推理で物語が進行し、その当て推量が当たってしまうところ。決してユーモア小説ではなく、どんよりとした灰色小説なんだけど、そういう展開のベースがユニーク。主人公の息子が一度も出てこないが、シリーズ三作目ということで、何処かに登場?
読了日:2月17日 著者:アーナルデュル・インドリダソン
ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン (エクス・リブリス)ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン (エクス・リブリス)感想
〇なるほど、世間に疎いような青年実業家が、ワインを耽溺、倒錯的愛情を注ぐ男にどうしてなっていったかに筆を重ねるのは至難の業だが、ワインで身を滅ぼすようになった男の過去の出来事を、時系列を遡りながら積み重ねていくと、行間を埋めるような構成になるわけですね。「イエメンで鮭釣りを」と同様に、ギクシャクした夫婦間の描写っていうのがあまり好きではないが、結局、あちらも本書も不器用な男の物語なので、どうしてもそういうことになってしまうのであろう。財をなし、ワインに傾倒し、倒錯し、耽溺し、アル中合併症、そんな男の物語。
読了日:2月11日 著者:ポール トーディ
雪と珊瑚と雪と珊瑚と感想
△うーむ、若い母親と赤ちゃんと、それを預かる優しい女性の機微を丁寧に描きだす滑り出しに、この作家巧いと思ったものの、序盤を過ぎると一気に登場人物が多くなり、結局朝ドラ的、素人のカフェ開店奮闘記に転じて、物事の運びもラノベになってしまって非常に残念無念。途中からは読み飛ばしながらの読了。メニューの名付けに何ページも費やす部分も欠伸が出るし、てんやわんやすったもんだで、予定調和的ゴールに向かうだけのお話になってしまったのは、やはり連載物だからでしょうか?母子小説かと思ったら、赤ちゃんは成行きのための脇役でした
読了日:2月3日 著者:梨木 香歩

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by kotodomo | 2013-03-10 07:40 | 読書メーター
2013年 02月 03日

2013年1月に読んだ本のことども

2013年1月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:3432ページ
ナイス数:112ナイス

ある男ある男感想
明治初期、実際に日本で起こった7つの史実を材料に、それぞれその時代に居合わせた7人のある男の視点で語られる物語。木内昇、女性作家だというのを今回初めて知る(読書中ネットで調べた)。いい意味で女流らしくない。骨太な筆致で登場人物たちのキャラをこれでもかと浮き彫りにし、最後は物語全体をうっちゃり、何の話だったのと読者を惑わせる。勿論、時代の話なんだけど。主人公は時代で、キャラの立つ登場人物たちが脇役、盛り立て役と言ったら言い過ぎだろうか。「女の面」のお光と瀬喜のキャラの描き方なんて凄いのに脇役でしかないのだ。
読了日:1月30日 著者:木内 昇
恋愛写真―もうひとつの物語恋愛写真―もうひとつの物語感想
◎日曜の朝9時に読了with涙、もう自分も50歳だというのに、若い恋愛に涙とは、やれやれ、たしかに。もう恋なんて昔の話だと思っても、やはりこういう小説を読むと心は揺れ動いたり踊ったりするわけです。基本は、男性主人公の大学ライフのお話と、二人の女性の間にある機微。よく思うんですけど、どちらも気立てのいい女性なのに、なぜか小説の主人公は、結局高嶺の花は選ばずに、野に咲く花を選んでしまって、その花の哀しみまで共有しちゃうので、やっぱそういうとこがモドカシイかな。少し不思議な設定を含めて、この作者らしい作品かと。
読了日:1月27日 著者:市川 拓司
生きるぼくら生きるぼくら感想
×カフーや一分間だけや楽園を面白く楽しく読んだ自分には、同じ著者でも本書は合わずダメでした。ラノベで連載小説、結局朝の連続ドラマ「コメを作るぞ!もう引きこもらない!生きるぼくら!」みたいな感じで、いかにもの設定と、ドラマでしかありえない人間ドラマと、早く気付けよ、勘違いやすれ違いに!みたいなことでダラダラと引き伸ばされる展開に、こんな話を読むつもりはなかったんだけど、と思いながら、中盤からはパラパラ漫画読み。他の作家なんかでもそうなんだけど、連載物ってやっぱ売文的な側面は避けられないわけで仕方ないんだけど
読了日:1月20日 著者:原田マハ
海の見える街海の見える街感想
◎◎デビュー作から三作読んできたけど、この作家はずっと追いかけます。どの作品も、設定は自分の年齢よりずっと下の人たちの話なのだけど、気持ちが入れ込めるのは、やはり作者の巧さですかね。今回は図書館で働く、どこかオタクな複数男女の物語。4章からなって、それぞれ視点が違うのだけど、時が重複することなく物語が進んでいく、一年間の物語。人情、友情、恋愛、色々あり。で、初っ端、主人公の母親がインド人と結婚!この先どう展開するの?と思ったら、その話は置き去り(笑)窓やカーテンを開けたくない女!その心情は?解説なし(笑)
読了日:1月20日 著者:畑野 智美
バーニング・ワイヤーバーニング・ワイヤー感想
〇リンカーン・ライムシリーズは、予想も出来ない終盤のサプライズ、どんでん返しのそのまたどんでん返しの裏返しみたいなのが、持ち味なのだが、本書の結末はなんというか予定調和的。サプライズはあるのだが、ああそういうことですか、みたいな、なんだか予定されていたようなプチサプライズ。見抜いていたわけではないのだが、イマイチ。出だしこそ、電気って怖いじゃん、見えないじゃん、一瞬にして死ぬじゃんと思って読んでいたけど、中盤から意外にハラハラシーンが少ないし。このシリーズにして初めて、終盤にハヨ終ワレと思った退屈読書だす
読了日:1月15日 著者:ジェフリー ディーヴァー
花の鎖花の鎖感想
〇まあ、悪くはないと言っておきましょう。並行して進む、三人の女性の視点のお話。その着地点は、本を読みなれた人は多分途中で気付くはず。ただ、その着地点に気付いても、面倒なので点と点を結ばず、読み進めた読書中。だって、点と点が結べても、そこには作者の理屈があるでしょうし、そこが肝心だから。だから、終章の蓋然性には疑問もある。ただね、物語の構造としては、まあ悪くないのかな。結局、色んなことに論理づけしてくれる著者なのだが、出だしの設定は無意味かな。つぶれた英会話スクールとか、婆ちゃんへの頼みの軽さのラノベ加減。
読了日:1月12日 著者:湊 かなえ
転落少女と36の必読書(下)転落少女と36の必読書(下)感想
◎◎青春物語がわかった上巻。後半は、いやはやミステリーではないか。その昔マキャモンの「少年時代」を普通の小説と思っていたら、普通に描かれていたことが全部伏線になって収斂されていくミステリーであったことを思い出した。ただ、本書の場合、謎が想像でしか解決されないわけで、途中の素晴らしい描写を考えたときに、ちょっと着地に失敗したかな?感は否めない。だが傑作!ちょっと変わった修辞的な文章作法だが、これが自分には合う。括弧が多くて、前後の文章を繋ぎ合せなきゃいけなかったりという作業が、結果、文章を舐めて楽しめたのだ
読了日:1月8日 著者:マリーシャ・ペスル
転落少女と36の必読書(上)転落少女と36の必読書(上)感想
◎◎上巻436pを読了。傑作である。既にして名作の感。表紙絵と邦題が残念。中身は、綿矢りさの感性に、村上春樹も顔負けの修辞的な文章と展開といったところの。教養ある大学教授の娘ブルーという女学生が主人公。ブルーとパパの、ブルーとちょっとはみ出た学校仲間の、ちょいわるで知性溢れる冒険が楽しい。どんな話か知らずに読み始め、テイストはわかったが、どんな話になっていくのかは、下巻の楽しみ。上下巻で約4000円とお高いので、未読の方は是非図書館へ。最近読んだ本の中で、一文も漏らさず味わいたい傑作中の傑作。舐めて読め!
読了日:1月6日 著者:マリーシャ・ペスル
アルカトラズ幻想アルカトラズ幻想感想
△無理して読んで、重力の話は字面だけ追っかけて、アルカトラズの部分はまあ普通に読んで、最後のパンプキンは10分で読み散らかしたので、本当の因果は最終的にはチンプンカンプンなのだが、それはそれでそのままにしよう。意味のわからない長い話だったが、長いものには巻かれてしまおう。読んだことも忘れてしまおう。なんで、このミスで伊坂が褒めちぎっていたのか。それもヨシとしよう。騙したのが伊坂ならそれもいい。ただ、個人的な感想を簡単に述べると、時間の無駄を感じた読書タイムでした。まだ、一生懸命読まなかっただけでも救いか。
読了日:1月2日 著者:島田 荘司

