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「本のことども」by聖月

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2004年 11月 14日

◎◎「MOMENT」 本多孝好 集英社 1680円 2002/8

◎◎「MOMENT」 本多孝好 集英社 1680円 2002/8_b0037682_933514.jpg
 またしても、今この原稿を書いているのは鹿児島の書斎。一昨日から、久々の娘たちとの時間を堪能している評者である。気付いたのだが、子供っていうのは(娘二人は小学4年生と1年生)会話の間が空く気まずさというのに無縁のようである。決して、そういう間延びな時間に鈍感なわけではない。そういう間を感じると“じゃあ、パパに問題♪”と言って、いきなりクイズを出すお年頃のようなのである。お蔭でパパ評者の頭はクイズモードなのである。で、本書『MOMENT』にちなんでオリジナルなクイズを(笑)。“月経の閉じた(←いきなりなんじゃあ!)女が、本を読んで一人呟いたとさ。さて何の本を読んで何と言ったでせう?”頭のいい読者諸氏ならもうおわかりだろう。“じゃあ、答えです。『MOMENT』を読んで「もう、産めん」と”。なに?馬鹿馬鹿しい?それより何より、一緒に掲載した上のあの写真は何かって?洒落です。

 さてと、そろそろ本題に入らせてもらおう。最近、村上春樹の『アフターダーク』を読みながら、“自分が求めている僕の冒険はここにはない。あの独特の会話の妙も、ここには希薄。一体、自分が好きな村上春樹の文章はどこにいったやら。やれやれ”と思っていたのだが、な~んだ、こんなとこにあったじゃないか、本書『MOMENT』の中に。感覚的には、まさしくそれ。本多孝好が村上春樹読みかどうかは知らないが、本書にぶち込まれている気の利いた感性は、まさしくそれなのである。だから未完成な構成部分も目につかないこともなかったのだが、未完成には目を瞑り感性に瞠目しての評価◎◎なのである。別の言い方をすれば、注文がないでもないが(例えば森野のキャラ。男言葉を喋る女キャラは好きくない評者である。そんな稀有な想像し難いキャラを配置するより、可愛らしいキャラをお茶目に配置したほうが・・・って、俺ってオヤジ?)、こういうシリーズの話を読み続けたいと感じさせてくれるパワーを内包する小説という意味では、楽しい読書でしたということである。

 舞台になる病院には伝説が存在する。死と向かい合う患者の望みをかなえてくれる仕事人というのがいるらしい。その病院で掃除アルバイトに励む主人公の青年。その主人公に話しかける患者。こう問う。死ぬその瞬間て、何を考えるんだろう。そう、死の間際、MOMENTには。

 多分、評者の場合、希望的観測を交えて言うと、娘たちのことを思って死に臨むのが理想なのだが、どうもこの2、3日のことから考えると、娘たちの出したクイズの答えや、逆に評者が自分で捻り出そうとするクイズについて考えながら死にそうである。もう、クイズ姉妹なのである。昨日は昨日で、上の娘が“じゃあ、パパ。桃太郎って10回言ってね♪”評者“桃太郎×10”上の娘“じゃあ、カメをいじめていたのはだあれ♪”俗に言う、つられ問題っていうやつである。つられないように、浦島太郎!って答えて、ブッブー、正解は、カメをいじめていたのは子供たちでしたあ♪って、あれさ。そしたら、何と!我が10歳の娘からこういう問題が出されたのだ!“じゃあ、パパ。ラブホテルって10回言ってね♪”^_^;???まあ、ラブホって言わない分いいか。“ラブホテルかけるじゅう”上の娘“じゃあ、問題です♪パパはラブホテルって何回いった?”評者“じゅっかい・・・かなあ?”娘10歳“へえ、パパって、ラブホテルに10回も行ったんだ、へえ~♪” ^_^;^_^;^_^;でも、それ以上特段の反応や突込みをしないパパ評者なのである。へえ、この子たちの中で、ラブホテルってどういう意味を位置を占めてんだ?なんて疑問はあるんだけど。でも子供の世界だからね。

