2009年 10月 12日
彼女とのデートで、いきなり“私、あと1週間で死んじゃうし・・・”と朗らかに言われるところから、この物語は始まるのです。 彼女も僕も高校生で、でも僕の両親は海外に居て、彼女の両親は娘の最後の1週間を思うままに過ごさせたいわけで、そういう二人の1週間の物語なのです。 今まで躊躇っていたロリータデビューをし、好きなカレーを食べて、二人でお泊りして・・・。 と、珍しく、粗筋をわりと丁寧に書いてみた評者なのだが、そうでもしないと間が持たないというか、結局、この物語は最後の1週間の過ごし方の物語でしかないわけで、大枠を語って、こういう本ですとしかいいようがないのである。 ただし、感想を言わせてもらえば、他の嶽本野ばら作品と比べて、少し冗長。言葉を選び、文章を練りこみ、静謐な物語に仕上がってはいるのだが、1週間物語だけで傑作を描くのは中々困難な話のわけで、読みながら、少し退屈な感じがするのである。 あっ!これだけは、読みながら思った!高校生は、もう少し勉学に励む姿勢が大事です。若い時に、こんな大喪失感恋愛物語を体験したら、その後の人生はおまけになってしまいますよ。(20090929) ※次の野ばら作品は、多分『カフェー小品集』(書評No917) 書評一覧 ↑↑↑「本のことども」by聖月書評一覧はこちら
by kotodomo
| 2009-10-12 11:08
| 書評
|
Trackback
|
Comments(2)
Commented
by
sakura-kanade at 2009-10-15 12:57
ごぶさたしております!
最近野ばらさん、かなり読破ですね。 私は現在積読状態で、野ばらもの、たまりにたまって きています(^^ゞ
0
Commented
by
聖月
at 2009-10-16 09:46
x
|
アバウト
カテゴリ
ことどもカテゴリ
意外と書評が揃っているかもしれない「作家のことども」
ポール・アルテのことども アゴタ・クリストフのことども ジェフリー・ディーヴァーのことども ロバート・B・パーカーのことども アントニイ・バークリーのことども レジナルド・ヒルのことども ジョー・R・ランズデールのことども デニス・レヘインのことども パーシヴァル・ワイルドのことども 阿部和重のことども 荒山徹のことども 飯嶋和一のことども 五十嵐貴久のことども 伊坂幸太郎のことども 伊集院静『海峡』三部作のことども 絲山秋子のことども 稲見一良のことども 逢坂剛のことども 大崎善生のことども 小川洋子のことども 荻原浩のことども 奥泉光のことども 奥田英朗のことども 香納諒一のことども 北森鴻:冬狐堂シリーズのことども 京極夏彦のことども 桐野夏生のことども 久坂部羊のことども 黒川博行・疫病神シリーズのことども 古処誠二(大戦末期物)のことども 朔立木のことども さくら剛のことども 佐藤正午のことども 沢井鯨のことども 柴田よしきのことども 島田荘司のことども 清水義範のことども 殊能将之のことども 翔田寛のことども 白石一文のことども 真保裕一のことども 瀬尾まいこのことども 高村薫のことども 嶽本野ばらのことども 恒川光太郎のことども 長嶋有のことども 西加奈子のことども 野沢尚:龍時のことども ハセベバクシンオー様のことども 初野晴のことども 花村萬月のことども 原りょうのことども 東野圭吾のことども 樋口有介のことども 深町秋生のことども 『深町秋生の新人日記』リンク 藤谷治のことども 藤原伊織のことども 古川日出男のことども 舞城王太郎のことども 町田康のことども 道田泰司大先生のクリシンなことども 三羽省吾のことども 村上春樹のことども 室積光のことども 森絵都:DIVEのことなど 森巣博のことども 森雅裕のことども 横山秀夫のことども 米村圭伍のことども 綿矢りさ姫のことども このミス大賞のことども ノンフィクションのことども その他全書評一覧 最新のコメント
最新のトラックバック
|
ファン申請 |
||