「本のことども」by聖月

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2006年 12月 30日

旅の荷物のことども


今夕、羽田から鹿児島へ。

二重生活中なので、荷物に洋服のたぐいは一切なし。

PCと鹿児島で読むかもしれない本のみの旅路。

今回は駿府で読み終わらなかった『邪魅の雫』京極本と海道尊本2冊、
&『風の影』文庫本2冊の重さの鞄なのです。

それにしても『邪魅の雫』・・・読んでたら眠くなってくるら。
夕べも読み始めて15分でダウンだったら。
もうトシなんだよなあ。
トシを感じた1年だったなあ。

でも6キロ瘠せたし(^^)vそういう一年でした。
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by kotodomo | 2006-12-30 10:00 | メモる | Trackback | Comments(0)
2006年 12月 29日

嬉しい年明けの家族のことども


明日、鹿児島に帰るのだが・・・

昨日嫁さんからメールが・・・なんでも1月の20日過ぎにディズニー1泊2日の予定らしい。
そのまま駿府に足をのばし、駿府の我が家に2泊3日・・・っていうか、中日一日くらいしか、
一緒に遊びに行けそうにないんだけど。嫁さんと娘二人とね・・・それにお義母さんも。

どこに行こうかしら?
調べたらぐりんぱあたりいいかも。
富士の裾野の遊園地。ソリやスケートもあるし。
南国育ちだからいいかもね(^^)vまあ、鹿児島も雪は積もるんだけどさ。

まあ、明日の最終便で鹿児島へ帰って、予定はのんびり話し合おう。

え?聖月様の正月の風景はどんなって?

去年は大晦日、パチンコに行って買ったなあ(^_^)
元旦は、朝から飲むことなどしないで10時にパチンコ屋まで嫁さんに送ってもらったなあ(^_^)

実に自由な年末年始の聖月様の家庭風景・・・
年越しはケンタッキーでも食らおうかしらん。
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by kotodomo | 2006-12-29 12:44 | メモる | Trackback(1) | Comments(0)
2006年 12月 28日

今年の読了本


『金春屋ゴメス』に始まり、『夜市』が74冊目。プラス年内に『邪魅の雫』読了予定。

今年から駿府に住み、仕事環境が変わって、読了数半減なのだなあ。

以下の中から、今更人が薦めない、聖月様のお薦め本をピックアップしとこうかな。

『女刑事の死』ロストマ、『夏への扉』ハインライン、『遮断』古処誠二、『男殺しのロニー』レイ・シャノンと言ったところか。

そういえば、今年は職場で聖月様のお薦め本が大ブレーク。
特に評判がよかったのが、伊坂作品。続いて大崎作品『パイロットフィッシュ』『アジアンタムブルー』。最近仕入れた町田康『告白』も評判呼びそう。

自分は読めなかったけど、読書の喜びの輪を広げられた一年でした。

書評No686   ○「夜市」 恒川光太郎
書評No685   ○「独白するユニバーサル横メルカトル」 平山夢明
書評No684   ○「ヒステリック・サバイバー」 深町秋生
書評No683   ○「テースト・オブ・苦虫3」 町田康
書評No682   ◎「真実真正日記」 町田康
書評No681 ◎◎「彼女について知ることのすべて」 佐藤正午

書評No680   ○「SPEEDBOY!」 舞城王太郎
書評No679 ◎◎「禿鷹狩り-禿鷹Ⅳ」 逢坂剛
書評No678 ◎◎「偽りの目撃者」 ハーラン・コーベン
書評No677 ◎◎「もしも私があなただったら」 白石一文
書評No676 ◎◎「カップルズ」 佐藤正午
書評No675   ◎「県庁の星」 桂望実
書評No674   ◎「新しい医療とは何か」 永田勝太郎
書評No673   ○「銃とチョコレート」 乙一
書評No672   ▲「ボトルネック」 米澤穂信
書評No671   ○「真夜中のマーチ」 奥田英朗