 とにかく、この2、3日、頭の中はクイズなのである。え?写真?だから、あれは洒落だって。クイズにしてもいいけど、どうせ答えはわかんないからさ。あの写真は『MOMENT』=「木綿と、連続無人木綿豆腐製造装置」って・・・・わけわかんないことすな!自分!(20041113)

※一昔前の話題作をゆっくり図書館から借りてみました。十年は一昔っていうけど、図書館の本の場合は、一昔は二年かと(書評No431)

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by kotodomo | 2004-11-14 09:04 | 書評 | Trackback(7) | Comments(13)
Tracked from 読んだモノの感想をわりと.. at 2005-04-12 00:07
タイトル : Moment (本多孝好)
病院を舞台にした人間ドラマ。一応長編小説ということになっていますが、ほぼ連作短編集です。 小説としての目新しさはなくて、繰り返し採り上げられてきたテーマを繰り返し使われてきた手法で料理し、それを今風の軽やかでちょっと斜めに構えたような気分でまとめ上げている印象。独自のカラーは感じるものの、全体的に大人しめ。 文章は読みやすくてリズムが快適です。文体自体はスリムで簡潔ですが、それでいて場の雰囲気はしっかり演出されていて、かなり上手いと思います。能書や解説的な記述がほとんど無くて、状況の描写や...... more
Tracked from +++ こんな一冊 +++ at 2005-10-02 09:10
タイトル : MOMENT*本多孝好
☆☆☆☆・ ... more
Tracked from ミチミチ at 2005-11-02 23:15
タイトル : 「MOMENT」
「MOMENT」本多孝好 story  大学4年生の僕。病院の清掃業務のバイトをしている。この病院には死に直面したときに最後の願いを叶えてくれる人がいるという噂があった。あるひょんなことから、ある末期患者の願いを叶えた。そのあと、この噂は僕自身のことに変化していき・....... more
Tracked from 徒然なるままに at 2005-11-30 17:30
タイトル : 〔book〕本田孝好/MOMENT
MOMENT本多 孝好 集英社 2005-09by G-Tools 『人生の終わりに、人は誰を想うのだろう』 ********************** その病院には、死を目前にした人の前だけに現れて その人の願いを叶えてくれるという必殺仕事人伝説があった。 その病院で掃除夫のバイトをしていた神田は、 ..... more
Tracked from 乱読日記 at 2005-12-02 22:13
タイトル : MOMENT
本多 孝好 MOMENT 短編が集まっている感じだったので、読みやすかったですね。日常を侵害されないので(笑)長編のものだと、読み終わるまでで一日が終わってしまう…。さくさくっと読んだのだけれど…。純粋な”感動”とはちょっと違うかも。ちょっと推理... more
Tracked from 本のある生活 at 2006-05-02 12:34
タイトル : 「MOMENT」本多孝好
MOMENT 本多さんの作品は「MISSING」「ALONE TOGETHER」に続き3作目ですが、これが一番好きです。文章の巧さ、美しさは変わらないのですが、読後感のほろ苦さ、爽やかさ、暖かさがよかったのです。 あの病院にはね、以前から語り継がれている一....... more
Tracked from 月灯りの舞 at 2007-12-05 13:59
タイトル : 「MOMENT」
あなたが余命を宣告されてしまい、 たった一つだけ願い事が叶うとしたら、 何を願いますか? その願い事は、魔法じゃなくて実現可能なことに 限ります。 先月の旅のお供に読んだ文庫本は そんなことを考えさせられるお話だった。 本多孝好の二冊目。 「MOM... more
Commented by at 2004-11-14 18:09 x
意味のわからんオヤジギャグ、という風のウワサを聞いて覗きにきましたが、ほほお、ソーエーマシンですか。

それにしても恐るべし小学4年生、ですね。
Commented by 聖月 at 2004-11-14 23:42 x
おお!道田大先生!

