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2009年 03月 26日

◎◎「三国志男」 さくら剛 サンクチュアリ出版 1365円 2008/5

b0037682_13122127.jpg 大爆笑、お気楽冒険記である。評者は、数多くの本を読んで大笑いしてきたが、本書ほど笑いが爆発した記憶がない。最初は、何ベタな笑いを誘う文章を書いてんの、くらいの感じで読み始めたが、途中から、こいつの文章やっぱ面白れえ!!!グハハってな感じで、箇所によっては20秒くらい笑いを押さえきれず、腹捩れ読書体験となったのである。

 最初で、はっきり言っておこう。評者は三国志については、まったくの無知である。三国志が三国史ではなく三国志であることを、今回、書名を書きとめながら初めて意識したし、本書を読んでの既知の単語は「諸葛孔明」「魏呉蜀」「背水の陣」くらいのもので、それでも読んで大爆笑だから、三国志フリークが読んだら、もっともっと大爆笑なのかもしれない。著者さくら剛も、三国志フリークながら、ゲーム三国志、漫画三国志から入ったわけで、記念碑三国志写真集みたいなのを見て、おし!全部訪ねてみよう!そんな感じで、本書の冒険に入っていったのである。

 どういう風に面白いのか中々書きようがないが、知っているかたなら、あの未読王が書いた『未読王購書日記』を思い浮かべるがよい。とにかく事実に即しては書いているのだが、甚だしい誇張、妄想、自分に都合の良い解釈、そんなののオンパレードなのである。

 また、題名は多分『電車男』中野独人のもじりであろう。それは、中身の在りようが、いかにもブログ形式、ネット形式であるところから連想される。

 とにかく、この面白さを理解してもらうには、読めとしかいいようがない。読むべし、読むべし、べし、べし、べし!!!の大爆笑冒険記である。(20090322)

※『インドなんて二度と行くかボケ!!・・・でもまた行きたいかも』も読まなきゃ♪『三国志男』の公式HPも発見♪(書評No873)

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by kotodomo | 2009-03-26 13:12 | 書評 | Trackback | Comments(0)
2009年 03月 26日

ノンフィクションのことども

果たしてこれらがノンフィクションなのかというと、自分でも色々と疑問???
『牙』なんか間違いなくノンフィクションなんだけどね。


書評No903   ◎「任天堂 “驚き”を生む方程式」 井上理
書評No873 ◎◎「三国志男」 さくら剛
書評No806 ◎◎「自壊する帝国」

書評No674   ◎「新しい医療とは何か」 永田勝太郎
書評No670   ◎「虚人魁人康芳夫」 康芳夫
書評No636   ◎「空想自然科学入門-アシモフの科学エッセイ①」 アイザック・アシモフ
書評No578   ◎「9.11 生死を分けた102分」 ジム・ドワイヤー&ケヴィン・フリン
書評No543 ◎◎「国家の罠」 佐藤優
書評No529 ◎◎「大人の保健体育」 野口哲典
書評No435 ◎◎「菊と刀」 ルース・ベネディクト
書評No381   〇「あの瞬間、ぼくらは宇宙に一番近かった」 マイク・カージェス
書評No310   ▲「七つの丘のある街」 トマス・H・クック
書評No249   ◎「怪しい日本語研究室」 イアン・アーシー

書評No226   △「女流棋士」 高橋和
書評No197 ◎◎「大人にならずに成熟する法」
書評No108   〇「牙-江夏豊とその時代」 後藤正治
書評No93  ◎◎「将棋の子」 大崎善生
書評No92  ◎◎「聖の青春」 大崎善生
書評No88    △「爽やかなる熱情」 水木楊
書評No76    〇「おかしな二人」 井上夢人
書評No52  ◎◎「笑うカイチュウ」 藤田紘一郎
書評No51  ◎◎「クリティカル進化(シンカー)論」 文:道田泰司・宮元博章 漫画:秋月りす
書評No38    ▲「10Kmマラソン・トレーニングマニュアル」 有吉正博

