2009年 04月 30日
先に、最新作『三国志男』を読んで大爆笑していたので、本書の評価は◎止まり。いや、可笑しくてしょうがないのは変わらないのだが、『三国志男』では冒険の展開が次から次で、そこに新たな笑いが生まれてくるのだが、本書では“外国人観光客から少しでもお金を取ろうとするインド人”という構図のワンパターン化で、後半は可笑しみが薄れてくるからである。 『三国志男』の書評の中で書くのを忘れたが、この著者の作品はブログ形式である。いや、ネット連載形式と言ったほうがいいか。本書も【ふりむけばインディアン】というネット記事を出版化したもので、本を読まずとも同じ内容がネットに掲載してあるので、お金を払ってまで買う必要はない。評者の場合も、図書館から借りたので無料・・・逆に本になったものより、ネットのほうが掲載されている写真が見やすいので、いったん読了された方も、是非ネットで読みなおしてくださいませのことども。 とにかく、この本に出てくるインド人たち、可笑しいほどに観光客から金をむしり取ろうとする。自転車タクシーに乗って目的地を告げ、料金交渉をする。100ルピーで話がついて乗り込む。さあ、着いたぞ!ここはどこ?俺の知り合いの絨毯工場だ!なんで?まあ、買わなくてもいいから見るだけ見てってくれ!いやだ、早く目的地に行け!わかった、わかった・・・さあ、着いたぞ!150ルピーだ!なんで?100ルピーだったじゃないか!ゴニョゴニョ・・・そんな風に、いちいち金の話になってしまうのである。こういう話がバリエーションを変え延々と続くので、乗り切らない読者には少し退屈かもしれない。 それを補うのが、インパクトのある写真群である。ネットのほうから写真を盗んでくるわけにもいかないので、是非【ふりむけばインディアン】でご確認をm(__)m とにかく、評者は、こういうお馬鹿な文章は大好きである。是非、是非、ネットでいいから御一読を。(20090429) ※こりゃあ、『中国初恋』も読まにゃのことども。(書評No880) 書評一覧 ↑↑↑「本のことども」by聖月書評一覧はこちら
by kotodomo
| 2009-04-30 08:27
| 書評
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