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「本のことども」by聖月

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2007年 01月 07日

〇「邪魅の雫」 京極夏彦 講談社ノベルズ 1680円 2006/9


 年末年始、パチンコ冬ソナに明け暮れていた評者なのである。大晦日も、元旦も、嫁さんが朝10時にパチンコ屋まで送ってくれて、夕刻迎えにきてくれるアットホームなパチンコライフである。ちなみに、新婚の頃は、評者がパチンコに行くというと、嫁さんは張り切って弁当を作ってくれたりしていたわけで、そういう意味からしても生まれ変わっても今の嫁さんと結婚すると言って憚らない評者なのだが、パチンコ冬ソナに明け暮れていると、チェジウでもいいかも♪って思ってしまうのはいかんか?

 そんでもって、パチンコの合間に読書をチョビットやっていたわけで、結局何が言いたいのかというと、パチンコ京極堂物語みたいな新台を出したらええんでねえかなあ、なんてことである。

 ノーマルリーチ、小説家関口の登場。これが、よっぽどのことがないとかからない。だから、みんな関口が嫌いになる。リーチがかかって関口が出てくると“また関口かよお”とパチンカーたちは舌打ちするのである。

 発展リーチ、“関口君、この世の中に不思議なことなど何もないのだよ”なんて言いながら京極堂登場。憑物落しに期待♪かかるかな♪ところが薀蓄が長すぎてタイムオーバーでかからなかったりするわけである。

 わはははははははははは!!!スペシャルリーチ!勿論榎木津登場!関口の頭の上になんだか画像が・・・その画像がハッキリしてきて・・・777!!!プレミアムな予告!!!

 って、パチンコしない人にはわからんだろうけど、わかる人にはわかる話で、なんでこんな話したのかというと、パチンコ台になってもいいくらいキャラが立っているということである。ルパン三世というパチンコ台なんかも、ルパンの漫画は読まなくても、五右エ門や次元やフジ子ちゃんのキャラを知っていればそれなりに楽しいわけで、本書も読者にとっての楽しみは、キャラの活躍にあるんじゃないかと思うのである。

 実は評者はこのシリーズ、一番嫌いなキャラは京極堂である。薀蓄が嫌いである。ところがところが、今回、本書の最初で語られる薀蓄が書評のことなので面白く読めたのである。京極堂の口を借りて、作者は“凡百の書評と違って、「本のことども」の聖月さんの書評こそが書評である”と言い切っているのである。書評には4つの種類があるという。①粗筋を記したもの②提灯記事③個人的感想・・・そして④それ自体が優れた読み物である=本のことども。勝手なこといいやがってと思っているそこのあなた、まあ騙されたと思ってこの書評を読んでみたまい→『ペンギンの憂鬱』!!!

 そして、勿論、一番好きなキャラは名探偵榎木津である。榎木津の出ているパートは素晴らしい。笑う。グフフ。でも、出番たったこんだけ?上下段800ページもあるのにこんだけ?少ない・・・まあ、作者も榎木津人気はわかっているだろうし、ひとつの戦略なんだろうけど、それでもなあ。

 ということで、本書は発展リーチもスペシャルリーチも中々かからないパチンコ京極堂物語なのである。小説家関口、脇役益田、普通の警官青木のリーチがかかるのみでおおよその頁を費やしてしまう特徴のない台なのである。

 最終的に、作者のまとめ方、収斂の方法は中々見事で、島田荘司なんかの大風呂敷のたたみ方なんかと比べても、さすが京極、直木賞作家とは思うんだけどねえ。(20070106)

※図書館で借りれたから読んだ本である。(書評No687)

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by kotodomo | 2007-01-07 10:24 | 書評 | Trackback(1) | Comments(0)


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