書評No670   ◎「虚人魁人康芳夫」 康芳夫
書評No669   ◎「クローズド・ノート」 雫井脩介
書評No668   ▲「溺れる人魚」 島田荘司
書評No667   ◎「優しい子よ」 大崎善生
書評No666 ◎◎「絲的メイソウ」 絲山秋子
書評No665 ◎◎「女刑事の死」 ロス・トーマス
書評No664   ◎「きいろいゾウ」 西加奈子
書評No663 ◎◎「夕子ちゃんの近道」 長嶋有
書評No662   ◎「ビッグタイム」 ハセベバクシンオー
書評No661   ▲「帝都衛星軌道」 島田荘司

書評No660   ▲「押入れのちよ」 荻原浩
書評No659   ○「柳生雨月抄」 荒山徹
書評No658 ◎◎「ダブルアップ」 ハセベバクシンオー
書評No657   ◎「陽気なギャングの日常と襲撃」 伊坂幸太郎
書評No656   ◎「いかさま師」 柳原慧
書評No655   ◎「竹千代を盗め」 岩井三四二
書評No654 ◎◎「イレギュラー」 三羽省吾
書評No653 ◎◎「町長選挙」 奥田英朗
書評No652 ◎◎「テースト・オブ・苦虫2」 町田康
書評No651   △「ルート350」 古川日出男

書評No650   ◎「プラスティック・ソウル」 阿部和重
書評No649   ○「スパイ大作戦」 室積光
書評No648   ○「永遠の仔」上下 天童荒太
書評No647   △「キッチン」 吉本ばなな
書評No646   ▲「重金属青年団」 花村萬月
書評No645 ◎◎「夏への扉」 ロバート・A・ハインライン
書評No644   △「七回死んだ男」 西澤保彦
書評No643   ◎「クリスマスに少女は還る」 キャロル・オコンネル
書評No642   ◎「沖で待つ」 絲山秋子
書評No641   ◎「終末のフール」 伊坂幸太郎

書評No640   ◎「毒入りチョコレート事件」 アントニイ・バークリー
書評No639 ◎◎「コインロッカー・ベイビーズ」上下 村上龍
書評No638   ◎「試行錯誤」 アントニイ・バークリー
書評No637   ◎「ヒストリアン」ⅠⅡ エリザベス・コストヴァ
書評No636   ◎「空想自然科学入門-アシモフの科学エッセイ①」 アイザック・アシモフ
書評No635   ○「暗い日曜日」 朔立木
書評No634   ○「グランド・ミステリー」 奥泉光
書評No633   ◎「ジャンプ」 佐藤正午
書評No632   △「あの日にドライブ」 荻原浩
書評No631   ▲「亡命者 ザ・ジョーカー」 大沢在昌

書評No630   ○「ザ・ジョーカー」 大沢在昌
書評No629   ◎「ダックスフントのワープ」 藤原伊織
書評No628   ◎「正直じゃいけん」 町田康
書評No627 ◎◎「チーム・バチスタの栄光」 海堂尊
書評No626   ◎「スティル・ライフ」 池澤夏樹
書評No625 ◎◎「北緯四十三度の神話」 浅倉卓弥
書評No624   ◎「硝煙のトランザム」 ロブ・ライアン
書評No623   ○「ハダシのカッちゃん」 室積光
書評No622 ◎◎「遮断」 古処誠二
書評No621   ◎「クライム・マシン」 ジャック・リッチー

書評No620 ◎◎「男殺しのロニー」 レイ・シャノン
書評No619   ◎「エデンの命題」 島田荘司
書評No618   ×「摩天楼の怪人」 島田荘司
書評No617   ▲「G.I.B 聖なる死神の伝説」 沢井鯨
書評No616   ◎「彼岸先生」 島田雅彦
書評No615   ◎「さあ、気ちがいになりなさい」 フレドリック・ブラウン
書評No614 ◎◎「暗礁」 黒川博行
書評No613   ○「金春屋ゴメス」 西條奈加
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by kotodomo | 2006-12-28 14:29 | メモる | Trackback(2) | Comments(0)
2006年 12月 26日

