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2005年 01月 03日
なんというか、これが新人の登竜門〇〇賞の受賞作であれば、全体の構成も中々うまく作ってあるしいいんじゃないの、というところなのだが、結局そうではないわけで、一読書人として素直に感想を言わせてもらえばワンアイディアで書かれた小説は深みがないなあ、というところなのである。既評作品も合わせて考えたときに、〇『1985年の奇跡』は別にして(単なるベタコミカル小説なので)、◎『交渉人』、◎『安政五年の大脱走』と大体大きなワンアイディアを中心に据えて書いてきた著者ではあるのだが、それでも、これまでは評価記号の通り途中の書き込みとかはそれなりに優れた部分があったのである。しかしなあ、今回はなあ・・・。まずはいきなりの難題“息子をある大学へ入学させてくれ”の解法がしょぼい。凄いやり方が出てくるのかと思えば、真っ当過ぎて面白くない。まあ、それでもこのやり方、後半を生かしていく上でのプロローグみたいなもんなんだけど、でもしょぼい。あと、区議会の代議士先生が出てくるのだが、この人物の描写がアンバランス。馬鹿な息子を持つ区議、政治的には立派な男も子育てには失敗、そこまでの描写はわかるのだが、一応常識的なこの男が、トランプのA(エース)が一組に何枚あるか知らないという描写はいかがなものか?手役4カードの話をしたら、じゃあ5カードになったときはみたいな話が勘違いで出るのは真実味がまだあるが、結局トランプの構成すら知らないなんてあまりにも特異な人物の登場なのじゃないかな? そして一番納得いかないのが、1対1の10億勝負なんて、普通相手が受けてくんないよ(笑)とあえて大声で言わせていただきたい設定の部分である。リベンジするのに直接相手にリベンジ申し込んで、相手がいいぜというのはおかしい。もっとわからない方法でリベンジを図り、最終的にしてやったりというのが昔からの小説作法ではなかったのかなあ。 と、いきなり文句ばかり並べてしまったが、本書はコンゲームな物語である。騙された主人公たちが、騙した相手を騙し返そうという物語なのである。わあ、面白そう!と思うかもしれないが、それなりに面白いのである。じゃあお薦めかというと、この程度の小説読んで喜ぶくらいなら『百万ドルを取り返せ!』ジェフリー・アーチャーのような本物の作品を読んだほうがいいよ、そういう風に言いたい評者なのである。ついでに『ケインとアベル』も良かったね、詳しい内容は忘れたけどとも付け加えておこう。(20050102) ※なんか、途中から読むのが面倒になってきて、最後の150頁を15分で読んじまった(書評No456) 書評一覧 ↑↑↑「本のことども」by聖月書評一覧はこちら
by kotodomo
| 2005-01-03 10:08
| 書評
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