「本のことども」by聖月

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2014年 04月 01日

2014年3月に読んだ本のことども

2014年3月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3778ページ
ナイス数:113ナイス

首折り男のための協奏曲首折り男のための協奏曲感想
〇確かにそこには伊坂流伊坂節はあるのだが、短編集だと自分の中ではやはり炸裂なしに終わってしまいイマイチなのである。例えば前作、前々作の長編は楽しくワクワク読み、終わってしまうのが勿体ない感じだったのだが、今回は早く読み終わらないかなぁとつい義務的な読書となってしまう。死神も一作目の短編はイマイチで、二作目の長編は楽しめたわけで、まあ個人的な相性としか言えないのだが。神も仏も、右から左へ、各編共通するものがなくはないが、連作短編集まではいかず、関連した短編集となっており、人気の黒澤、それにチラリと死神も。
読了日:3月30日 著者:伊坂幸太郎
猫間地獄のわらべ歌 (講談社文庫)猫間地獄のわらべ歌 (講談社文庫)感想
〇時代物ながら本格ミステリーでオトボケ小説。江戸時代の主人公が自分のことを俺と呼ぶことからして、ハードボイルドタッチ?と思いきや、シーンはお国の連続殺人事件へと飛ぶ。なんとも妙な殺人事件が続いて、犯人像が明かされたかと思いきや、いきなり読者への挑戦状。密室、館物、メタ、そんなものが入っている時代物。伏線とも思っていなかったものが、最後には伏線として回収されるから、中々に大したもの。なるほど、このミスにランクインしていなければ、読み逃していたはず。いや読み逃しても構わないのだけど、これはこれで収穫なり。
読了日:3月30日 著者:幡大介
砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)感想
◎◎シリーズ5作が完結。中だるみしていたような感もあったが、本作で持ち直して見事なフィニッシュ。特に今回はキャラがいい。ラスベガスから帰ろうとしない、86歳の爺さんを無事帰還させるのが、今回の主人公の任務。これがうまく行かない。お金も意識も問題のない爺さん。でも、帰ろうとしない。飛行機に乗らないと我が儘。日本車やドイツ車には乗れないと我が儘。その間ずっと昔話や落とし話を喋り続け・・・って、この爺さんの延々とした会話を描ける作者が素晴らしい。あまりにもシツコイうるさい話に読みながら笑ってしまう。読むべし。
読了日:3月27日 著者:ドンウィンズロウ
ブラック・ジャックは遠かった 阪大医学生ふらふら青春記ブラック・ジャックは遠かった 阪大医学生ふらふら青春記感想
〇現役作家であり「廃用身」や「無痛」の医学小説で知られる著者の、青春ノンビリエッセイ。学生時代の旅や、通ったお店の話などはさほど面白くなく、パラパラ読みになってしまうのは否めないが、臨床の実習等で、重い病気におかされた患者を通して感じるピュアな苦痛、医者になってわかる患者の選別(必要な意味での)、そんなところが考えさせられてしまう。手塚治虫のBJに登場した安楽死医師キリコ。当時は悪役として受け止めていたが、うむ、患者視点、医師視点のバランスを取って眺めると、満更悪役でもない。手塚氏も葛藤を感じていたのかな
読了日:3月27日 著者:久坂部羊
邂逅の森 (文春文庫)邂逅の森 (文春文庫)感想
◎◎マタギの話、別に読まなくてもいいやと史上初の直木賞&山本周五郎賞受賞作をスルーしてから10年。判断を誤っていた。一気読みの傑作。読まなかった後悔と、今読めた喜びとを感じた山の男の物語。勘違いしていたのは、少人数の男たち、ひとつの山での物語で終始するのかと思っていたら、様々な登場人物たちの配置の妙に唸らされ、場を転々とする冒険のような男の生涯にワクワクし、章ごとの山場やエピソードに心踊らされる。いいなあ、あのシーン。後半で主人公がこけしを買い求めるシーン。熱い涙が零れました。未読の方は、是非に読むべし!
読了日:3月21日 著者:熊谷達也
舞台舞台感想
