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2006年 06月 25日
人はうろ覚えの言葉を座右の銘とか好きな文句とかにする場合があるわけで、評者の場合、多分、太宰治の文庫『パンドラの函』にその昔併録されていた「正義と微笑」の中の最後のほうに書かれていた文章“(素直に歩いていこう・・・みたいな文章の後に続く)思わせぶりを捨てたなら、そこは意外に平坦な道らしい”というのがそれである。例えば、若い時分の男性なら、女性にモテタイとか、女性とヤリタイとか、なるべくなら多くの女性に好かれたい(ヤル気もないのに)という輩が多く見受けられる。評者もそうだったのであろうが、結婚もして子供もいて、今の生活が一番いいやなんて安穏としてくると、女性と接しても肩に力が入ることもなく、たまにセクシーダイナマイトな女性だと股間に力が入ることはあったとしても、少なくとも、まあ自然体で臨むことができるわけで、そういう意味ではもう老成している評者から見ると、イマドキの若い未婚の男性の女性への接し方は、もっと肩の力を抜いて接せんとアカンよベービー坊やと思うわけである。 異性とのことに留まらず、出世だとか、金儲けだとか、運動選手だとトップになりたいだとか、そんな欲というかこだわりというか、そんなものがふと無意味に感じて世の中を見回したとき、要するに人生というものを肩の力を抜いて眺めると、意外と平坦な道が広がっているものである。 書評サイト運営なんてものもそうで、評者も5年前に始めたときは人気サイトになりたいとか、アクセス数を増やしたいとか、喫茶店で茶を啜っていたら隣のOL二人組みが“本のことどもの聖月っちってさあ・・・”なんて話を小耳に挟みたいなんて思っていたものだけど、最近は肩に力を入れようにも、本を読めずに書評の更新が滞っているだけに留まらず、ほぼ毎日更新の日常のことどもも書かなくなってきた今日この頃で、そうすっと当然のごとくアクセス数なんかも目に見えて減ってきているわけなんだけど、まあいいか、なんて思ってしまい、ついでにブログをやめてみるのも悪くはないか・・・と、心の2%くらいで思ってしまうのは、実際にはやめることはないのだけど、ひとつ肩の力が抜けてしまっていることの証左で、まあサイト開始以来大体のことはやってきたので(リアル本屋にリアル「本のことども」コーナーが出来たり、地方新聞にとりあげられたり、オフ会で知り合いが増えたり、記事が縁で作家さんと飲んだり・・・)、あとはサイトを訪れた人が見やすいようにマイナーチェンジな改造をと思っているくらいなのである。 で、なんでサイトをやめる気がないのかというと、少なくとも顔を知った友人知人が10人くらいは読んでくれているのがわかっているからであり、“元気にこんな風に過ごしているよ(^.^)”という発信なのであり、例えば、たまたま先日このミス作家さんたちと飲む機会があったことも、記事的には“どうや!凄いやろう!”的に書いてはいるけど、自分としては縁についてのことを書いているだけで、今度その友人知人たちに会ったときの話題にでもなれば・・・そんな感じで書いているようには見えない?のも聖月節の特徴だから仕方がないのことども。 本書『町長選挙』は、『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』に続くトンデモ精神科医伊良部シリーズの第3弾で、「オーナー」「アンポンマン」「カリスマ稼業」「町長選挙」の4つの短編が収められている。どの作品にも共通していることは、トンデモ精神科医伊良部の活躍?と、アホな病を持つ人物たち、そして思わせぶりを捨てたならそこは意外に平坦な道らしいという落ちである。まあ、精神的な病というのは、そんなもんなんだろうけどさ。 そして、「町長選挙」を除く最初の3編だけで考えた場合、今回のこのシリーズは有名人パロディ編と位置づけることもできる。2作目『空中ブランコ』が職業編、そして今回が有名人パロディ編てな感じである。マスコミ編でもいいかな。&この3編については、まっこともって連作短編集の色が強めで、伊良部にお世話になった(?)各編の主人公たちが他の短編でも取り沙汰されるところが、また読んでいて楽しいところである。 「オーナー」権威ある新聞社&プロ野球チームのオーナーの病とは?この人物ナベツネじゃないよ。ナベマン。 「アンポンマン」一人勝ちのIT産業の寵児はその後逮捕され保釈されたけど、その人がモデル。 「カリスマ稼業」44歳にして歌劇団出身のカリスマ女優の人気の秘密は、その見た目の若さ・・・って、これ誰がモデルなのか芸能界に疎い評者はわからん。小鳩くるみか(笑)。 「町長選挙」評者の出身地は鹿児島。そこの徳之島ってところは、毎回選挙のたびに町が二分。負けたほうは4年間冷飯食い。土建の覇権争い選挙。そんな感じの伊豆の小さな島が舞台。 最近、本が読めていなかったが、休みの本日日曜午前中で楽しく読み切りましたのことども。(20060625) ※毎月12冊くらいのペースで読めていた昨年までの5年間。今年は5月に4冊、6月はまだ3冊・・・だけど、まあいいか(^.^)(書評No653) 書評一覧 ↑↑↑「本のことども」by聖月書評一覧はこちら
by kotodomo
| 2006-06-25 14:32
| 書評
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Trackback(11)
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Comments(3)
はじめまして。こうじょうコム管理人のみつと申します。
書評について書かれているのを読んで書き込みさせていただきました(^^)。コメント欄にすみません(^^;)。 今、多くのブロガーの皆さんと協力してブログのリンクサイト「こうじょうコム」(http://kojo-com.main.jp)を運営しているのですが、もしよろしければリンクさせていただけないでしょうか? 会社ではなく皆さんとの協力で運営しているサイトなので、比較的アットホームな雰囲気になっています。 ブログ紹介にも力を入れています。ブログ生活のプラスαとして是非ご活用ください。 お友達をお誘い頂いても構いませんので、是非ご一緒にご参加ください(^^)。 もしよろしければ下記項目をリンク登録フォームにお願い致します(^^)。 お名前: タイトル: ブログのURL: 希望ジャンル(5個まで): 紹介文(50字程度): ジャンル分けや紹介文の作成が面倒な場合は「リンクフリー」とだけ書いていただければこちらで振り分け等させて頂きます(^^)。 唐突なお願い失礼致しましたm( _ _ ;)m。
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みつさん こんにちは(^.^)
あとで覗いて考えてみますね。
コメント欄に失礼致します。こうじょうコム管理人のみつです(^^)。
リンク登録が完了しましたので報告致します。 間違い・訂正等がありましたらご連絡ください。 ブログ紹介に力を入れて運営していきますので、今後のブログ生活のプラスαとして是非ご活用ください。 また、新しい分野・世界に興味を持つきっかけにして頂けると嬉しいです。 何かありましたら気軽に連絡してくださいね(^^)。 リンクして頂きどうもありがとうございます。 今後ともよろしくお願い致します(^^)。 こうじょうコム http://kojo-com.main.jp/ |
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