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2009年 10月 12日

〇「ハピネス」 嶽本野ばら 小学館 1365円 2006/8

b0037682_1175663.jpg 彼女とのデートで、いきなり“私、あと1週間で死んじゃうし・・・”と朗らかに言われるところから、この物語は始まるのです。

 彼女も僕も高校生で、でも僕の両親は海外に居て、彼女の両親は娘の最後の1週間を思うままに過ごさせたいわけで、そういう二人の1週間の物語なのです。

 今まで躊躇っていたロリータデビューをし、好きなカレーを食べて、二人でお泊りして・・・。
と、珍しく、粗筋をわりと丁寧に書いてみた評者なのだが、そうでもしないと間が持たないというか、結局、この物語は最後の1週間の過ごし方の物語でしかないわけで、大枠を語って、こういう本ですとしかいいようがないのである。

 ただし、感想を言わせてもらえば、他の嶽本野ばら作品と比べて、少し冗長。言葉を選び、文章を練りこみ、静謐な物語に仕上がってはいるのだが、1週間物語だけで傑作を描くのは中々困難な話のわけで、読みながら、少し退屈な感じがするのである。

 あっ!これだけは、読みながら思った!高校生は、もう少し勉学に励む姿勢が大事です。若い時に、こんな大喪失感恋愛物語を体験したら、その後の人生はおまけになってしまいますよ。(20090929)

※次の野ばら作品は、多分『カフェー小品集』(書評No917)

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by kotodomo | 2009-10-12 11:08 | 書評 | Trackback | Comments(2)
2009年 10月 01日

2009年9月に読んだ本のことども(リンク:読書メーター)

9月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2169ページ

エミリーエミリー
◎◎「エミリー」も「コルセット」もいいのだけど、「レディメイド」のようなあんな凄い短編を書ける著者に脱帽。短さの中に作品の完成度が詰まっていますな。
読了日:09月23日 著者:嶽本 野ばら
ミシンミシン
〇表題作「ミシン」より、「世界の終わり~」のほうが冒険があっていいですな。村上春樹と一緒で、この作家には冒険を求めまっす。
読了日:09月21日 著者:嶽本 野ばら
船に乗れ!(2) 独奏船に乗れ!(2) 独奏
◎◎眼に見えない音楽を小説で読める素晴らしさは前回並み。並みって書いたけど、その筆力に脱帽。ただ、終盤ノワールな雰囲気が漂うわけで、作者がそれを何巻目でどう治めるのかが今後の注目。とにかくⅡまでは青春小説の傑作。藤谷治版『DIVE』なり(*^^)v
読了日:09月19日 著者:藤谷 治
TVピープルTVピープル
▲村上春樹も、若かった時代があったことを発見。「ゾンビ」なんて、Mジャクソンの映像に頼った文章だし、若かったんだなあ。
読了日:09月18日 著者:村上 春樹
荒地の恋荒地の恋
▲何も内容を知らないで読み始めるというのも善し悪しで、半分くらいまでは気付かなかったのだが、本書って実在した詩人の、ほぼノンフィクションに近い小説だったのですね。いやに平板な物語だと思っていたら、エピソードに薄い味付けしただけみたいな。ただ、最後の最後でメタミステリー的な落とし所もあって、フィクションっていえばフィクションなんだけど。全然知らない人だと思っていたら、北村太郎って『夢果つる街』の訳者さんでした。
読了日:09月17日 著者:ねじめ 正一
ロリヰタ。ロリヰタ。
◎◎今まで下妻系しか読んだことがなかった・・・上手だとは思っていたが・・・本書を読んで唸るほど巧い作家であることを認識しましたのことども。
読了日:09月15日 著者:嶽本 野ばら
当マイクロフォン当マイクロフォン
一人のアナウンサーを通して描いた昭和史とも言える。読みながら、もしくは読後、名アナウンサー中西龍の生声を聴きたくなったのことども。欠点は、中西のエピソードを拾いすぎて、散りばめ過ぎて、少し的が散ってしまったところかな。
読了日:09月13日 著者:三田 完
下妻物語・完―ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件下妻物語・完―ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件
〇前作ほどの目新しさはないけど、イチゴ(ヤンキーちゃん)の単純さは快調。殺人事件は起こるんだけど、まあお飾り程度のミステリー部分。気軽な物語としてはお薦め。
読了日:09月08日 著者:嶽本 野ばら
日本人の知らない日本語日本人の知らない日本語
◎◎エピソードも凄く面白いのだけど(猫印の缶詰に大笑い)、それをデフォルメして描く漫画の力も秀逸。漫画にしてこその笑いどころ満載。
読了日:09月01日 著者:蛇蔵&海野凪子

読書メーター


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by kotodomo | 2009-10-01 16:41 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)