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by kotodomo | 2013-02-03 09:47 | 読書メーター
2013年 01月 01日

2012年12月に読んだ本のことども

2012年12月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2485ページ
ナイス数:89ナイス

あと少し、もう少しあと少し、もう少し感想
◎◎いやあ実によい。6区間の中学駅伝を走るそれぞれのキャラもいいし、それぞれの視点で語られる章立てで浮き上がってくる、素人顧問上原先生や、家庭の事情なども実に鮮やかに爽やかに映ってくる。単純に6回熱い涙を流せる良書(笑)だって、それぞれ6人の視点で語られる章の最後は、どうしてもウルウルなるんだもの(笑)カバー絵も素晴らしくて(普段カバーにここまで心惹かれることのない自分です)、装画の亀澤裕也氏のサイトまで覗きにいったら、このカバー絵も紹介されていて嬉しくなった。最初見たときは、なんで2番目少年頭が黄色?と
読了日:12月31日 著者:瀬尾 まいこ
このミステリーがすごい! 2013年版このミステリーがすごい! 2013年版感想
年末年始の年越し本で島田荘司「アルカトラズ幻想」を借りてきたが、ちょっとだけ読んで、読みたいタイプの話じゃないと思いそのまま返却することに決めたが、本書内の私の隠し玉コーナーの2012年の№1という企画で、伊坂幸太郎がすっげえ面白れえみたいなことを書いているので、やっぱり読んでみることにした、今日は2012年大晦日である。今現在は瀬尾まいこ「あと少し、もう少し」を読んでいるのだが、2012年もあと少しもう少しである。
読了日:12月31日 著者:
繚乱繚乱感想
〇二宮君のシリーズと勘違いして読み始め、「悪果」のシリーズとネットで知り、自分は読んだっけ?と思い、過去の記録を見たら読んではいるのだが内容は忘れている。悪徳警官二人の物語であったことは、本書を読みながらうっすらと思い出しはしたが・・・今回は二人とも元警官になってはいるが、前回同様、悪事だろうが正義だろうがイケイケドンドンの活躍である。ただやはり、二宮シリーズほどの面白さは感じない。主役の二人のキャラに差がないので、どっちが何をしようが結果オーライ。やっぱへたれ二宮と経済やくざのドタバタ劇のほうが好み。
読了日:12月30日 著者:黒川 博行
国道沿いのファミレス国道沿いのファミレス感想
◎◎ドロドロ感あり、サッパリ感あり。言い換えると、イタイ感あり、希望感ありといったところか。本部で問題を起こした(ことになってしまっている)ファミレス社員の男子主人公の物語。どうしても読み間違えてしまうのは、主人公の友人が読み手にはぶよぶよ太ったオタクに読めてしまうのだけど、実際にはハーフウェンツ的な部分かな。結局は、登場人物複数の恋愛物語なんだけど、それに留まらない人間物語。これがデビュー作、男子視点なんだけど、とにかくこの作家は些末まで巧い。この視点、この筆致、決して女流作家ではなく、小説作家である。
読了日:12月27日 著者:畑野 智美
黄色い水着の謎 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活2黄色い水着の謎 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活2感想
◎◎二編の中編が収録されたクワコー准教授のトホホ爆笑物語。シリーズとしては、3作目にあたるのだが、これだけ読んでも全然構わない。クールな自分も24回くらい、ウププと噴出した、遊び文章満載の滑稽本。女子大の先生なので、そこの文芸部員たちの会話シーンが多いのだが、これがまた見事。いかにもギャルたちが、いかにもギャル言葉で喋りまくるので、オジサン読者にはわかるようなわからないような面白さ。「彼はそんなことはしない。だって太宰を読んでいるから。」って意味わかんねえし(笑)二作目、三作目を通して、ジンジン探偵完成!
読了日:12月24日 著者:奥泉 光
無罪 INNOCENT無罪 INNOCENT感想
◎う~む、面白いのだけどイマイチ。前作にあたる『推定無罪』ほどのカタルシスは得られない。やはり、この手の本は法廷部分が一番楽しいわけで、法廷が開始されるまで、その前提となる物語を読まされ、法廷部分も予想より早く終わってしまい、その後の物語を読まされると、どこか退屈な気がしないでもないのだな。このミス海外編でも上位にランクイン。多くの人が支持する良書であることには間違いのないところ。あとは、読者が人間物語を好むか、法廷部分を重視するかで、好みの深みが違ってくるんじゃないかな。リーガル物には間違いないんだけど
読了日:12月23日 著者:スコット トゥロー
そのときは彼によろしくそのときは彼によろしく感想
◎◎8年ぶりの再読。傑作は今読んでも傑作。冴えない人生を送る水草ショップの経営者の主人公。ショップのアルバイトがこち亀の麗子に中川ってな設定が、今読むと新鮮。文体小説としても、恋愛小説としても素晴らしい。ただ展開が中盤までは百点満点なんだけど、再読してみると、終盤はちょっと散漫な感じがしないのでもないのだけど。とにかく傑作。42歳のときに初読、今回50歳にして再読なんだけど、面白さは変わらないが、再びの出逢いの年齢に、家庭を築くのであれば、もっと早くないとなんて思いながらも、やはりこんな恋にあこがれるのだ
読了日:12月19日 著者:市川 拓司
本の雑誌353号本の雑誌353号感想
うーむ、神保町の食い物の話、魅力的だが鹿児島人が読んでもなあ。
読了日:12月7日 著者:

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by kotodomo | 2013-01-01 05:10 | 読書メーター
2012年 12月 07日

