2005年 01月 08日
最初でハッキリ言っておこう。今回の評価は、大甘評価。◎=非常に面白い、ではない。通常の尺度では、評価不能な本である。ただ、よろしければ是非お子様へと薦めたい本ではあるので、評価を◎にさせていただいた。そうなのである。本書はれっきとした絵本なのである。児童書の類いでもない。絵本なのである。絵はヘレン・オクセンバリー、訳はこだまともこで、"全国学校図書協議会選定図書"であり、"日本図書協会選定図書"なのであり、すこぶるお子様向けの本なのであるが、嫁さんと娘二人に薦められて読んで、5分で読み終わったものの、やはり誰かに紹介したくなったのである。 シュールでコミカルなお話である。"3びきのこぶた"のパロディであるのだが。 むかし、むかし、オオカミのきょうだいが3びき住んでいました。あるとき、いっしょに暮らしている母オオカミが言いました。おまえたちも、そろそろじぶんたちで家をたてて住みなさいと。3びきはべつべつではなく、3びきいっしょに住める家をたてることとしました。いきなりレンガで家をつくりました。そこへ大ブタ君が来て、おれを入れろと大騒ぎ。オオカミたちが入れないでいると、大ブタ君、でっかいハンマーで家をこわしてしまいました。逃げ出した3びきのオオカミは、こんどはコンクリートで家を。大ブタ君は、その家を工事用ドリルで破壊、そこで次はもっと頑丈な家を…。 話も面白いが、お子様よりは大人が読んだほうが笑える描写がチラホラ。短いお話なのに、新しい家を建てた直後、なぜかオオカミたちがテニスをしている描写があったり、逃げ回るオオカミたちの絵を見ると、必ず手にお茶の急須を持っていたり、最期に大ブタ君とオオカミがなかよくなって、オオカミが「ずっと僕たちと一緒に暮らしてもいいよ」というと、大ブタ君は後先及び過去の経緯は顧みず「じゃ、そうしよかな」とあっさり答えちゃったりするし。 絵本の世界も最近では結構シュールなのだと理解しながらも、ひねくれた発想が大好きな下の娘のインプットを垣間見たような気がした評者なのであった。(20030920) ※千葉県に聖月ファンクラブ第一号を名乗る、現役美人OLがいらっしゃる。「本のことども」を始めた際に、いきなりファンクラブ第一号宣言をしただけの経緯にあるのだが(笑)、その現役美人OLはこれ既婚であり、小唄とう名の風流な名前の息子殿がいらっしゃる。"この聖月さんて人は、これから毎週2冊本の感想を書いていくんだって。年間104冊くらい。大変だねえ、聖月さん""そんなことないよ。絵本を読んで感想書けばすぐじゃん"って会話があったことを当時メールで知らせていただいたが、、、「小唄君よ、確かに絵本の紹介って楽じゃったよ。キミの予言は正しかった。だが、絵本もバンバン読むには値段が高いようじゃ。」 書評一覧 ↑↑↑「本のことども」by聖月書評一覧はこちら
by kotodomo
| 2005-01-08 13:13
| 書評
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Tracked
from 日曜日生まれ!
at 2005-03-24 23:47
タイトル : 3びきのかわいいオオカミ
もう とんでもない わるブタが、かわいいオオカミたちのつくる家を次から次へと破壊していきます。 息子に先に読んで聞かせてあげたのは「3びきのかわいいオオカミ」です。 ですので「三びきのこぶた」はそのあとに知ることとなりました。 保育園で初めて「三びきのこぶ... more |
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