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「本のことども」by聖月

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2009年 03月 01日

2009年2月に読んだ本のことども(リンク:読書メーター)

2月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3414ページ

希望ヶ丘の人びと希望ヶ丘の人びと
◎◎本書『希望ヶ丘の人びと』は、母親が小学校、中学校時代を過ごした団地に、主人公である父親と、中学の娘、小学生の息子が移り住んでくる物語である。母親は既に亡くなっているのだが、母親の思い出が残る団地に、残された家族が思い出を偲ぶ意味も含めて移り住むわけである。でも、随分と様変わりしているようなのだが。で、これが面白い。久々に、重松清を楽しんだ評者なのである。元々、重松清読みじゃない評者なので、この面白さは『いとしのヒナゴン』以来である。肩の凝らないコミカルで人情溢れる重松節である。
読了日:02月25日 著者:重松 清
一回こっくり一回こっくり
◎◎内容も何も知らず、なんとなく図書の棚から借りて、なんとなく読み出し、1章から5章まであることに気付き、第1章の「弟」を読んで噺家の書いた人情話(しんみり哀しいほうの人情話)の連作短編集だと決め付け、4章まで読み進んでいたとこまではまだ人情話短編集だと思ったままだったのだが、4章の終わりにかけて鳥肌が立ってきた。そして、鳥肌の予告通りの第5章が始まる・・・。
読了日:02月23日 著者:立川 談四楼
老検死官シリ先生がゆく (ヴィレッジブックス F コ 4-1)老検死官シリ先生がゆく (ヴィレッジブックス F コ 4-1)
○テイストは、ほのぼのハードボイルドであり、構造は、色んな事件が最後にはピタリと収斂するモジュラータイプのミステリーであり、舞台は、共産国家ラオスの1970年代を紹介した珍しい小説でもある。ただねえ・・・気の利いた会話が、共産国家ラオスという読み慣れない舞台ということもあって、時々ピンと来なかったりするのがタマにキズなのかなあ。それでも面白い文庫本の拾い物である。このミス2009年版海外編でも、結構支持票が入っているので、興味ある方は読み逃しなく。
読了日:02月22日 著者:コリン コッテリル
暗闇のヒミコと暗闇のヒミコと
○事件の裁判事例を通して、作者が読者に問いかけるものは、『死亡推定時刻』と同じで、捜査や裁判を通じての日本司法における自白の偏重性にある。だから、くれぐれも、これを読んでいる皆様方におかれましては、たとえ不在証明ができなくても、たとえ罪を犯していたとしても、たとえ取調べがいかにきついからといっても、ユメユメ自白などなさらぬように。
読了日:02月20日 著者:朔 立木
蜘蛛の糸蜘蛛の糸
○黒川博行が最近こんな話を書いていたんだと思ったら大間違い。一番古い作品の「尾けた女」が1992年の作品で、多くの作品が1990年代もしくは2000年代初頭に書かれたものであり、“この15年くらいの間にこんなものも書いていました作品集”みたいな位置づけである。
読了日:02月17日 著者:黒川博行
船に乗れ! 1 (1)船に乗れ! 1 (1)
◎◎本書の中で、作者は音楽とかオーケストラというものに真剣に向かい合っている。多分、元々そちら方面に造詣は深いと思うのだが、それを作中に取り入れて、一般読者に読んでもらうためには、作家としての相当な技量が要求されるわけだが、本書ではそれを見事にやってのけている。そして・・・傑作である。
読了日:02月16日 著者:藤谷 治
真説・外道の潮騒真説・外道の潮騒
◎◎とにかく、どうでもいいようなことがダラダラダラダラ書かれていて、それでいて手垢のついていないような表現で思弁を手玉に取る、町田康という作家は凄いとしかいいようがない。ハマる人には大いにハマり、ハマらない人には、何これ?駄作?ってな感じなんだけど、評者的には聖月様的には大ハマりの久々のマーチダ爆笑節である。
読了日:02月15日 著者:町田 康
ダイイング・アイダイイング・アイ
◎悪くない。完成度の高い東野作品として読むと綻びだらけなのだが、読んでいて面白い。何が面白いかって、何を読まされているかわからないところが面白いのである。多分、このミス国内20位ランクインの作品たちとリーダビリティーでは遜色ないと思うわけで、そういう意味で東野作品としては完成度は低いけど、今の国内ミステリーの中では、まあまあの出来というのが評者の個人的印象のことども。
読了日:02月12日 著者:東野 圭吾
サーカス象に水をサーカス象に水を
◎◎そして何より、最後の最後がいいのである。サーカスを観に行った93歳の主人公と、サーカスの責任者との会話・・・さりげないやりとりなんだけど、泣くところではないのだけど、映画のクライマックスシーンのように心に沁みてくるのである。良書読みを自負する方、押さえ本であるのことども。読むべし、であるのことども
読了日:02月08日 著者:サラ グルーエン
傍聞き傍聞き
◎本書には、表題作「傍聞き」を含め、4編の短編が収められている。それぞれに共通するのが、まずこの傍聞きのようなひとつのお題が与えられており、そのお題に沿ってミステリー部分が構築されているところである。そして、もうひとつ共通する要素に二段オチになっていることがあげられる。賢い読者は、お題から考えて、ああこういうオチなんだと一旦は気付く。だが、その先に、読者が気付かないオチがあるという妙味があるのである
読了日:02月04日 著者:長岡 弘樹
荒野のホームズ〔ハヤカワ・ミステリ1814〕 (HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS (1814)) (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)荒野のホームズ〔ハヤカワ・ミステリ1814〕 (HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS (1814)) (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

読了日:02月01日 著者:スティーヴ・ホッケンスミス

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by kotodomo | 2009-03-01 07:21 | 読書メーター | Trackback | Comments(0)


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