2012年11月に読んだ本のことども

2012年11月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1944ページ
ナイス数:101ナイス

羊をめぐる冒険羊をめぐる冒険感想
◎◎ダンスを再読したあと、風→ピンボール→本書と再読。本書は会話部分が素晴らしい。運転手との会話、黒服との会話、彼女との会話、その手抜きのない会話がいい。ただ、羊や鼠との会話になると、全二作のテンションを継がざるをえないので、そこはちょっと冴えないのだけど。本書「羊をめぐる冒険」と次作「ダンス~」は、やはり初期作品の代表作だし、最近の「1Q84」より、遥かに自分の好みなのだなあ。最高傑作「世界の終り~」も再読したいのだけど、二つの交互するパートの世界の終りのほうが軽快じゃないのがわかっているので少し躊躇。
読了日:11月26日 著者:村上 春樹
九月の四分の一九月の四分の一感想
◎◎9年ぶりの再読。著者は自ら村上春樹チルドレンと言っているだけあって、冒頭の「報われざるエリシオのために」には確かに村上春樹と静謐な大崎善生節が内包されて旋律を奏でているのだな。「ケンジントンに捧げる花束」では、9年前同様泣いちゃったし、収められた4編ともに素敵な作品なのである。最近はアタリとハズレを繰り返している大崎善生作品だが、たまにはまたこんな短編集(中編集)出してほしいのだなあ。ケンジントン・・・イギリスで頑張ってきた80歳老人の無邪気な姿に涙に、理屈にならない涙があふれてくるのだなぁ。
読了日:11月25日 著者:大崎 善生
残穢残穢感想
△何年振りかのホラー小説。怖さがヒタヒタと伝わってくるのを、恐れ期待半々で読み始めたのだが・・・退屈であった。途中からは、なんだか京極夏彦が書く因果とはみたいな薀蓄を読まされているような・・・もう中盤からは飛ばし読みでした。でも中々に評判はいいようで、個人的には合わなかったとだけ付け加えておきます。
読了日:11月23日 著者:小野 不由美
白ゆき姫殺人事件白ゆき姫殺人事件感想
◎◎素直に面白い。構造的にもある意味傑作かもしれない。美貌のOLが殺され、その同僚OLが失踪し犯人と目されて進んでいくだけの物語なのだが・・・色んな人間の視点と語りだけで構成されていて、こういう構造はあまり好きじゃない評者なのだが、本書に関しては興味深く引き摺り込まれて一気読みであったのだ。で、面白いのが、小説自体の巻末に、長々と付録部分がある。事件に関するツイッターログや、週刊誌記事など。蛇足ともとれるのだが、そういえば何で社内で盗みがあったのか、犯人の動機はなんだっけ?そんなことを埋めてくれる蛇足。
読了日:11月18日 著者:湊 かなえ
5つのコツで もっと伸びる カラダが変わる ストレッチ・メソッド5つのコツで もっと伸びる カラダが変わる ストレッチ・メソッド感想
◎一回目の流し読み終了。丁寧で、理屈もわかりやすく、難しいものもない(自分の場合、足を90度開いて座ったかたちで・・・なんて言われたら、もうそこから動けないので(笑)あと、こういう本で大事なのはモデル。美人もいけないし、ぺったんこもいけないし、どこぞのおっさん?(いわゆる中高年もできますよのアピールのためのシルバーモデル)もいけないし、男性モデルも女性モデルも、ちょっといい感じ感のチョイスが大事なのだが、本書はバッチシ。気にならない程度にいい感じの男女モデル。こういのが、スマホに入れて持ち歩けたらなあ。
読了日:11月11日 著者:谷本 道哉,石井 直方
1973年のピンボール1973年のピンボール感想
〇8年ぶりの再読・・・今、読んでみると、ここには村上春樹らしさが希薄。冒険がないし、描写が文学小説みたく細かい部分が多くて、中々情景がすんなりと入ってこないのである。「風の歌を聴け」「ダンス・ダンス・ダンス」も最近再読したが、この二作品に関しては特に感じなかったのだけど。なんか、未完の小説を読まされたような、そんな読後感。まあいいや。このまま「羊をめぐる冒険」の再読に入りましょう。ダンス→風の歌→1973年と読んできて、ダンスで出てきた僕と、本書の僕の流れが埋まっていくことでしょう。ゆっくりと読みましょう
読了日:11月9日 著者:村上 春樹
アルカード城の殺人 (扶桑社ミステりー)アルカード城の殺人 (扶桑社ミステりー)感想
〇ウェストレイクという著者名で手に取ったが、実際には純粋な小説ではなく、氏主催のミステリーイベント(参加者がホテルに集まって、大まかな筋と容疑者たちへのインタビューで犯人を当てる)を小説の形式にしたものである。イベントの特別ゲストも容疑者役を割り振られたりするわけで、そういう意味で本書の中にスティーヴン・キングが出演しており、まあ文章も寄せているので、キングも参加してるよと解釈できる。つまり、読者は参加者になって容疑者たちの言葉を吟味しながら犯人を当てる、そういう作りなのである。果たしてキングは犯人か?
読了日:11月3日 著者:ドナルド&アビー・ウェストレイク
風の歌を聴け (講談社文庫)風の歌を聴け (講談社文庫)感想
◎9年ぶりの再読。そうか、こういう話だったか、っていうのが素直な印象。テイストは覚えていてもストーリーは忘却の川をって感じなんだけど、ストーリー自体がないし、すべては収斂していかない。最新作「1Q84」のほうが、よっぽど謎のピースは回収されているわけで、デビュー作の本書は、大学生の主人公の夏休みの風景を描いただけの作品である。描写して描写して、ただ終わるだけ。散文的な風景ながらすこぶる面白いのだけど。ただ、主人公が学生なだけに、生き方の自己責任のありどころが不在なのが少し不安気かな。再びの村上初期は新鮮!
読了日:11月2日 著者:村上 春樹

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by kotodomo | 2012-12-07 19:21 | 読書メーター
2012年 11月 01日

2012年10月に読んだ本のことども

2012年10月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1741ページ
ナイス数:120ナイス

パンドラの匣 (新潮文庫)パンドラの匣 (新潮文庫)感想
◎◎18歳で傑作だと感じた本を、50歳で再読。太宰には珍しい青春小説である。「正義と微笑」「パンドラの函」の中編2編収録。まずは美文である。そして18歳のときにには気付かなかったが「正義と微笑」の主人公青年は相当のヘタレである。あまりのヘタレ具合に、思わず笑った箇所もあり、太宰で笑うとはである。「ライ麦畑・」の主人公も敵わない大ヘタレ。読むべし。そして、こちらの方が明るい青春傑作と印象に残っていたパンドラ。あとがきを読むと、そうかこの主人公青年のモデルとなった人物は結核を克服できずに死んだわけか。寂しい。
読了日:10月26日 著者:太宰 治
夏のバスプール夏のバスプール感想
◎◎高校一年男子の、夏休み前1週間の青春生活のお話。結局、最後の頁まで、何のお話を読んでいるのかわからず、人によっては何の話?オチは?と思うかもしれないが、個人的にこのまとめ方は好みである。最終盤での西澤との会話、青野との戯れ、色んなものが会話の中で恢復していくような筆の運びが。こりゃあ「国道沿いのファミレス」も読まないと。無駄なキャラたち、つまり不登校の男子、久野ちゃんの弟のつまるところ、本屋のバイト君などが、無駄なまま全体の溝をうまく埋めていて、この今までにない計算された構成を読まされると唸るしかない
読了日:10月20日 著者:畑野 智美
ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)感想
◎1作目より、本にまつわる薀蓄と物語が滑らかでよろしい。これで、「巨乳」と「体質」への言及と、栞子さんのどもり過ぎの描写が少なければ、もっと素直に評価できるんだけどね。前作に引き続き図書館に予約したのだけれども、自分の中では優先順位が低く、ラノベだし読まずに返しても、と思っていたが、いやいや読んで正解。優先順位は相変わらず低いが、続巻も読みますよ(^.^)多くの人が知らない本にまつわる章立てで、果たしてそれでも面白いのは作者のお勉強の賜物と構成力のおかげでしょう。あれだね、男性読者として栞子さん会いたい!
読了日:10月18日 著者:三上 延
フリント船長がまだいい人だったころ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)フリント船長がまだいい人だったころ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)感想
〇題名から冒険物かと思っていたら、ノワールな雰囲気の小説であったのことよ。町の漁船団を牛耳るドンが死んで、その息子が資産や権利を売っぱらうと宣言したことから起こる顛末、ただそれだけのお話を文学性を孕んだ描写で読まされるのは、そこまで苦にならないが、冒険物だと思っていたので、その落差は大きい(笑)結局、この作者は物語の中で音楽をプレイヤーに載せたかったのかな。レコードアルバムを奏でたかったのかな。登場人物たちに、好人物が不在なので、物語を楽しみたい読み手なら、本書は避けておいたほうがいいだろう。曇天の小説。
読了日:10月14日 著者:ニック ダイベック
金星を追いかけて金星を追いかけて感想
▲ハレーが、50年後に金星の日面通過が8年セットで2回起きるよ、自分はもう生きていないから、みんな全世界で観測して宇宙の距離を測りなさいねと言って、それが行われるのも凄いが、当時の先進国も大航海を経ないと観測地に行けないのも苛酷だし、全世界のデータを集めるのも大変だし、科学って凄いね。1760年代なんて、仏革命より前の話。飛行機でFAXで電話でネットで、そんなのないんで、船に乗っていても本国とのやりとりは手紙だし、そんな時代に凄い。ちなみに我々は、2004年、2012年の2セットを経験済み。この前あったね
読了日:10月8日 著者:アンドレア・ウルフ
僕らのご飯は明日で待ってる僕らのご飯は明日で待ってる感想
◎◎最高に爽やかな傑作恋愛小説。内に籠った青年の日常からの描きだしに、再生の物語?と思いきや、それ以上の物語。連作短編集のような章立てをとりながら、二人の男女の高校生活描写から、少しずつ物語は未来へと進んでいく。とにかく、読むべし!理屈などいらないお薦め小説。実に中身が健康的なのである。ただなあ、途中で縁があったえみりという名の女の子が可哀そう。可愛くて育ちもよくて素直な彼女が、なぜにフラれてしまうのか。なぜにフラれなければならないのか。ああ、可哀そうで仕方ないというのが中年男性読者からの唯一の欠点かな。
読了日:10月7日 著者:瀬尾まいこ

