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「本のことども」by聖月

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2005年 06月 19日

〇「十八の夏」 光原百合 双葉社 1600円 2002/8


 表題の『十八の夏』で日本推理作家協会賞を受賞し、単行本としてもこのミス2003年版で国内6位にランクインした作品である。

 しかしながら、評者にはイマイチ。一番話題になった表題作『十八の夏』を含めたすべての作品(本作は短編集である)を読みながら、途中からある程度の結末が見えていたことと、前作『時計を忘れて森へいこう』でも気になった筆遊びの文体が、今回もやはり評者のお気に召さなかったからである。

 表題作『十八の夏』。浪人の決まった青年が、川辺で出会った年上の女性。その女性に心惹かれる青年は、勉強場所として同じアパートの一室を借りる。部屋を訪ねて行っての、二人の交流が始まる。女性の部屋には、4鉢の朝顔が育てられており、その鉢ごとに、それぞれ奇妙な呼称が与えられている。その女性は、どの鉢の朝顔が最初に花開くかに興味を持っているようなのだが。

 とにかく、光原百合。今のところ評者は、多くの他の人ほど感性が合わないようなのである。ただ、読んでいて思ったのだが、彼女の作品、女性読者には一般的に合うのではないだろうか。(20021230)


※ 運良く図書館で借りる。

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by kotodomo | 2005-06-19 16:54 | 書評 | Trackback | Comments(0)


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