「本のことども」by聖月

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2015年 01月 31日

◎◎「もう年はとれない」 ダニエル・フリードマン 創元推理文庫 1123円 2014/8

b0037682_11595690.jpg最高に愉快な、老いぼれハードボイルド。元刑事といっても87歳なわけで、そんな齢になれば、元、なんて意味がないようで意味がある。それは、彼が伝説だったから。愉快とは書いたが、ユダヤの金塊に絡み、人は死ぬし、謎は深まる。でも、この老いぼれの思考回路、吐き出す言葉がなんともいかすのである。あと、彼のことをじいちゃんと呼ぶ、孫との二人三脚も読ませる。最新機器を使いこなす若者と、GPSも理解できない老人とのコンビ。最後は頁数が少なくなって、そうするとあいつが意外な犯人かともわかるのだが、秀逸なミステリーなのだ。
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by kotodomo | 2015-01-31 12:00 | 書評
2015年 01月 01日

2014年12月に読んだ本のことども

2014年12月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1486ページ
ナイス数:108ナイス

窓から逃げた100歳老人窓から逃げた100歳老人感想
〇軽い大人の童話かと思ったら、全然違った。するすると読めるだろうと思ったが、それも違った。窓から逃げた100歳の老人の冒険譚は、コミカルで、いったいどうなるのだろうというワクワク感も漂う。ただし、この老人が100歳を迎えるまで何をしてきたのかの冒険譚は、非常にグローバルでヒストリーで、なんせ日本の終戦にまで影響を及ぼしてきたような法螺話の展開で、また別の物語なのである。途中で、複数の悪人を死に至らしめてしまい、最後はどうなるの?と思ったのだが、この回収の仕方は面白い。決していい解決ではないが、愉快なのだ。
読了日:12月30日 著者:
ゴースト・スナイパーゴースト・スナイパー感想
〇今回も上手に話を組み立ててはいるのだが、いつもの唸るような技巧はそこまでなかったかな。あと、背景にある世界への興味、そういう惹かれるようなものもなかったしなあ。でも、正しいミステリー。どんでん返しの繰り返し。悪党も含め、最後はみんなハッピーな感じも珍しい。しかし、未詳の人物の途中の描かれ方と、実はこの人でしたのギャップは大き過ぎ。意外というより、それは小説だから出来ることみたいな。まあ、ハリウッド手法は健在。そんな遠くからよくスナイプできるなあと思ったら、合理的で先進的な手法が登場したり。流石は流石。
読了日:12月23日 著者:ジェフリーディーヴァー
あのとき始まったことのすべてあのとき始まったことのすべて感想
◎52歳の評者からすれば、25歳の男性主人公が、15歳の時以来の同級生女子と待ち合わせして、10年はどれくらい久しぶりと感慨にふけるのは、ちょっと青い感じもするのだが、その二人の再会と、中学時代の思い出が、巧みに呼応して、特に第二章の白原少女の視点が描かれる部分は、秀逸で静謐で、上滑りする恋を描きながらも、青春の日々を浮かび上がらせるのである。評判通り、この作者の文章は手垢のついていない表現、特に軽妙な会話の部分にその特徴があり、他の作品を読みたくなる。そう恋心とは、好かれている実感が大切なのだよ、東京。
読了日:12月11日 著者:中村航
アイネクライネナハトムジークアイネクライネナハトムジーク感想
◎◎連作短編集。1章2章は伊坂流伊坂節炸裂。例えば、ワールドカップで日本が決勝に進出したら彼女に告白します!なんてのは、他人本位だし、それが意中の人からでも、何か重い。そんなこんなを巧く描く伊坂。でも、全体を通しては、ボクシングに拘りすぎたのと、斉藤和義へのオマージュが少し面倒な感じもしたのだなあ。特に、書下ろしの最終章は特に必要なかったかも。でも、やはり伊坂。軽快だし軽妙。最後には時系列を並べたくなるも、別にいいやの余韻に浸れればよし。ナハトムジークの落とし方には笑ったよ。まあ、今年も伊坂は快調でした。
読了日:12月10日 著者:伊坂幸太郎

読書メーター

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by kotodomo | 2015-01-01 04:39 | 読書メーター