〇「夜市」 恒川光太郎 角川書店 1260円 2005/10


 日本ホラー小説大賞受賞の表題作「夜市」と「風の古道」という、二つの中編(短編?)が収められている。この二つの物語、一見別々の作品ながら、物悲しいテーストとか、永久放浪者という共通の単語が出てきたりとか、相通ずるものがある。よくよく考えたとき、物語の基本構造は一緒で、日常の世界とそれと隣り合うパラレルなワールドとの関係性を描いた物語である。

 「夜市」密かに開かれる夜市。そこには、色々な不思議なものが売っている。売る側も人間の姿をしているものもあれば、妖怪のようなものもいる、どこか魑魅魍魎な不思議な世界。そこに向かう青年は、実は夜市はこれが二回目だという。はるか昔に迷い込んだ夜市で、彼が買いたいものとは・・・。そんなお話。

 「風の古道」家々の裏側を走る不思議な道。その道に迷い込んだ主人公少年と友人。最初は単なる隠れ道と思っていたものが、実は自分たちが暮らしていた世界とは違うルールで動いていることに気づき始める・・・少しRPGゲームを思わせる世界観。(20061224)

※と、実にコンパクトに書評をまとめてみた評者。今年は読めなかったなあ。本書が今年74冊目。昨年までは毎年140冊ペースだったのだが・・・今読んでいるのが『邪魅の雫』京極夏彦上下段800頁超だから、今年は75冊で打ち止めかな。(書評No686)

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by kotodomo | 2006-12-26 09:09 | 書評 | Trackback(2) | Comments(0)
2006年 12月 25日

〇「独白するユニバーサル横メルカトル」 平山夢明 光文社 1680円 2006/8


 評者の仕事の相棒は、実に地図がわからん男である。地図の見方がわからないとかそういうのではなくて、同行した際なんかに、東や西や右や左や上や下やなんかが滅茶苦茶で、デパートの外に出ようとして屋上に上がっちゃうし、初日の出を見ようと北北西に眼を凝らすし、とにかく体の中にGPS機能が全然存在しない輩なのである。

 そういうのが、そういう人が、不思議でならない評者。評者の場合、無意識に、ある地点を基点として方眼図上の大体どのあたりにいるのかというのを感じているわけで、そういう意味で移動しながら鳥瞰図(鳥の目から見た大まかな全体図)を無意識下に作成しているのである。ところが相棒のほうは、どうやら虫瞰図(虫の視点から見た映像)程度のものしか持っていないようなのである。叢の中を這う虫のようなもので、この風景は一度見たことがあるとか、あの看板は確かあったよなあ、そんな程度で、どこの角をどういう風に曲がったから今大体ここらへんみたいな感覚が全然ないのである。

 夏前に、駿府で乗っている会社の車がポンコツになった事件があって、相棒に断って(一応、評者の会社の社長なので)新車を調達したときも、乗るのは評者なのに、相棒がカーナビを付けろとうるさかったのは、多分自分が乗るときに地理がわからないからという理由に他ならず、結局評者は付けなかったのだけど、それは同様に駿府の地理に明るくない評者なのだが、最初で地図で大体の目的地の場所を確認した上で走るほうが安心感があるし、RPGの冒険のように、経験した行動範囲の地図がだんだんと広がってくるのが楽しいからなのである。

 大体、カーナビなんてものは勿体ない。ほとんど駿府の限られた地域しか乗らないのに、日本全国の地図が入ったCDだかDVDだか買わされるわけで、おまけにウソをついたり、目的地に到着していないのに案内を打ち切ったりと勝手極まりない輩で、女性の声で案内してくれるが実はあの機械には男性が入っているんだと疑っている評者なのである。

 要するに、評者のような人間にとっては、地図は有難いものなのである。その地図が主人公の、表題「独白するユニバーサル横メルカトル」。最初は、なんちゅう題名じゃい、と思ったものだが、読んでみると題名そのまんまなのである。メルカトル図法で描かれた地図が独白するお話なのである。