書評No37    ◎「スポーツ選手のための心身調律プログラム」 白石豊・脇元幸一
書評No25    ◎「夢ワイン」 江川卓
書評No20  ◎◎「ワイルド・スワン」 ユン・チアン
書評No19    ▲「一万年の旅路」 ポーラ・アンダーウッド
書評No16    ◎「人生上達の術」 畑正憲
書評No14    〇「ソニー ドリーム・キッズの伝説」 ジョン・ネイスン
書評No13    ◎「火花」 高山文彦
書評No10    ▲「FBI心理分析官」 ロバート・K・レスラー
書評No7    ◎「私の事件簿」 中坊公平
書評No2    〇「安倍晴明」 藤巻一保

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by kotodomo | 2009-03-26 01:55 | メモる | Trackback | Comments(0)
2009年 03月 25日

〇「オケ老人!」 荒木源 小学館 1575円 2008/10

b0037682_1471585.jpg 題名の『オケ老人!』というのは、多分「オーケストラ」+「老人」という意味と、「ボケ老人」の語呂でつけられたのだと思うのだが、なんかイマイチのような気がする。「ボケ老人」ならぬ『オケ老人!』という題名で、いっちょ作ってみましたがな的な安易な感じが否めないからである。

 そういえば、最近WBC開催ということで野球の記事が新聞誌上で踊っていたが、我が鹿児島の地元紙“南日本新聞”も、変な語呂見出しをつけていたなあ。大体こんな見出し「侍ジャパン、キューバしのぐ!」・・・日本はキューバに6対0で快勝したわけで、例えば6-0で勝っていたけど、後半追い上げられて6-5で持ちこたえたのなら「キューバしのぐ!」でもいいんだけど、快勝ならば「しのぐ」の言葉は語彙的には不適切なのである。だけど、なんで「キューバしのぐ!」にしたのかというと、担当者が単に「急場しのぎ」もしくは「急場をしのぐ」の語呂を思いつき、使いたかっただけなのである。不適切ながらである。

 まあ、題名でそこまでケチをつける気は評者には毛頭なく、本書で肝心なのは面白いかどうかもそうなのだけど、あの荒木源の作品だということが肝心なのである。あの荒木源とは、あの『骨ん中』という中々骨太のミステリーを書いた荒木源のことで、今度はどんなミステリーなの?なんて思って読み始めると、あらら、ということになるからである。つまり、本書『オケ老人!』は全然骨太でなく、お気楽物語なのである。どちらかというと軽薄なのである。あの『骨ん中』の作者が、ふ~ん、こんなの書くんだなあなのである。

 学校教師をしている男性主人公が、何気なく市民コンサートへ。すこぶる感動し、昔とった杵柄と、自分も楽団に参加しようと門を叩くのだが、叩く門を間違ってしまって老人だらけの楽団に入ってしまうというドタバタ物語なのである。そこへ、連続ドラマシリーズよろしく、色んな事件を挿入して、展開に展開を重ねて、大団円へ導くという、いかにもあります的な軽薄物語なのである。

 面白いし、面白くもない。ただ、たまにはオーケストラ小説も悪くはないでしょうという、毛色の違った読書の興味というところだろうか。評者の場合、傑作『船に乗れⅠ 合奏と協奏』藤谷治を読んだあとだっただけに、似たような毛色の小説を読んだことになり、そういう意味であまり楽しめなかったのかもしれない。(20090321)

※既刊の『ふしぎの国の安兵衛』も気になるところである。(書評No872)

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by kotodomo | 2009-03-25 14:07 | 書評 | Trackback(1) | Comments(0)
2009年 03月 22日

▲「チェーン・ポイズン」 本多孝好 講談社 1680円 2008/11

b0037682_17233654.jpg 評者が幼き頃、いとこのネエチャンに次のような謎々を出されたのことども。

 “太郎君がかぜで寝ていました。その時、太郎君の家の庭で牛がモーと鳴きました。蝶が飛んできて牛に止まりました。さて、太郎君は、何の病気で寝ていたでせう?”

