「本のことども」by聖月

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2013年 09月 01日

2013年8月に読んだ本のことども

2013年8月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:2920ページ
ナイス数:131ナイス

風景を見る犬風景を見る犬感想
◎◎自分にとっての、樋口有介、久々の会心作。無口でそれでいて軽口を叩く料理の上手い沖縄の男子高校生が主人公。二つの殺人事件の推理なんて本書にとっては全然重要ではなく、個性的で魅力的なキャラたちのコミュニケーションが楽しい。主人公の母親は売春宿経営ながら36歳。でも物腰は、やっぱオッカサン。「~しましょうね」という、沖縄独特の言葉が魅力。あと、やはりこの作家の作品の魅力は、主人公を取り囲む複数の魅力的女性人たち。いっつも美人ばっか(笑)中でも、一人真面目な睨み美人が、学級委員長みたいな性格で面白いのだなあ。
読了日:8月25日 著者:樋口有介
聖痕聖痕感想
◎◎ある聖人の成長と家族と友人達の物語。それを作者が筆の勢いと反射神経と勝手な造語と美しい日本語で紡ぐのがメッチャ楽しい。そんな日本語ないだろう!けど意味わかるぅ(^.^)みたいな感じで、決して乱れた日本語を使っているわけではなくて、よくわからない美しい日本語で綴っていく。少し残念なのは、最後のほうで言葉遊びが多くなりすぎて、物語の展開に結びついていかないところか。要するに、主人公がお店を開くまでは、非常にノリノリでウィットでユーモラスで楽しいのだが、開店してからは場面が動かないので、少しつまらないのだ。
読了日:8月18日 著者:筒井康隆
時のみぞ知る(下): クリフトン年代記 第1部 (新潮文庫)時のみぞ知る(下): クリフトン年代記 第1部 (新潮文庫)感想
◎◎上巻のハリポタ的滑り出しから、下巻に入るとロミオとジュリエット、最後はなんと言えばいいのか、サスペンススタート!的な感じで幕を閉じる。副題に「クリフトン年代記第1部」とあり、続編を読むのが待ちきれないし、作者も若くないので最後まで書き終えるの?大丈夫?と思っていたら、あとがきで英国本国では第3部まで出版されているとのことで、ちょっと安心。面白いぞぉ。クリフトン家のハリーを中心に据えた(今のところ)年代記。友情、恋愛、信頼、悪意、勇気、冒険、そんなものが一杯詰まった紡がれる物語。楽しく楽しく読みました。
読了日:8月16日 著者:ジェフリーアーチャー
時のみぞ知る(上): クリフトン年代記 第1部 (新潮文庫)時のみぞ知る(上): クリフトン年代記 第1部 (新潮文庫)感想
◎◎滅茶苦茶面白い。あっと言う間の上巻読了。ハリーポッターたすケインとアベルって感じかな。ある日、才能に気付くこととなった少年が、同じ才能をもつ友人たちと寄宿舎生活を送ることに。ここまではハリポタ。ただし、自分の出自は低く、おまけに父親の死(失踪)の謎はわからず、親友の父親の自分に対する態度がおかしく、果たして明かされない運命の歯車はどこへ。この辺がケインとアベル。上巻では、浅からぬ運命の糸は、誰と誰に張られているのか、はっきりしているようで、よくわからない。ちなみに主人公の名前はハリー。魔法はなし(笑)
読了日:8月15日 著者:ジェフリーアーチャー
南部芸能事務所南部芸能事務所感想
×この作家の2作目を読んで、妙に馴染んで、デビュー作を読んで端から巧いじゃんと感心し、3作目を読んで追っかけようと思い、4作目の本書で、連載の仕事もらってこんなお話こんにちはみたいな文章書いたらいけんでしょう!とがっかりしたのであった。相変わらずの、登場人物の視点を変えての物語構成は健在なのだが、微妙な感性を上手く紡ぐこの作者の妙技は存在せず、普段はページを繰る手が止まらないのに、今回はページを飛ばして読みたくなる(最後には、ほぼ会話だけ追って読んだが)。でも、次の作品も読みますからこういう仕事はなしね。
読了日:8月14日 著者:畑野智美
かけおちるかけおちる感想
◎時代物の傑作異端本。何が異端かといえば、いかにもの大衆文学の要素を持ちながら、ブンガク的な哲学をも内包。直木賞、芥川賞を跨るような風味だからである。現代でも、県が産業を振興するように、かつては藩が自分の地域に見合った農業商業を模索していた時代。担当のお役人が主人公・・・と言っていいのか。個性引き立つ登場人物たちが散りばめられ、結局、この物語が向かう先が中々見えず(産業としての鮭の遡上が成功するが、話はそちらに向かわなかったり)、そして最後には題名に収斂していく。いわゆる駆け落ちなのだが、その意味は深い。