読書メーター

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by kotodomo | 2012-11-01 19:19 | 読書メーター
2012年 10月 03日

2012年9月に読んだ本のことども

2012年9月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1971ページ
ナイス数:86ナイス

小野寺の弟・小野寺の姉 (リンダブックス)小野寺の弟・小野寺の姉 (リンダブックス)感想
〇小説はもうすっげー沢山読んできたが、身近なものながら、今回小説内で初めて出逢ったものがあり・・ボンタン飴。鹿児島生まれの自分は、地元企業のセイカ食品のボンタン飴は、鹿児島だけのローカルな商品だと思っていたわけで、2年前、その会社の社長様とお話したときに、滅茶苦茶全国区な商品だということを初めて教わったのである。本書129頁で、小野寺姉が婆ちゃんにボンタン飴をわけてあげるだけのシーンなのだが、長いこと小説を読んできた歴史の中で、この単語に出くわしたのは初めてである。鹿児島県人としてなぜか嬉しいのであった。
読了日:9月30日 著者:西田征史
はるか南の海のかなたに愉快な本の大陸があるはるか南の海のかなたに愉快な本の大陸がある感想
◎人文書や写真付き本、絵画付き本、地図付き本なんて、普段読まないような本の、どこか珍妙なセレクションというかコレクションというか、そんなのにまつわる本紹介本。人文なんて読まないと思いながら、そういえばその昔藤田紘一郎の寄生虫本を好んで読んでいた自分を思い出し、それなら石本や植物本なんかも読んだら面白いだろうなあと共感。しかし、この著者の脱力感溢れる興味のあり方、文章のつづり方には独特のものがあるなあ。自分は好きなんだけど、何これ?どこがいいの?と思う読者も少なくないはず。でも自分さえ愉快であればいいのだ。
読了日:9月30日 著者:宮田 珠己
本の雑誌351号本の雑誌351号感想
本書を読んで読みたくなった本は「わたしがいなかった街で」柴崎有香、「夏のバスプール」畑野智美
読了日:9月30日 著者:
本の雑誌352号本の雑誌352号感想
本書読んで読みたくなった本。「フリント船長がまだいい人だったころ」ニック・ダイベック、「無分別」オラシオ・カステジャーノス・モヤ、「ワイルド・ピッチ」蓮見恭子、「金星を追いかけて」アンドレア・ウルフ、「球界消滅」本城雅人、「春はそこまで」「手のひら、ひらひら」志川節子
読了日:9月30日 著者:
鍵のない夢を見る鍵のない夢を見る感想
〇直木賞受賞作品というのは、人に薦めたくなる物語であってほしいのだが、本書の場合、他人には特に薦めない。「ゼロハチ・・」を読んだときも感じたのだが、この作家、紡げる作家である。己から物語が出てくる作家である。ただ、お話の紡ぎ方はいいのに、文章の紡ぎ方に平凡さがある。オジサン読者には、少し温いのである。加えて本書のキャラクターたちが抱えているのは悪意だったり、自意識過剰であったりで、キャラ自体がお薦めでないのである。5つの短編が収められた作品集。表題と同じ題名の短編はない。共通するものは、「自分のせい?」。
読了日:9月23日 著者:辻村 深月
ブルックリン・フォリーズブルックリン・フォリーズ感想
◎◎いやあ、よかった。今年読んだ海外物では一番かな。この作家の小説には、大きな粗筋などなく、それでいていつも読ませてくれる。初老の引退し離婚した男が、単身ブルックリンに移り住む。少し友人らしきものもできる。あとは題名通り、そういった登場人物たちの楽しく哀しい愚行録でも読まされるのかなあ、なんて思っていたら、p138で物語が動き出す。9歳の愛嬌満点の少女がブルックリンの転がり込んできたところから、物語に光が射す。簡単に言えば、すべての人の再生の物語。孤独だった人たちが仲間をなす物語。素晴らしく紡がれた物語。
読了日:9月22日 著者:ポール オースター
武曲武曲感想
◎◎完全無欠のエンタメ小説。著者は芥川賞受賞作家だが、この作品には個人的に直木賞を授けたい。簡単に言えば、高校2年で剣道に出逢ったラッパーな青年の物語なのだが、美意識というのか感性というのか稚気というのか、そんな諸々と剣の道をどんぶりに入れて、青春を謳歌し煩悩に苦慮するような清々しい小説なのである。もう一人の酔っ払い主人公もいて、こっちのパートは苦悩だけなのであるが、とにかく全体、すこぶるいい小説なのである。しばらくは、人に面白い本はない?って訊かれたら、本書を推し続ける。読む人を選ばない極上小説である。
読了日:9月16日 著者:藤沢 周
心のナイフ 上 (混沌の叫び1) (混沌の叫び 1)心のナイフ 上 (混沌の叫び1) (混沌の叫び 1)感想
〇図書館で本を探すときに、係員に尋ねるのはあまり好きではなく、自分で探すほうなのだが「Y933ネ」・・・Yなんとかって番号の書棚が見つからず、結局尋ねるはめに。なるほどね、ヤングアダルトコーナーってあるのね。ヤングアダルトを調べてみれば、一応定義は12~19歳とのこと。ふむ。本書の物語は、ファンタジーと冒険紀行とSF風味の少年主人公の物語。ある疫病で、女性が死に絶えた町、少年はそこで最後に生まれたから、いつまで経っても最年少という設定から、いきなり町を出て地図のない旅をすることに。やはり少女の登場は大事。
読了日:9月5日 著者:パトリック・ネス

読書メーター

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by kotodomo | 2012-10-03 19:52 | 読書メーター
2012年 09月 03日