 自分の存在意義、構造を説きながら、カーナビを批判し、自分の持ち主であるタクシー運転手の従僕たらんとする意思を持ち、静かに静かに独り語っていくのである。構造と書いたが、地図にも専門的な構造があるようで、そこらへんの薀蓄も中々に面白い。

 しかし、本書は短編集。その他の作品が玉石混交で評者の評価は〇止まり。いや、別にグロが苦手なわけじゃない。所詮読み物なので、極度のグロも平気なほうなのだが、グロを排除したあとに残る物語自体に、あまり深味を感じなかったのが要因なのかな。

 例えば、キンタマを万力で潰したり、そんなのわからんという女性の方だったら、乳首をペンチで引きちぎったり、そういうことを想像しようとして想像もしたくないという読者には、本書のグロはちょっと深いからやめておいたほうがよいよ、と優しい評者は忠告しておこう。(20061223)

※本書を読んで初めて、2より大きな偶数は二つの素数の和であるという知識を得た評者。数学の雑学も詳しいつもりだったが、そんな簡単な雑学を仕入れていなかったとは・・・とほほ(書評No685)

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by kotodomo | 2006-12-25 10:55 | 書評 | Trackback | Comments(0)
2006年 12月 21日

勝手にクリスマスQ&A 別名自問自答

MIXIのほうでクリスマスバトンなるものがまわってきた。
バトンは嫌いだから誰にも回さないが、回答だけはしとくべ。

Q1今年のクリスマスは誰とどこで過ごしますか?
 
 12月24日のイブは実は結婚記念日で、嫁さん子供は鹿児島に置いたまま駿府に出稼ぎ中の身。連休なもんで、二日間読書して、夜は一人晩酌でしょう。
 といいながら、実は昨日29歳の女性とクリスマスは終了(^^)v
 プレゼント交換に、料理は豆腐コース。美味かったなあ。
b0037682_10122368.jpg

  
Q2昨年のクリスマスイブは、誰とどこで過ごしましたか?
 
 鹿児島の実家で家族と♪
  
Q3プレゼントを除くクリスマスの予算はどのくらいですか?
 
 料理が1万で、飲み代が8900円だった、夕べのことども。

Q4クリスマスプレゼントに掛ける予算はどのくらいですか?

 
 『そのときは彼によろしく』市川拓司 1575円だった。
 
Q5今までで一番思い出に残るクリスマスのプレゼントは?
b0037682_1020229.jpg 
 夕べもらった、機関車トーマスのひざ掛け(^^)v
 
Q6今までで一番最悪だったクリスマスの思い出は?
 
 聖月様に最悪なクリスマスなどあるはずがない!

Q7あなたにとって理想のクリスマスとは?
  
 毎年が理想通りなので・・・
           
Q8今年のクリスマスに向けての意気込みを一言どうぞ!
  
 もう終わった、夕べ。
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by kotodomo | 2006-12-21 10:22 | メモる | Trackback(1) | Comments(4)
2006年 12月 20日

年末年始の帰省のことども・・・今気づいた!


はい、年末年始は30日の最終便で鹿児島の家族のもとへ。
嫁さんと娘二人と仲良しこよしして、何の予定もなくゆっくりして、
1月8日に駿府へ舞い戻るってえな寸法で・・・

なんて、ことを書く目的は、薩摩の國でここを毎日覗いている勘九郎や
その他の身近な民に告知の意味があるわけで・・・

な~んて思ってカレンダーを今見ていたら・・・
な!なんと!今週末、23日土曜日は休みでねえか!
昔気づいていたが、最近忘れていたので、なんだかラッキーボーナスホリデイな感じ♪

つ!つ!ついでに思い出したあ!メールしなきゃあ!
24日はなんと結婚記念日でねえか!13周年。レース婚式!
なんだか競い合わなきゃいけないような婚式だけど・・・

今年の冬は毎年走っていた、菜の花マラソン都合があわなくてレース出れねんだよなあ。

では、関係者の方は年末年始、鹿児島の天文館あたりでお会いしましょう(^O^)/
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by kotodomo | 2006-12-20 11:46 | メモる | Trackback | Comments(0)
2006年 12月 19日