読了日:8月13日 著者:青山文平
ふがいない僕は空を見たふがいない僕は空を見た感想
◎◎この文庫が凄いの第一位に納得。本屋大賞僅差の二位に納得(一位が当時広告バンバンの末、売れに売れた謎解きディナーなら尚更)。ただし、序盤の設定が、男子高校生と人妻のコスプレ不倫物語で、R指定的なので年少者にお勧めできないので万人向けではないのかもしれないが。湊かなえ「告白」も連想させるが、全体的にはこちらのほうが完成度が高い。あちらは、完成度の高い第一章に蛇足を付け足したような全体だったが、こちらは章毎にも全体的にも完成された紡ぎ話。印象に残ったのはセイタカ。困難に囲まれても米を研ぎ飯を炊く。頑張れよ!
読了日:8月11日 著者:窪美澄
ランチのアッコちゃんランチのアッコちゃん感想
×柚木裕子の本と間違えて図書館に予約し、その後間違いに気づき、予習のつもりで『早稲女、女、男』を借りて読んだら、そこそこ面白く、ある程度は期待して読み始めたのだが・・・申し訳ございません。自分のような中年オヤジが読むような本ではございませんでした。最初の2編は普通に読んで、あとの2編はパラパラ読みました。読む本を間違えたの巻。
読了日:8月11日 著者:柚木麻子
フェイササイズ―自分でできるフェイシャル・エクササイズフェイササイズ―自分でできるフェイシャル・エクササイズ感想
◎男性版フェイスビルダーの説明がわかりにかったので、それより先に出た女性版フェイササイズを手に取る。内容に大差なく、こちらの説明のほうがわかりやすい。で、中年男性として、どちらの本を支持するかというと、こちらフェイササイズ。じゃあ、男性版は無意味かというと、あちらは運転時に出来る体操にも意識を置いているところが進化。どちらの本でも言えるのだが、基本論の講釈は大切だが、繰り返しが多くて、ちょっとページ稼ぎの嫌いが。でも、美顔器具として考えれば、効果さえ間違いなければお手軽価格。電気代もいらないし壊れないし。
読了日:8月4日 著者:キャロルマッジオ
世界を回せ 下世界を回せ 下感想
◎◎名品である。今はなきツインタワーを1974年に綱渡った男が居たのは事実なのだが、本書の内容は、それとは無関係という関係性みたいな群像タペストリーなのである。連作短編のような手法をとりながら、まったくひとつのお話なのである。凄い物語を読んだというのが、素直な感想。あと、この著者の語りも凄い。これだけ語り紡がれると、神の目で描かれたような完璧性を帯びてくる。何の話とも一括りにできないこの構成は、既視感的に表現すれば、ポール・オースター『オラクル・ナイト』的?名品は味わい深い分、そう簡単に頁は進まないけど。
読了日:8月4日 著者:コラム・マッキャン
世界を回せ 上世界を回せ 上感想
◎図書館の新刊書棚で見つけ、まあSFなんじゃないの、と思って借りたら大間違い。精巧な筆致の現代文学もしくは隙のないパッチワーク構成の物語。上巻で、5つの物語が交錯していて、それもテクニックに頼らず自然で、一つ一つの物語は明確に浮かびあがるのに、果たして上巻を読み終えても、自分が何を読まされているのかも、題名の本来の意味さえも判然としない。で、面白い。アイルランド出身の兄弟の話、ベトナムで息子を失った母親たちの話、頽廃的な若い夫婦の物語など、細かな描写が非常にブンガク。綱渡りの話は、想像して粟立ち必至だし。
読了日:8月3日 著者:コラム・マッキャン
日本人の知らない日本語4  海外編日本人の知らない日本語4 海外編感想
◎◎やはり、このシリーズは超面白い(←これも間違った日本語?)。前回で、日本で日本語を学ぶ外国の方々は一旦卒業。今回は、自国で日本語を学ぶ外国の人々&風景集。県民ショーならぬ、国民ショー的な意味合いも興味深い。時間、気遣い的に、日本に一番近い国はスイスだとか。ベルギーは平たい国で、最も標高が高い山が694Mとか(スカイツリーほど)。イギリスは日本より国土は狭いが、可住面積は断然大きいとか。前回までと視点が違うのは、結構漫画家の蛇蔵さんの視点でも多くの逸話が語られているところ。中々、素人目線で発見があるぞ。
読了日:8月3日 著者:蛇蔵,海野凪子

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by kotodomo | 2013-09-01 08:25 | 読書メーター