2012年8月に読んだ本のことども

8月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3754ページ
ナイス数:130ナイス

餓鬼道巡行餓鬼道巡行
〇町田康の作品には、町田ファンでなくても楽しめるものと、町田ファンだから楽しめるものと、町田ファンでも楽しめない作品と大きく3つにわけることができるが、本書は真ん中のやつ。別の言い方すると、町田ファンじゃない読者は、多分楽しめないでしょう。評者はファンなので、中々楽しめたけど、少し冗長な部分が無きにしも非ず。思弁的な町田節健在で、物語としては結局何も進まず、主人公のダダ漏れの思弁が、ただただ脳天気にグルグルと廻るばかり。中身は説明もつかないが、主人公がメシについて、あれこれ思弁するといえばいいのかな???
読了日:08月31日 著者:町田 康
検死審問ふたたび (創元推理文庫)検死審問ふたたび (創元推理文庫)
◎やはり、この作家の作品は面白い。ある物書きが焼死。果たして、自殺か事故か他殺かってな感じで検死審問が行われる。そこで証言する、なんとものんびりした人物たち。ミステリー的には、真相が後出しジャンケンみたいな形で提示されるのだが(最初で推理しても到底無理)、その後出しの内容がユーモラスで心地よいのである。1942年の作品なんだけど、現代でも問題なく通用するユーモアミステリーなのである。はっきり言って、登場人物たちはみんな馬鹿馬鹿しいのだけど、愛嬌があって憎めない人たちばかりなのである。暇な一日文庫を楽しめ!
読了日:08月28日 著者:パーシヴァル ワイルド
叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)
▲2011年版このミス3位。世界を取材するジャーナリストが主人公のミステリー。なぜ、世界が舞台かというと、読者の日常じゃない設定じゃないと成り立たない蓋然性を論拠とするから・・・ということで、こういう種明かしものは、評者の年齢的にはもう向いていないのかも。トリック以外に読ませる物語がないとどうも飽き飽きなのである。ただ、冒頭の「砂漠を走る船の道」には騙されました。いわゆる〇〇トリックというやつで、子供でも人を殺すことはあるんじゃないのと思って読んでいたら・・・驚愕ではないのだけど、ああそういうことかと。
読了日:08月19日 著者:梓崎 優
にぎやかな天地 上にぎやかな天地 上
〇上巻では、意外に発酵食品を掘り下げることはなく、どちらかと言えば、発酵食品を題材に扱ったというより、阪神淡路大震災へのレクイエムのほうが強いかな。あと、この作者の本をまだ多くは読んでいないのだが、主人公が意外に優柔不断で人間らしい描かれ方をしていることに気付く。誰にも迷いはあるわけで、この作者はそういった逡巡もしっかり描きこんでいるといえるのじゃないかな。美食、謎の造本、親や祖母の秘密、いろんなことがてんこ盛りで、まさしく賑やかなんだけど、結局、題名のにぎやかの意味には触れずに下巻へ。発酵の賑やかさ?
読了日:08月15日 著者:宮本 輝
花のさくら通り花のさくら通り
▲最近の荻原浩、ちょっと冗漫で合わなくなって避けていたのだが、あの小鳩組の続編で、評価を見ると「早苗が可愛い」というので読んでみたが・・・未読の方。早苗は出てこないも一緒です。だから早苗には期待しないように。早苗が出てくるまで我慢して読もうって頑張っていたら、最後にちょこっと。でも、あれですなあ。その昔、小鳩組を読んだとき、自分の娘たち小さかったけど、本書ではまだ早苗8歳で、自分の娘たちは随分と大きくなってしまって隔世の感ありですね。小さな娘を持つ父親の気持ちで読めていたのが、そんな頃もあったに変化したよ
読了日:08月15日 著者:荻原 浩
神様のカルテ神様のカルテ
◎本屋大賞の2位には首肯。読みやすく、筋立ての姿勢がよい。なるほど、書店員が薦めたくなるわけだ。ただ、中身についての情報を全く知らなかったので、まずコミカルな文章であることにビックリ。それと、なんというか、重篤な病に侵されながらも、最後はどこか救いのある物語なんだろうなあと予想していたのだが、そんな話ではなかった(笑)。だって、題名がさあ。ひとつ気になったのが、作者が二日の出張期間を、数日と表現しているところ。現代語としては使用可能だけど、不特定多数を相手にする文章なら、ちょっと単位としては不可かなあ。
読了日:08月12日 著者:夏川 草介
将棋の子将棋の子
◎◎「聖の青春」に続いて10年ぶりの再読。奨励会を退会せざるを得なかった男の、その後の軌跡を辿るノンフィクション。しかし、羽生たちの世代と重なった、将棋の普通の天才たちは、本当に可哀そうな時代に遭遇したわけで、羽生が10勝すれば誰かが10敗を負うわけで、先崎が10勝すれば誰かが・・・。将棋の天才たちも、奨励会を退会すれば、社会人としては普通以下。バイト、転職、借金、放浪・・・。将棋を知らなくても胸を打つ世界。それを作者が透明な筆致で綴る。沁みる物語がここにある。読むべし、読むべしの一冊である。読むべし!
読了日:08月10日 著者:大崎 善生
ダブルトーンダブルトーン
▲時空トラベル物は、結局のところ主人公の視点からはデュアルワールドだし、その他大勢からしたらパラレルワールドなわけで、その主人公が時空の異なる人物のどちらの意識にも同化できるとなると、最終的にデュアルもパラレルも成り立たず、パラドックスが生じて、本書のような着地になり、読者は、その読後の立ち位置に違和感を感じざるを得ないのである。そういう意味で、作者ももう少し構成を練るべきだったかな。朝目覚めると、既婚子持ちの裕美か、独身貴族の由巳のどちらかの意識下にある主人公。二つのデュアルパラレルワールドで起こるお話
読了日:08月08日 著者:梶尾 真治
クエーサーと13番目の柱クエーサーと13番目の柱
▲自分が初めて読んだ阿部作品『インディヴィジュアル・プロジェクション』の頃と比較したとき、作風も変わってきているし、何より世の中が変わってきているわけで、当時のモチーフはサリンだ拉致だなんてアナログだったのだけど、今回の作品はスマホにヴォーカロイド、またスレッドによるリアルな進行なんて、当時では考えられなかった小道具が作り上げるオタクな世界なのである。パパラッチに追いかけられたプリンセスを下敷きに、私的芸能情報収集に萌える金持ちオタクと、それに雇われる主人公たちの一部始終。結局、最後まで入り込めなかった感
読了日:08月07日 著者:阿部 和重
夜の国のクーパー夜の国のクーパー
△長過ぎて、結局中身がない。まあ寓話というものは、えてしてそういうものなんだろうけど、とにかく、読書中が退屈で、ついPCを触ったり、つい飲み物を用意したりと、頁を繰る手が止まらないいつもの伊坂作品とはまったく逆の行動をとってしまうのである。とにかく最後まで話が展開せず、伏線を上手に置いているのを読まされているのかな?なんて思っていたら、意外に伏線の数なんて少なく、なんざんしょ?ただ、あとがきで『同時代ゲーム』に触れているのは嬉しかったかな。自分は大江作品はあまり読んでいないが、伊坂に影響を与えたんだなあと
読了日:08月07日 著者:伊坂 幸太郎
ひらいてひらいて
〇綿矢りさ姫の作品の中では、随分と黒い。形而上的な作品は他にもあるけれど、結構突き抜けていたり、描写に程よさがあり、黒さは感じない中で、本書は黒い。主人公の女子高生の清楚な感じの淡い恋心の抱き初めし書き出しから始まるのだが、ノアール的な狂気を孕みながら、好きな彼氏を、彼氏と付き合っている同級生を、破壊しようとしていくのは、これ黒いのである。微笑と嘘の愛情を滲ませ、自分の悪気を止められない、一言で転落物とも片付けられない不純な物語。まるで作者が、最近、黒い嶽本野ばら読みました、影響されました、そんな感じの黒
読了日:08月03日 著者:綿矢 りさ
英雄はそこにいる英雄はそこにいる
○島田雅彦には珍しい現代エンタメ小説。それぞれ別件とみられていた未解決事件。その裏側には共通の目的があり、そしてその犯人のDNAは現代日本人にはありえないような種類であった!なんて、大風呂敷を広げて、それが物語の本筋に関係ないのが可笑しい。広げた風呂敷を畳めない、前半の設定だけわくわくさせる本宮ひろ志みたいな感じ。あと人の心の向こう側を読める少年も探偵役の一人。これも設定としては面白いのだが、話の辻褄を合わせるための役目でしかないのが可笑しい。でも、このミス的読者に読ませれば、ランクインもおかしくない作品
読了日:08月03日 著者:島田 雅彦

2012年8月の読書メーターまとめ詳細
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by kotodomo | 2012-09-03 18:24 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2012年 08月 01日