〇イタイ主人公の一人称物語。道をすれ違う人は気付かないかもしれないが、俺は今日童貞を捨てたんだぜ!と胸を張って歩くと人が奇異に思うかもしれないので、今日は外を出歩くのはやめよう、そんなアホな思弁的主人公が初めての米国で本当にイタイ目に。最初はそのイタサに苦笑するが、途中から、おいおい、と感じる読書中。決して他人事ではないのである。読書メーターに感想書いたり、FBでネタをアップしていること自体、そんな自分を他人がどう評価するのかと考える自分がそこにいるのである。しかし、幽霊は本当に見えていたのかなぁ?
読了日:3月19日 著者:西加奈子
破門 (単行本)破門 (単行本)感想
◎イケイケの極道桑原とヘタレ二宮のおかしな二人シリーズ。シリーズでは「国境」が一番好きなのだが、なぜかと言えば北朝鮮という不自由な国で冒険するからで、本作も香港やマカオに二人は出向くはめになるのだが、不自由な国でもなく、大体は日本を舞台に活躍するので、携帯一本で事態は次の展開を見せる。だから、いつもの大阪弁会話も面白く、どういう収斂を見せるのか読書としては楽しいのだが、逆にリズムの良さが盛り上がりシーンを作らないのである。あのシーンが!というのがないのである。それでも面白いシリーズ。次回は是非また共産圏へ
読了日:3月16日 著者:黒川博行
ザ・万字固めザ・万字固め感想
〇イマイチ。今一つ、それぞれの文章に紡ぐ熱意が感じられず残念。ゆるくニヤリとさせるエッセイ集のはずなのだが、ただゆるいだけで、ニヤリとしないのである。少し涸れ気味。
読了日:3月15日 著者:万城目学
モーツァルトとレクター博士の医学講座モーツァルトとレクター博士の医学講座感想
◎現役の医師にして小説家である著者の医学的カラダトリセツ。わかりやすく興味深い。自分が属する医学界の常識にも納得していない部分(聴診器は使用するが未だにその重要性が著者はピンとこない)の独白、サプリへの懐疑等、自然体で話を進めていくので興味深々の読書なのだが、怖い病気にも気軽に触れてくるので、読んでる読者は、俺ってガン?私ってどこか悪い?そんな気分に陥ってしまう(笑)その著者が副作用も気にしながらも「フィナステリド」という脱毛予防増毛薬を試し、効果があるみたいと言っているのが気になり、φ(..)メモメモ。
読了日:3月9日 著者:久坂部羊
彼が通る不思議なコースを私も彼が通る不思議なコースを私も感想
◎小説というジャンルがあるなら、これこそthe小説。不思議な人生のコースを辿る彼との恋愛結婚生活の物語。物語の展開のスピードがちょっと変わっていて、ある時は同じ時点の事柄をゆっくりと書き込み、またある時はたった2頁で普通の人が議員にまで登りつめるという荒技を使う。そして最後には、その長い長い時間を圧縮してしまう。一見、それはないでしょう、という終盤ながら、著者が主人公たちに言わせている「時間」というものを、自らの筆で体現していると考えれば、これはこれでありだろう。小説の展開性は面白いが、結末はあっけない。
読了日:3月9日 著者:白石一文
長州シックス 夢をかなえた白熊長州シックス 夢をかなえた白熊感想
〇幕末の短編集。著者の得意な妖術とか忍者とかは封印。結果的に読みやすく、別の見方をすれば、誰が書いた小説か、わからないような癖のなさ。そこかしこで史実と創造を絡めながら、筆の温度は人肌、そんな感じの佳作集。表紙で誤解しそうだが、動物の白熊が出てきたり、人間のマネをしたりはないので要注意(笑)そうか、人々は和蘭語から英語へその必要性の傾きを変えていったわけか。現代も、英語は大活躍、オランダ語講座って聞いたこともないなあ。最近、色んな本でジョン万次郎に出逢うが、本書にも少し名前だけは登場。人気者ですなあ。
読了日:3月2日 著者:荒山徹
ザ・万歩計ザ・万歩計感想
◎脱力系想像力的エッセイ集。マキメ氏は工場や城が好きだが、自分は工場も城も好きではないのだが、全体の値打ちのないような想像力にいたって共感、オモロ本(^.^)若者にはわからないような昔ギャグの材料も時々ツボ。カッパドギアを見て「アッチョンブリケ」と心の中で思ってしまう著者に、思わず吹き出してしまう。惜しむらくは「とっぴんぱらりの風太郎」しか読んでいないので、他の作品に関する話題が出ても、ちょっとピンと来なかったことかな。先生に、はむかうなら、にくやにいけ・・・聞いたような、初めてのようなユーモアにニヤリ。
読了日:3月2日 著者:万城目学

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by kotodomo | 2014-04-01 18:48 | 読書メーター