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2008年 05月 14日
その昔、『人麻呂の暗号』藤村由加(←ちなみに、この藤村由加というのは、女性執筆者4名から一字ずつ取ったもので、一人の人物のペンネームではない)を読んだ記憶があるが、ああいう小説は評者の好みではない。たとえば、『邪馬台国はどこですか?』鯨統一郎も、このミスにランクインして話題を呼んだが、ああいう小説も好きくない。 評者が好んで読むところの荒山徹。初期の頃の作品は大大大好きなのだが、例えば最近の『柳生大戦争』なんていう小説もうんざりしながら読んだしなあ。 結局、『人麻呂の暗号』は作者の新しい万葉集論を、『邪馬台国はどこですか?』は作者独自の邪馬台国論を、『柳生大戦争』は作者の朝鮮史観を論じたものでしかなく、そこに登場人物を配して物語風に作られているだけで、だったら小説の形式ではなく、論文形式で出してくれればいいのに、そしたら退屈しながら読んだりしなかったのに、プンプン!というのが評者の印象なのである。 本書『おたから密姫』も同様。評価◎◎を付けた『おんみつ密姫』のシリーズ続編なのだが、そこに描かれているのは、作者のかぐや姫論なのである。かぐや姫、もしくは竹取物語の世界に描かれているのは表面的には空想物語なのだが、実は深層にこういう意味がある、みたいな作者の持論なのである。だったら光文社新書かなんかで“かぐや姫=さおだけ屋の始祖はなぜ潰れないのか・・・語り継がれる物語の真相”なんて題名で出してくれれば、贔屓にしている米村圭伍の作品と雖も読まなくて済んだかも、なのである。 そういうことで、物語形式のかぐや姫論に興味のある方にはお薦めするが、姫君シリーズ(めだか姫や本書の密姫)の姫の活躍に期待する向きには、あまりお薦め出来ないのであるが、今後のシリーズ内で本書に触れる部分があるかもしれないので、やはり読むんだろうなあ、米村圭伍ファンは。(20080507) ※やはりこの作家の代表作は『退屈姫君伝』以降出てこないなあ。(書評No795) 書評一覧 ↑↑↑「本のことども」by聖月書評一覧はこちら
by kotodomo
| 2008-05-14 08:42
| 書評
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