2012年7月に読んだ本のことども

7月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:4835ページ
ナイス数:109ナイス

聖の青春聖の青春
◎◎10年ぶりの再読。二十歳になった村山が麻雀をしている師匠森のところに来る。ニコニコしながら「僕今日二十歳になったんです」「そうか、よかったな。大っぴらに酒も飲めるな」・・・違うのである。いつ死ぬのか、10代で死ぬのかと思っていた自分が20年目の誕生日を迎えることができるとは思っていなかったので嬉しかったのである。当時読んだときは、非の打ちどころがないノンフィクションだと思ったもんだが、今読むと不必要なエピソードなんかもあって、大崎文章もまだ若い。村山が最強だった頃、羽生対村山対谷川、最高だったろうなあ
読了日:07月31日 著者:大崎 善生
竹島竹島
△もう少し賢い文章を期待していたのだが、ちょっと軽過ぎ。日本、韓国の領有権に影響を与えかねない古文書・・・これの内容に、その存在に、右往左往する日韓中の関係者。その三者間を主人公の悪巧みな駆け引きが。なんか面白そうな設定だけど、結局は最初から最後までドタバタドタバタ・・・読んでいてシラケるぞ。ただ「領土とは言葉だ」というのは、納得。個人の土地と違って法務局に届けるわけではなく、じゃあ日本の領土の定義とは何ぞや?というと、ここからここまで日本だからねと言い、他の国がいいんじゃないのといえば領土なのである。
読了日:07月29日 著者:門井 慶喜
死命死命
◎間違いなく今年のこのミスにランクインしてくるんだけど、リーダビリィティ以外は取り立てて起伏のない普通のお話である。連続殺人鬼が記憶障害を抱えていて、殺人鬼、それを追う刑事とも末期がんで果たして最後の頁まで生きていられるかって設定だけで、最初から最後までである。それなりに上手に描いているとは思いながら、全体は上手ではない。だから、このミス1位かもと思っても、これ面白いよと人には薦めない。なんか、ダイナミックさがないだよね。凄腕のデイトレイダー=大金持ち止まりみたいな設定とか。施設の沙織ちゃんは出演のみとか
読了日:07月22日 著者:薬丸 岳
屋上ミサイル〜謎のメッセージ (『このミス』大賞シリーズ)屋上ミサイル〜謎のメッセージ (『このミス』大賞シリーズ)
×前作がグリグリの◎◎評価で、再読したら尚更評価度アップであったため、本書の×評価は残念至極。要因は、登場人物たちは一緒だが、まったくテイストの違う小説だったから。前作で見られた、粋な言葉遊びはほとんどなく、前半のガールズトークで進む展開にはうんざり。結局、暗号という謎解きに徹しているのだが、暗号で伝える必要の必然性は皆無だし、順調に暗号を解くのはいいが、普通ならそこに暗号が存在することも気付かない細い線の綱渡りで、蓋然性に乏しいのである。最後の50頁は1頁を10秒で読み進めた。ただ、もう読み終えたくて。
読了日:07月22日 著者:山下 貴光
ダンス・ダンス・ダンス(下)ダンス・ダンス・ダンス(下)
◎◎8年ぶりの再読で、内容も覚えていなくても、キーワードはハワイ?と思っていたらそうでした。上巻では札幌、下巻ではハワイ、主人公の流浪的冒険譚。再読して思ったけど、やっぱ村上春樹の代表作は本書に決定!自分も含め多くのファンが『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』が代表作というのだけれど、やはり万人受けする本書のほうが、上位!『1Q84』や『ねじまき鳥』なんて足元にも及ばない面白さ。村上作品には珍しく、「痛快」なのである。キキや五反田君やメイは可哀そうなんだけど、主人公の思考回路に快哉!やれやれ。
読了日:07月21日 著者:村上 春樹
ラブ・ケミストリーラブ・ケミストリー
×元々はこのミス大賞読者だった評者なのだが、最近はとんと。で、何かの拍子に本書の口コミを見て、こんだけみんなが面白いというのだから面白いのだろうと思って読むはじめたのだが・・・個人的には全然ダメでした。ラノベ自体は敬遠しないが多くの場合肌に合わないし、結局、どこがエンタメでミステリーだったのか。まあ、大賞ではなく優秀賞とはいっても、このレベルではなあ。東山彰良やハセベバクシンオーのあの高いレベルの時代が懐かしい。ええと、お話は、大学の研究生が、初恋に落ちる話。恋の成就までの過程と、研究との両天秤のお話。
読了日:07月21日 著者:喜多 喜久
短篇五芒星短篇五芒星
◎単行本を読んだわけではなく、図書館のロビーで群像3月号に収録されているやつを読んだわけで、勢いで新潮8月号の舞城作品「美味しいシャワーヘッド」も読んだぞ。舞城も芥川直木の両面の貌を持つ作家で、本作はやはり芥川側。爆発暴走を抑え込んで描いているわけで、そんなことはかねてからの読者にはわかるのだが、本作で芥川賞を獲っても新しい読者にはわからないわけで、やっぱどこかで直木賞のほうで獲ってもらってもいいのかなとも思うのである。どの作品も直截的ではない死が内包されていて、それでいて滑るような口語に近い言葉の操り。
読了日:07月21日 著者:舞城 王太郎
パラダイス・ロストパラダイス・ロスト
〇シリーズ1作目の「ジョーカー・ゲーム」が諜報活動の矜持を描いた傑作だっただけに、2作目、本書3作目と、自分にとっては、どこか今一つなのである。あと、主人公は基本的にD機関の一員でないとというのも個人的な嗜好で、そういう意味では本書の連作短編の中では「暗号名ケルベロス」だけが、該当する。この中でクロスワードが出てくるのだが、犬のポメラニアンがバルト海地方の地名由来だと初めて知ったぞ、どうでもいいけど。「失楽園」の主人公彼女の行動や考えは、全然わからなかったなあ。まあ、なんだかんだ言って4が出たら多分読む。
読了日:07月16日 著者:柳 広司
屋上ミサイル (このミス大賞受賞作)屋上ミサイル (このミス大賞受賞作)
◎◎「2」を読む前に再読。こうやって、冷静に読み返すと、このミス大賞受賞作の中で、ダントツに面白いんじゃないかい。バチスタも超えていると思うよ。キャラの造形も細かく最高。近藤さんもそうだけど、脇役のお父さんやお母さんまで、しっかり作られているし。前回読んでから2年経たずの再読でも、面白いものは面白いわけで、つまり粗筋や展開に頼らない場面の作りっていうのが相当にしっかりしている証左なのだ。なんて書いていたら、ロンドン五輪に備えて、イギリスでは屋上にミサイルを配備しているとのニュースが。あそこはテロ多いからな
読了日:07月15日 著者:山下 貴光
言語小説集言語小説集
〇読んだからといって、毒にも薬にもならないような言葉遊び短編集。薬にはならないが、クスリと思わせるようなユーモア短編集ともいえる。凄いなあと思うのは「括弧の恋」ワープロ(PC)のキーボードのキーが、言い争いをするという、なんとも奇想天外なお話で、「!」や、「→」や、「?」や、「【」がお互いの立場から主張するなんて、なかなかに面白いのである。あと言語学者が相手の言葉の端々を聞いて「お宅、東京は〇〇町界隈の出身・・・」なんて言いあてるのは、県民ショーのバーのマスターのようで、これも面白いのである。1時間で読了
読了日:07月15日 著者:井上 ひさし
ダンス・ダンス・ダンス(上)ダンス・ダンス・ダンス(上)
◎◎2004年に読んだ本を8年ぶりに再読。なぜかって?自分の過去の書評を見たら(そうなのだ。自分は書評を書いているのだ)、村上春樹の文体小説として最高と書いてあったから。それと昼休みの45分間の読書に「1Q84」を読んでいたら、お昼の間、頭が村上春樹だったから。中身はすっかり忘れていた。彼女、父親、横浜、旅行・・・そんなキーワードが残っていたけど、ちょっと違ったな。彼女が少女だったり、横浜じゃなく辻堂だったり。でも、間違いなく面白い。次は下巻。下巻終わったらどうしよう。『羊をめぐる冒険』に遡ってみようか。
読了日:07月09日 著者:村上 春樹
灰色の季節をこえて灰色の季節をこえて
◎1666年の英国の田舎を襲った疫病の顛末を、主人公女性の目を通して描かれただけの小説なのだが、小説とは何か、小説にできることは何か、そして作家という役割は何かを考えさせてくれる良書である。簡単に言えば、こんな題材で書いてもベストセラーになるわけではなく、作家とはベストセラーとは無縁な、業としての宿命を全うすべき存在なのである。常人が紡げない物語を紡ぎ、常人が繋げない物語を繋げるのである。主人公と牧師とその妻の宿命の物語。人間の強さと弱さと狂気と歓喜の物語。そして最後におまけの物語。良書読むべし読書人よ。
読了日:07月08日 著者:ジェラルディン・ブルックス
アイ・コレクター (ハヤカワ・ミステリ 1858)アイ・コレクター (ハヤカワ・ミステリ 1858)
◎多分、このミス2013年版1位でしょう。ノンブルが逆に(最終頁に向けてカウントダウン)なっていたりなんていう奇を衒った方法を措いておいても、途中からの頁を繰る手が止まらない展開の速さに、読者はいったい最後はどうなるの?本当にパズルはぴたりとハマってくれるの?実は主人公が夢遊病者で犯人だったんだぜぇ、ワイルドだぜぇ、そんなインチキじゃあないの?そんな風に思わせておいて、それなりに着地するあたりはさすがなのである。でも、ノンブルが逆になっているのも困りもの。読んできた頁数がわかりにくいのは、少し困るのだなあ
読了日:07月07日 著者:セバスチャン・フィツェック
一分間だけ一分間だけ
◎やっぱり泣いちゃいました。飼い犬が死ぬお話というのはわかっていても、やっぱり泣いちゃいました。動物が好きってわけでもなく、犬が好きっ手わけでもなくても泣いちゃいますね。意外に飼い犬との交流の描写は少なく、主人公女性の職場、恋愛、そんなものが、物語の骨子として展開していくのだけど、結局は犬で泣いちゃうんだよねえ。しかし、あれだね、コワモテと思っていた登場人物が、意外な内面を持っていたりすると、物語に膨らみがでてきますね。カッコいいなあ、北條女史。会議終わらせるんだもん。こういう人に付いていきたいもんだなあ
読了日:07月01日 著者:原田 マハ
週末は家族週末は家族
〇形式夫婦と、疑似娘の3人チーム、お互いに仲睦まじい部分や、特異なキャラの設定など、根本的な部分は凄くワクワクするのだが、全体の展開はイマイチ突き抜けられなかった感じ。特に、11歳の少女ひなたの、ませた、キャラと、パパ役大輔の理屈を捏ねまわす少年みたいなキャラが魅力的なので、展開自体がもう少しカッチリとなれば傑作になったような気がするのだが。施設の少女を週末だけ里親として引き取る・・・だから週末は家族で、週中は家族じゃないみたいな題名と設定。妻役、夫役、娘役、3人の視点から語られる物語は、どこか暖かいのだ
読了日:07月01日 著者:桂 望実