 ・・・牛がモー?チョウ?はい(^^)/はい(^^)/はい(^^)/“答えは、モーチョー、盲腸!”“ブブー、不正解。答えは、最初に言ったでしょう。かぜ!太郎君はかぜで寝ていたの♪”

 気付く人は普通に気付くひっかけ問題であったのだが、幼き評者は全然気付かず罠にハマったのであった。

 本書は、罠一個のミスリードミステリーなのだが、評者の場合、最初で普通に気付いてしまい、っていうか、作者が英語の意味でSAMEと書いているのだが、全然SAMEじゃないじゃん、違うじゃん、違うだろう、って思っていたら結局違ったわけで、だから全然ミステリーとして読めなかったのである。落としどころさえ確かならば、もしくは展開自体が面白かったらそれなりに楽しめたんだろうけど、罠以外の工夫はなく、味気なかったのである。

 それ以上、何も語れないミステリー小説である。結構、色んな書評で“気持ちよく騙されました”なんて書いてあるんだけど・・・騙されるかなあ?と、モーチョーに騙された評者が言えることでもないのことども。(20090315)

※それでも、多分このミスランクインでしょう。(書評No871)

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by kotodomo | 2009-03-22 17:24 | 書評 | Trackback(1) | Comments(0)
2009年 03月 19日

◎「神器 軍艦「橿原」殺人事件」上下 奥泉光 新潮社 各1890円 2009/1

b0037682_13593757.jpgb0037682_1359962.jpg  既読の『浪漫的な行軍の記録』という陸軍小説に対して、奥泉光が海軍小説を執筆中との情報は入っていたが、それが本書なのである。評者が、期待と不安を持って待ち望んでいた小説である。期待というのは、直近の『モーダルな事象』がすこぶる面白かったからで、不安というのは『浪漫的な行軍の記録』が面白い部分はあったにしても、少し退屈な感じがしたからである。で、結局、本書は期待通りの面白さと退屈さが、どちらも内包された内容であったのことよ。

 やはり、平成の夏目漱石と評者が勝手に呼んでいる奥泉光という作家は、高踏的に余裕的に巧い。知的なユーモアを内包した文章に、既存の文体に固執しない自由な筆遣いが心地良いのである。何箇所か、評者もウププと笑ったくらいである。

 逆にいうと、巧過ぎて、書き込み過ぎるきらいもある。特に下巻。上巻ではミステリー小説的な展開で飽きさせなかったのが、下巻に入ると、どうも哲学的、形而上的になりすぎて、粗筋に影響がない部分の書き込みは、多少読み流した評者の読書中。

 粗筋はというと、探偵小説フリークの主人公が乗り込んだ、巡洋艦「橿原」。そこでの殺人事件、行方不明事件と、謎の部屋の謎の積荷、この二つが軸になって物語が展開していく。誰が何ゆえ殺人事件を起こしたのか?一体あの部屋の積荷は何なんだろうか?というミステリー風味で物語が展開していくのである。

 ミステリー風味に加え、SF風味、形而上風味、ハードボイルド風味、怪奇風味、男色風味他、色々なものが混ざり合った風味なんだけど、結局は、この作家、芥川賞受賞作家なわけで、なんだかんだいっても文学風味なのである。

 上巻の評価は◎◎。下巻は◎の評価で、全体で◎止まりなのだが、今年の押さえ本である。案外、このミスにもランクインしてきそうである。(20090315)

※久々の書評更新の聖月様である。(書評No870)

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by kotodomo | 2009-03-19 14:00 | 書評 | Trackback(2) | Comments(0)
2009年 03月 01日

2009年2月に読んだ本のことども(リンク:読書メーター)

