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2005年 12月 03日
今の子供たちはどうなのか知らないが、評者ぐらいの年代だと、小さいときに、よくチャンバラごっこをしたものである。屋外で木枝なんかを使ってすることもあったが、一応地方の中央都市の下町っ子であったので、屋内でやることも多かったよなあ。勿論、そういうときは木枝なんかを家に持ち込むことは出来ないので、それらしき道具を持ち寄るわけだ。プラスチックの日本刀モドキが一番の主流。でも全員がそんなの持っているわけもなく、評者なんか黄金バットの黄金の杖を持っていってたわい。おお、ピストルもありね。光線銃もありね。何を考えているのか、っていうか、多分そんなのしか家になかったんだろう、相撲の行司の軍配を持ってくるやつもいたし。そいでもって、自分が持ってきた道具で戦うわけじゃないの。じゃんけんで、道具を選ぶの。強そうな武器から取っていくんだけど・・・最後のほうにはハズレしか残っていないの。勿論、軍配もハズレなんだけど、本当に人気が無かった武器に十手があったの。なんで人気がないかというと、みんな子供だから使い方がわかんないの。刀を受け止めるまではいいんだけど、全然攻めていけないのが不人気の理由だったの、ははは。ところが、おとめ三人組の萩乃の持つ十手(表紙カバー右ね)といったら、こりゃあ攻めの武器。女平賀源内といえば聞こえはいいが、最後にはポキンと折るだけで蚊を撃退する蚊取り線香を取り出すあたりは、女ドラえもんって感じかな。そんな彼女の十手は、相手の刀を受け止めると、そっからスイッチ一発エレキテル攻撃なのである。いわゆるスタンガン。 三人組の中でも、装束がカッコイイのが女武者の桔梗(表紙カバー左ね)。多分、この人はジャンケン勝ち組だね。だって刀以外に脇差まで(^.^) あ、そうそう、チャンバラで手裏剣は人気あったね。だって、弱気の子供でも、投げるだけでいいんだもん。はい、女コマネチ小蝶(表紙カバー上段ね)の武器は棒手裏剣。 そんな三人が活躍する話・・・は、後半、最後の最後のみである。まあ、読んでみて。 本書『紅無威おとめ組 かるわざ小蝶』は、この作者の常で江戸物なんだけど、洒落本っていうか、滑稽本っていうか、『伊賀のカバ丸』的っていうか・・・多分、本書は、これまでの作者の作品群の中で、少女マンガとして描いたら一番受ける話なんじゃないかな。乙女チックな色恋もあるし。逆にいうと、小説としては一番軽いかな。軽い上に、これまで他の作品群で登場した退屈姫君シリーズの倉地政之助だら、『紀文大尽舞』で出てきた紀伊国屋の親娘の話だら、全作品を通じてほとんど出てくる田沼意次親子話だら、色んなものがごっちゃになっているので、米村圭伍初読の方には、ちょっと印象が薄い作品で終ってしまいそうである。 米村圭伍ファンにとっては、いつもの気軽に読める娯楽本番外編ってとこかな。ただ、読んでおかないと、この人の他の作品でまた彼女たちのうちの誰かが活躍するやも知れず、やはりそういう意味では、読んでおきたい一冊である。(20051203) ※この作家の作品の面白味っていうのは、非常に落語的、講談的(^.^)(書評No598) 書評一覧 ↑↑↑「本のことども」by聖月書評一覧はこちら
by kotodomo
| 2005-12-03 14:40
| 書評
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