2012年7月の読書メーターまとめ詳細
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by kotodomo | 2012-08-01 17:12 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)
2012年 07月 01日

2012年6月に読んだ本のことども

6月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:4626ページ
ナイス数:146ナイス

川三部作 泥の河・螢川・道頓堀川 (ちくま文庫)川三部作 泥の河・螢川・道頓堀川 (ちくま文庫)
◎◎宮本輝の原点というより、小説の原点がここにありって感じの小説、川三部作。いや、全然別個の小説で、独立し、部分ではないので、三部作とは言い難いが作者も三部作と言っているのだから、まあいいか。個人的には「泥の川」のガヤガヤとした熱気が好きなのだけど、「蛍の川」の青年期的な青臭さも好きだし、「道頓堀川」の一人ひとりの個性の描き方も巧いなあと唸らされるし、とにかく良い読書のための良い小説たちなんだな。ただただ小説で在り続けるための小説たち。ミステリも意外性もサスペンスも何もなくても、小説は小説であることの見本
読了日:06月30日 著者:宮本 輝
ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
〇それなりに面白いのだが、主人公の「本の読めない体質」っていうのには、かなり無理があるし、連作短編の最初の2編も、物語の構造的に随分と無理があって、とにかく安楽椅子探偵を構築しようとする著者があがいた作品のような感じがする。でも論理学入門は、シンプルではあるが、キャラが立った佳作だし、晩年で色んな伏線を収斂させるやり方は中々に面白い。確か実家にあった太宰の晩年。文庫本だけど、今度読み返してみましょう。あと、自分でも感じていた、新潮文庫にだけ、紐の栞=スピンが付いているのは、やはり今では新潮文庫だけなんだ。
読了日:06月24日 著者:三上 延
キネマの神様キネマの神様
◎普段映画は観ないのだが、本書を読むとやはり映画を観たいななんて思うわけで、「フィールド・オブ・ドリームス」なんかは、まだ色々と映画を観ていた若い時期に観たわけで、何気なくシーンを憶えていて、そうしたら、本書に出てくるその他の映画も観たくなってくるわけだ。まあ、どういう話かっていうと、映画に関わるお仕事の女性主人公。映画キチガイだけどギャンブル狂いのその父親。そんな二人の関係に、ベタな周りのドラマが動き始め、そして結末もなんとなくベタなんだけど、やはり巧い作家が描くと面白いのである。題名はベタ過ぎるけど。
読了日:06月22日 著者:原田 マハ
日本全国津々うりゃうりゃ日本全国津々うりゃうりゃ
◎毎度お馴染みの脱力系エッセイ。今回は日本の迷所廻り。初っ端の名古屋編を読んだときには、笑いどころもなく、ただふざけた文章を読むだけの退屈さに放り投げようかとも思ったが、次の秋山郷を読んでオモロ。結局全体にオモロイ旅エッセイでした。笑かせるだけなので、特にその場所に行きたいとは思わないのだが、唯一行ってみたいなと思ったのが、しまなみ海道。瀬戸内の満潮干潮が作りだす海の流れの妙。観てみたいものである。テレメンテイコ女史にも会いたいものである。しかし、この作者を読んだことのない読者だったら初読には向かないか。
読了日:06月22日 著者:宮田 珠己
花々花々
〇「カフーを待ちわびて」の他人主人公サイドストーリー。明青も幸もカフーも名前は出てくるが・・・ただねえ、傑作は傑作だけで終わらせたほうが良かったような気がするなあ。花をモチーフにした短編集で、それぞれに味わいはあるのだけど、カフーに寄るところも大きく、カフー未読の人にはどうなんだろう。そして、最後に語られるニュース。やっぱりいらないような気がするなあ。「千と一枚のハンカチ」・・千と一枚っていうのが、この作者の感性のウォーミングなところだろう。あと「鳳仙花」「ねむの花デイゴの花」「さがり花」「花だより」収録
読了日:06月17日 著者:原田 マハ
バイ貝バイ貝
◎◎ようやっと「きれぎれ」「夫婦茶碗」の町田康が帰ってきた感じで、日本語の操りも町田らしくキレがあり、最近の短編集のような手抜き感がない。じゃあ、どんだけ面白いのかというと、基本的には思弁的な男が家の中で野菜炒め作って写真を撮るだけ、要するにいつもの作品と同様、色々述べたけど結局は何もないよ、みたいな作品なので、まあ町田康初心者は、先述の二作あたりを読んで好悪を判断してから読みましょう。文章や言葉を舐めるように読んだが、それに耐えられる新しい日本語の表現のオンパレード。結局、題名の意味はわからなかったが。
読了日:06月17日 著者:町田 康
スナフキンの午睡スナフキンの午睡
〇ユートピア文学賞の佳作「愛しき日々」と翌年の入選作「りふれいん」という短編が2編と、そしてその後大賞を受賞した中編の表題作が収められた中短編集。この作家、最初の頃は、人情物を描いていたのですね。そして「スナフキンの午睡」でユーモア小説の作法が花開き、近著「雨宮経理課長の憂鬱」で炸裂したわけですね。しかし、これだけいい作品を描くのに、名前が売れていないのは、幸福の科学の文学賞で、幸福の科学出版だから?とにかく未読の方は、まず「雨宮経理課長の憂鬱」を読むべし。そして、今後の活躍に期待すべし!
読了日:06月16日 著者:麦生 郁
クリティカル進化(シンカー)論―「OL進化論」で学ぶ思考の技法クリティカル進化(シンカー)論―「OL進化論」で学ぶ思考の技法
◎◎道田泰司氏の「最強のクリィティカルシンキング・マップ」を入手。その前にと、10年ぶりくらいの再読。今あらためて読むと、中々難しいことが書いてあるし、それをわかりやすく伝えているのもわかるし、秋月りすがほとんど描き下ろしをしていないこともわかった(笑)。論理は非常にわかりやすく、でもそれをわかりやすいと支えているのは、やはり漫画の力かな。未読の方は是非読むべし。永続的な理論なので、色褪せないし、今後の思考方法の一助にもなる。
読了日:06月16日 著者:道田 泰司,宮元 博章,秋月 りす
地下の鳩地下の鳩