2月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3414ページ

希望ヶ丘の人びと希望ヶ丘の人びと
◎◎本書『希望ヶ丘の人びと』は、母親が小学校、中学校時代を過ごした団地に、主人公である父親と、中学の娘、小学生の息子が移り住んでくる物語である。母親は既に亡くなっているのだが、母親の思い出が残る団地に、残された家族が思い出を偲ぶ意味も含めて移り住むわけである。でも、随分と様変わりしているようなのだが。で、これが面白い。久々に、重松清を楽しんだ評者なのである。元々、重松清読みじゃない評者なので、この面白さは『いとしのヒナゴン』以来である。肩の凝らないコミカルで人情溢れる重松節である。
読了日:02月25日 著者:重松 清
一回こっくり一回こっくり
◎◎内容も何も知らず、なんとなく図書の棚から借りて、なんとなく読み出し、1章から5章まであることに気付き、第1章の「弟」を読んで噺家の書いた人情話(しんみり哀しいほうの人情話)の連作短編集だと決め付け、4章まで読み進んでいたとこまではまだ人情話短編集だと思ったままだったのだが、4章の終わりにかけて鳥肌が立ってきた。そして、鳥肌の予告通りの第5章が始まる・・・。
読了日:02月23日 著者:立川 談四楼
老検死官シリ先生がゆく (ヴィレッジブックス F コ 4-1)老検死官シリ先生がゆく (ヴィレッジブックス F コ 4-1)
○テイストは、ほのぼのハードボイルドであり、構造は、色んな事件が最後にはピタリと収斂するモジュラータイプのミステリーであり、舞台は、共産国家ラオスの1970年代を紹介した珍しい小説でもある。ただねえ・・・気の利いた会話が、共産国家ラオスという読み慣れない舞台ということもあって、時々ピンと来なかったりするのがタマにキズなのかなあ。それでも面白い文庫本の拾い物である。このミス2009年版海外編でも、結構支持票が入っているので、興味ある方は読み逃しなく。
読了日:02月22日 著者:コリン コッテリル
暗闇のヒミコと暗闇のヒミコと
○事件の裁判事例を通して、作者が読者に問いかけるものは、『死亡推定時刻』と同じで、捜査や裁判を通じての日本司法における自白の偏重性にある。だから、くれぐれも、これを読んでいる皆様方におかれましては、たとえ不在証明ができなくても、たとえ罪を犯していたとしても、たとえ取調べがいかにきついからといっても、ユメユメ自白などなさらぬように。
読了日:02月20日 著者:朔 立木
蜘蛛の糸蜘蛛の糸
○黒川博行が最近こんな話を書いていたんだと思ったら大間違い。一番古い作品の「尾けた女」が1992年の作品で、多くの作品が1990年代もしくは2000年代初頭に書かれたものであり、“この15年くらいの間にこんなものも書いていました作品集”みたいな位置づけである。
読了日:02月17日 著者:黒川博行
船に乗れ! 1 (1)船に乗れ! 1 (1)
◎◎本書の中で、作者は音楽とかオーケストラというものに真剣に向かい合っている。多分、元々そちら方面に造詣は深いと思うのだが、それを作中に取り入れて、一般読者に読んでもらうためには、作家としての相当な技量が要求されるわけだが、本書ではそれを見事にやってのけている。そして・・・傑作である。
読了日:02月16日 著者:藤谷 治
真説・外道の潮騒真説・外道の潮騒
◎◎とにかく、どうでもいいようなことがダラダラダラダラ書かれていて、それでいて手垢のついていないような表現で思弁を手玉に取る、町田康という作家は凄いとしかいいようがない。ハマる人には大いにハマり、ハマらない人には、何これ?駄作?ってな感じなんだけど、評者的には聖月様的には大ハマりの久々のマーチダ爆笑節である。
読了日:02月15日 著者:町田 康
ダイイング・アイダイイング・アイ
◎悪くない。完成度の高い東野作品として読むと綻びだらけなのだが、読んでいて面白い。何が面白いかって、何を読まされているかわからないところが面白いのである。多分、このミス国内20位ランクインの作品たちとリーダビリティーでは遜色ないと思うわけで、そういう意味で東野作品としては完成度は低いけど、今の国内ミステリーの中では、まあまあの出来というのが評者の個人的印象のことども。
読了日:02月12日 著者:東野 圭吾
サーカス象に水をサーカス象に水を
◎◎そして何より、最後の最後がいいのである。サーカスを観に行った93歳の主人公と、サーカスの責任者との会話・・・さりげないやりとりなんだけど、泣くところではないのだけど、映画のクライマックスシーンのように心に沁みてくるのである。良書読みを自負する方、押さえ本であるのことども。読むべし、であるのことども
読了日:02月08日 著者:サラ グルーエン
傍聞き傍聞き
◎本書には、表題作「傍聞き」を含め、4編の短編が収められている。それぞれに共通するのが、まずこの傍聞きのようなひとつのお題が与えられており、そのお題に沿ってミステリー部分が構築されているところである。そして、もうひとつ共通する要素に二段オチになっていることがあげられる。賢い読者は、お題から考えて、ああこういうオチなんだと一旦は気付く。だが、その先に、読者が気付かないオチがあるという妙味があるのである
読了日:02月04日 著者:長岡 弘樹
荒野のホームズ〔ハヤカワ・ミステリ1814〕 (HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS (1814)) (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)荒野のホームズ〔ハヤカワ・ミステリ1814〕 (HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS (1814)) (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

読了日:02月01日 著者:スティーヴ・ホッケンスミス

読書メーター


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by kotodomo | 2009-03-01 07:21 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)