あの名作文庫化につき再掲 ◎◎「追憶のかけら」 貫井徳郎 1000円

1890円の単行本が1000円の文庫に・・・高いようだが、コストパフォーマンスを考えれば安い!
読むべし、読むべし、べし、べし、べし!!!

b0037682_21382285.jpg 傑作である。それも大傑作である。なぜ本書『追憶のかけら』が昨年2004年、もっと取り沙汰されて、ランキングなどの話題にならなかったのか不思議でならない。多分、評者が本書を昨年中に読んでいて、このミスなどのランキングに推すとしたら、間違いなく本書である。それだけ凄い傑作なのである。久しぶりに本物の小説を読んだという気にさせてくれる逸品であり、多分ミステリー&サスペンス&エンタメファンをも納得させてくれる匠の物語だと思う。

 本書を読みながら思い出したのが、◎『異邦の騎士』島田荘司や、◎◎『グロテスク』桐野夏生や、◎◎『白夜行』東野圭吾等の永遠の語り継がれるべき傑作群。本書も同様に語り継がれるべき傑作であり、『異邦の騎士』のノートに書かれたものや、『グロテスク』の中国人の独白のように、作中話の凝った作りが目を瞠るのが共通の特長でもある。作中話、それだけでも充分にひとつの物語として完成されたものが、単に小説全体の構成部分であること自体が、全体の完成度の高さを物語っているし、また、この二作以上に力量を見せつけてくれた『白夜行』を凌ぐとも劣らない著者の力技に感心し、そんなこんなで以上3作品を思いだ出したのである。

 大学で国文学を教える主人公の現状は、職場でもパッとしないし、妻を亡くした境遇に加え、幼い一人娘を亡妻の両親に預けたままにせざるを得ない環境にある。そんな主人公のもとに、50数年前に自殺した、ある無名の作家の未発掘の原稿が迷い込むところから物語は始まる。と、設定と出だしだけ紹介すると、凡百の作品と思われるかもしれないが、そこからが凄い。その掘り出し原稿、いわゆる作中話の中に、主人公と一緒に読者も引き込まれてしまい頁を繰る手が止まらなくなってしまうのである。主人公が“傑作だ!”と叫ぼうがどうしようが、それは作者の操りによるものでしかないのだが、主人公と同じ視点で読み出した読者もその物語の持つ力に捉われてしまうのである。まあイメージとしては、夏目漱石の傑作『こころ』が、単に物語を構成するための作中話に過ぎない存在として小説内小説として書かれているようなものかと言ったらちょっと言い過ぎだろうか。

 しかし、この原稿も小説全体の中盤あたりで終わってしまう。評者は読みながら、ええっ!もう終わり!もっと読みたかった!で、現在時点の主人公の物語に戻っちゃうの?残念!・・・と思ったのだが、ここからがまた凄い。その原稿の存在を中心にしたどこへ行くともわからない展開に、またまた頁を繰る手が止まらなくなる読者なのである。とにかく、読むべし、読むべし、べし、べし、べし。そう話題にならなかった大傑作を見逃すことなかれ!

 ということで、いつもと同じく大傑作だから、粗筋には今回も触れない。ただひとこと言うならば、本書を読んでの読後感は人それぞれあるけれども、多分、みんな日常の出来事で棘棘していた自分勝手な心から、素直な心に戻れるはず。そして、物語の後半では、愛するってなんだっけ?なんて、人それぞれ考えながら読んでしまうかもしれない。

 お茶の間で評者は言う。“じゃあ問題です。パパが一番好きな人は誰でしょう?”すると下の娘が“知ってるよ。あたしたちでしょ。あたしとオネエチャンでしょう♪”と何の臆面もなくすかさず言うのに驚きを覚えながらも、パパ評者は“ブッブー”。“じゃあ、ママ?”またしても、パパは“ブッブー”。横から嫁さんが“答えはパパよ。パパは自分が一番好きなのよ♪”そんな平和な会話がある我が家の、お互いの愛情の示し方は必要十分と思っていたが・・・。