〇飲み屋街が題材なだけに、猥雑で切ない感じが拭えないが、まあわかったことは西加奈子は巧いということ。あのチーフ。生真面目で結局辞めちゃったけど、話の本筋には全くと言っていいほど影響力を持たないキャラの配置に技量が伺える。表題作と「タイムカプセル」という中編が2本収められた本書。2作品ともに舞台や登場人物が重なり、どこか頽廃的な生活を送っている人々を描いた文芸作品で、評価云々ではなく、西加奈子の本を図書館で見かけたら、とにかく借りるし、面白くないときは返せばいいわけで、評者はそのくらいには著者のファンである
読了日:06月14日 著者:西 加奈子
花のようする (一般書)花のようする (一般書)
◎久々の藤谷治による安定感のあるそこはか恋愛小説。色んな小説描いて、時々大外れを出す作家だけど、今回は安定度抜群。それなりに世の中がわかっている男女の恋愛なので、ハラハラもドギマギもしないところが、安心して読めるところ。投資世界の寵児と、若き時代は過ぎても、今でも安定して女優業を続けている二人の、出逢いから今まで。少し不思議な世界(予言的な力や夢の中のセールスマン)も織り交ぜて、少し人生哲学も織り交ぜて、結局のところ普通に楽しめる恋愛小説の出来上がりといったところ。最後は、バラと昔の映画のオンパレで終了。
読了日:06月14日 著者:藤谷治
田中慎弥の掌劇場田中慎弥の掌劇場
◎◎ほとんどの作品が3頁という、文芸の真剣勝負というしかない掌品集。雰囲気で読ませるもの、ちゃんとしたオチのあるもの、ニヤリとさせるもの、色んなタイプの作品が収められているが、共通して言えるのはどれも手抜きがなく、一つの言葉、一つの文章、一つの表現が全て大事に描かれている。「男たち」には笑ったし、後書きを読んで「怪物」が東日本大震災を扱った作品とわかったときには、唸るしかなかった。初めての田中慎弥。中々、ユーモア、想像力に溢れていることを知ったわけで、こりゃあ、デビュー作から読もうと思うのである。読むべし
読了日:06月12日 著者:田中 慎弥
公共事業が日本を救う (文春新書)公共事業が日本を救う (文春新書)
▲著者の講演をたまたま聴いて、主張の正当性は別にして、その斬って捨てるような主張に興味を持ったので読んでみたのだが・・・結局、傍証ばかりで、「公共事業が日本を救う」という主張が届かない。公共工事批判の批判までは理解できるのだが、どういう風に救うのかは、今一つ説得力がない。まあ、公共工事が救うかどうかは別にして、ITとか革新産業にお金を投じても末端は潤わず、やはり単純労働、肉体労働、そんなところにお金を落とさないと隅々までお金は行き渡らないので、公共工事は必要だが、それがコンクリートである必要はないと思う。
読了日:06月07日 著者:藤井 聡
あんぽん 孫正義伝あんぽん 孫正義伝
△著者の佐野眞一の「俺の孫正義伝は他の孫正義伝とは一味も二味も違うぜ」という趣向が鼻についてしょうがない。孫を取り巻く先祖家族、生まれ育った鳥栖時代など、溝を深く掘り下げてはいるが、読者が読みたいのは孫正義という生きざまであって、特に評者のように時代の寵児にナチュラルに臨む者にとって、本書は汲むところがない。結局、偉業なのかどうかの検証もされないし、存在の意義を掘り下げない。著者が、伝記の人物に迎合しない姿勢は悪くはないと思うが、読者の期待には迎合してほしいものである。東日本大震災への貢献まで描かれた近著
読了日:06月07日 著者:佐野 眞一
雨宮経理課長の憂鬱雨宮経理課長の憂鬱
◎◎滅茶苦茶面白い!2010年幸福の科学ユートピア文学賞特別賞受賞作。はっきり言って完璧な、完全無欠なユーモア小説。小物だけど、口だけは大物の雨宮経理課長のキャラも抜群。最初は鼻につく小物ぶりが、物語の最後には本当は大物なんじゃないのなんて思えてくるから不思議。その課長の部下の女性社員が主人公。気は強いけど、最後は結局他人に譲るような彼女のキャラも、婚活キャピキャピ娘も、新たに配属されてきたスーパーサラリーマンも、とにかく全てのキャラが立ちまくり。頁を繰る手が止まらないとは、この物語に相応しい。読むべし!
読了日:06月06日 著者:麦生 郁
仙台ぐらし仙台ぐらし
◎◎毎日を楽しく考え、心配性の自分を憂えるエッセイ集。「タクシーが多すぎる」などは、まるで永六輔が「タクシードライバー名語録」を編纂したような面白さ。後半は、仙台に住む著者が描いた、震災に思うことと、それを題材にした掌編。読みながら思ったのだけど、今描かれている多くの震災関係のフィクションやノンフィクションは、後世、読まれるには堪えられないんじゃないかな?ということ。今の日本人全員が体感したから、説明抜きで構成できるわけで、30年後、30歳の読者が読んでも地震のことは知っていても、描写がピンとこないかも。
読了日:06月03日 著者:伊坂 幸太郎
カフーを待ちわびて (宝島社文庫)カフーを待ちわびて (宝島社文庫)
◎◎「第一回日本ラブストーリー大賞」受賞作。いやあ、ハートウォーミングでワクワクする展開に読書中温かい涙もチラリの中年評者。シーンがいいんだよね。あのシーン、このシーン、切り撮れるようなシーンが。南の島で何気なく生活しているいい歳こいた主人公のところへ、今日からお世話になりますと白いワンピースの女性が転がり込んでくる・・・中年男性読者にはたまらない設定から入るも、そこにある人々の機微の描写が秀逸なのだなあ。カフーとは、果報、幸の意味。そして主人公の飼う犬の名前・・・いやあ、いい小説を読ませていただきました
読了日:06月02日 著者:原田 マハ
カッコウの卵は誰のものカッコウの卵は誰のもの
△ミステリーではない。ベタな推理小説である。まるで、二時間ドラマのようなベタな設定のオンパレード作品なのである。多分、このミスに応募しても選考で落とされるだろうなあ(笑)。まあ東野君もそんなの覚悟で、一応自分が題材にしたものを詰め込んでみたかったのだろう。赤ちゃん誘拐、実の親子じゃないことが判明、隠された病名・・・結局、理解不能なことも多かったし。死んだ母親の自殺の心的理由や、建設親子の考えや行動・・・真相を相手に見せられた写真で気付く手法なんて、古いなあ。松本清張か宮部みゆきしか使わないと思っていたけど
読了日:06月02日 著者:東野 圭吾

2012年6月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

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by kotodomo | 2012-07-01 09:43 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)