
前作『シリウスの道』の書評を書いた際、評者はこう結んでいる・・・
あのイオリンが、病魔と闘っているのなら、復活を大いに期待している。応援している。手記ではなく小説が読みたい・・・
癌と闘っているイオリン。悪い方向に考えたくはなくても、もう小説では出会えないかと思っていた。正直言って本書『ダナエ』は過去に書いた短編を三作載せた作品集なのだが、それでも小説で出会えて嬉しかった評者である。評者の場合、大好きな藤原イオリンの作品が雑誌に掲載されていることを知ったとしても、基本的に雑誌小説は読まないことにしているので三作品とも初読で、今年の藤原イオリンとしてわざと錯覚しながらも読めるのである。しかし、作品のレベルは、あの傑作短編集『雪が降る』と比べると全体に低調であるのだが。
まあいい。藤原イオリンが読めればそれでいい。ああ、もっとイオリンが読みたい。(20070422)
※あっと言う間に読み終わる大文字活字の作品集でした。(書評No712)
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