 前回、鹿児島に帰省して東京へ戻るとき、嫁さんと娘二人が空港まで車で送ってくれるついでに、途中のファミレスで4人でお食事の予定だったのだが、下の娘が少し体調を崩してしまいお婆ちゃんとお留守番、結局、嫁さんと上の娘に送ってもらった評者なのである。4年生の上の娘は、最近では知恵も知識も正義感もついてきた上に、それが親としては少し鼻につくように感じてもいて、ちょっと問うても子供らしくない返答がかえってきたりするので、以前より距離感が出てきて、逆に大人の目で娘のことを見たりする最近の評者でもある、ということも言っておこう。で、ファミレスで3人でお食事・・・実はこの風景、当たり前のことなのだが、下の娘が生まれて以来なかった風景なのである。7年ぶりの風景。そして、嫁さんや評者が、お前さんが一人っ子だったらこんな風景だったんだねえとシミジミ。なんか娘もふ~ん♪とシミジミ。そいでもって、空港に着いて評者が降りるとき、車中で娘を振り返り“じゃあ、パパ仕事頑張るからねえ。また3週間したら帰ってくるね。”と行ったときに見た娘の顔が今でも強く印象に残っている。パパを見送りにきたのは、これが初めてじゃないのだけど、いつもは姉妹一緒に“パパ、バイバ~イ(^^)/~~~”なんだけど、今日はこれから帰りの区間ママの運転で後部席で一人になるわけで、その前にファミレスでなんかシミジミしたわけで、そういうわけでいつもよりパパがいなくなるのを実感した娘の顔は、笑いとハニカミと寂しさと深刻さと色んなものが入り混じった顔で、そして一呼吸置いて“パパ♪ほんとうにお仕事頑張って、早く帰ってきてね♪”と心の底から沸いてくるような言霊が零れてきた。ああ、まだ子供だったんだ。もっともっと愛情注がなきゃ。もっともっと愛さなきゃ・・・そう後ろ髪を引かれてフライトしたのだよ、パパは。(200500205)
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by kotodomo | 2006-12-19 11:39 | メモる | Trackback | Comments(0)
2006年 12月 17日

〇「ヒステリック・サバイバー」 深町秋生 宝島社 1491円 2006/11


 今年2006年6月に著者深町秋生氏と渋谷で飲んだことは、こちらの超オフ会のことども:フカマチック・ナイトの記事に書いた。クリックしてもらえれば、どういう経緯でどういうメンツでどういう風に飲み食いしたかはわかるのだが、そんなの面倒だという方のために概略を記すと、このミス大賞受賞者絡みの私的な飲み会(深町氏が山形から上京するから誰か集まらんかなあという主旨)で、美貌作家のK様、イカサマ博打作家のH氏、宝島社の担当嬢、その他通行人の方々と飲んだわけで、初めてお会いする深町氏と渋谷のハチ公に跨って落ち合い、店までの道々、次の作品の構想を聞きながら、学園物という風に聞き及び、店に着いたら誰も居なくて、だんだんと参加者が集まりだし、話に花が咲き始め、H氏ことハセベバクシンオー様が作家の縁起担ぎの話を持ち出し、そういえばと深町氏を指差し“この人は執筆中は風呂に入らないらしい、そういう縁起担ぎって汚いよね、臭いよね”と言い出し、みんなが大きく頷きながら、深町氏との距離を保ち始めたのは、今まさに彼が執筆中であったからに他ならず、じゃあと美貌作家のK様と宝島社の担当嬢が次の新作の帯は“風呂に入らずに書き上げた、入魂の一作”と勝手に決め付けたわけで、その発売を今か今かと待っていた評者だったのだが、中々出版に至らずやきもきしていたわけで、そのわけは出版社が深町秋生の本を出すのを忘れていたわけで、なんで忘れていたかというとバチスタ海堂の第2弾を出すことにやっきになっていたらからで、結局思い出して出版したのはいいが、肝心であるところの帯の文句のことは既に忘れられていて、“戦場と化した学校、改造ガンの乱射、炸裂する催涙弾!筋肉バカvsオタク!いじめ、対立、苛立ち・・・すべてをブッ飛ばす青春ノワール”として出してしまった経緯は、聖月様だけが知っているわけであり、以上、これまで出てきた人物や発言は架空のものであり、実在の個人や団体とはなんら関係はない評者のたわごとなので悪しからず。

 ということで学園物である。著者からもそういう風に聞いていた評者である。あと、人がたくさん死にますとも言っていたよなあなんて思いながら、プロローグを読み始める。そのプロローグで、生徒や教師12名が死亡し、20数名が重軽傷を負うわけで、いわゆる校内銃乱射事件で幕を開けるわけである。米国内での話である。

 その事件に居合わせた主人公少年が、日本に帰国してからの学園風景が本編の話の軸で、こういう話の展開を帯から想像するに、今度はいつ乱射事件や学園立て籠もり事件が発生するんだろうと思いながら読んだのだが、実はこれ青春物であった。スポーツも恋愛も出てくる青春物であった。ただし「飛び出せ!青春」(古いか?)みたいな爽やかなものを著者が描くわけもなく、「愛と誠」(これも古いか?)のあの暗い世界に心と力の暴力が内包されたような雰囲気が、やはりノワールなのである。

 オタクが出てくる。スポーツバカが出てくる。ゴシックな女生徒が出てくる・・・のはいいが、実はこういう人たちの裏側にある風景を、オタクでアナーキーな著者ほど評者は理解していないので、少し行動力学、言い換えれば物語の展開の蓋然性についていけなかった部分もある。っていうか、評者は世の中を知らな過ぎなんだよなあ。若者の文化なんて知らんもんなあ。

 冒頭で渋谷という地名に触れたが、最近になって渋谷あたりでギャルサーなる文化が芽生えていることを知ったのが半年ほど前。なんで知ったかというと、ブログへのトラックバックスパムに、しつこく“渋谷のギャルサーなんたらかんたら・・・”というのがくっついてきたからで、そういう場合、相手の記事の内容を読むことなくTBを消しちゃう評者は、つい最近までギャルサーというのは男の文化かと勘違いしていたくらいである。渋谷のギャルを漁るイケメン男の極意を教えるブログ記事かと思っていたのである。というのも、普段からテレビを観ないせいだと思う。

 先日、知人たちと大いに飲み明かしているときに、テレビにガングロ制服女たちが集団で現れて“あれ?まだガングロって法律で禁止されていないの?っていうか、廃れたんじゃないの?絶滅したんじゃないの?”と聞き及んだところで、まさにそれこそがギャルサークル、略してギャルサーと知ったのである。だから、多分、以前の評者だったら、本書にギャルサー文化が出てきたとしても(実際には出てこない)理解に苦しんだはずだし、そういう意味でゴシックやオタクを知らないわけじゃないけど、理解できなくてゴメンネ深町大先生(^O^)/

 しかし、深町大先生が風呂に入らずに書き上げた、入魂の一作!読むべし!なのである。ただし本人は“執筆前に風呂に入らないんじゃ!ボケ!書き終わったら入るんじゃ!アホ!それも一日単位の話で、飯が先か、お風呂が先かのそんなレベルじゃ!チワワ!”と言っていたような気がしないでもない。(20061217)

※前作『果てしなき渇き』より爽快感がアップ。でも評者は前作のような暗黒世界は好きよ。(書評No684)

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by kotodomo | 2006-12-17 13:34 | 書評 | Trackback | Comments(0)
2006年 12月 17日

深町秋生のことども


 ◎◎ 『果てしなき渇き』
   〇 『ヒステリック・サバイバー』

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by kotodomo | 2006-12-17 11:37 | メモる | Trackback | Comments(0)