意味がわかるとか、別にして、国務省を通じて抗議の電話が・・・
で、ソーエーマシンて何ですか?
儲かるのでしょうか?
Commented by notaro_hinemojira at 2005-04-12 00:20
こんにちは。本多孝好って伊坂幸太郎と同い年のようですね。作家と年齢って相関関係乏しそうだけど。個性全開の伊坂幸太郎に比べて、本多孝好は大人しく感じました。他の作品はどうなんだろ・・・
Commented by 聖月 at 2005-04-12 07:31 x
乃太郎さん こんにちは
デビュー作とか本作とか、本多孝好は大人しめですね。
でも私的に評価のよかった『FINEDAYS』は、なかなか弾けていましたよ。
なんか彼らしくなくてよかったみたいな、そんな作品群でした(^.^)
Commented by notaro_hinemojira at 2005-04-12 16:08
素早い回答ありがとうございます。相談コーナーみたいでいいですね(笑)。
『FINEDAYS』、今度図書館に行ったときにさっそく借ります。
Commented by 聖月 at 2005-04-12 16:27 x
個々人の感覚の問題もありますが、一応堂々と回答しておきました(^.^)
デビュー作『MISSING』なんか、どこか誰でも書けそうみたいなアイディア部分がなくもなかったですが、『FINEDAYS』のほうはオリジナリティ度が高かったですよ。
Commented by ヾ(=ΘΘ=)ノ at 2005-04-12 17:13 x
こんにちは。ひねもじらさんがいらっしゃっているぅ~。
実はですね、私が本多孝好を手に取ったのは、伊坂幸太郎が彼をうまいと褒めていたからなのです。(こちら⇒)
http://www.webdokusho.com/rensai/sakka/michi31.html 一作しか読んでないけど、伊坂作品の方が好きかも。ひねもじらさんの“コンサバ”という表現は、なかなか言い得ている感じがします。やっぱ、聖月さまおすすめから手に取るべし、なのかなあ。
Commented by 聖月 at 2005-04-12 18:53 x
一応ね、本多孝好のほうは透き通った文体で責める、そんな感じの作家ですね。で、その透き通り方が今ひとつ抜けきらない感がありますね。
伊坂はもう伊坂流伊坂節確立してるんですけどね。

お薦めはお薦めで薦めているのだから読んでほしいのですけどね、結局は試行錯誤した結果の教訓と勘ですなあ。
Commented by notaro_hinemojira at 2005-04-13 12:36
ヾ(=ΘΘ=)ノ さん、聖月さんこんにちは。
情報ありがとうございます。こっちでは本多孝好が伊坂幸太郎の名前を出してますね。http://summer.webdokusho.com/rensai/sakka/michi22.html
お互い意識しあっているようですね。共通点が多いし。
伊坂幸太郎が『MOMENT』の著者だったら、主人公の仕事人に殺人とか窃盗とか放火とかどんどんやらせてしまいそう。そういう意味では突き抜けてますよね。
Commented by ふらっと at 2005-10-02 09:09 x
本多孝好、初体験だったのですけれど
他の作品もぜひ読んでみたくさせてくれる一冊でした。

わたしとしては、森野の男言葉はここでは必然な気が。
女らしいキャラだと神田くんとの絡みがまったく別のものになりそうな気がするんですよねぇ。
Commented by 聖月 at 2005-10-02 09:38 x
ふらっとさん おはござ(^.^)
この人のデビュー作「MISSING」が出たときに言われていたのが、透き通る瑞々しい表現に文体作家という表現。
それが段々と物語がついてくる作家になってきましたねえ・・・
あっ、しまった、ブームが過ぎたら予約しようと思っていた『真夜中の~A&B』忘れていた。早速予約しようっと、図書館。

いや、男言葉、おっしゃる通りで。ただ好きくないのです(^^ゞ
例えば、あの伊丹映画作品なんかのマルサの女なんかの、ああいう言葉遣い。ほら・・・薩摩隼人だから・・・。
前、駅で若いカップルが喧嘩してて、女のほうが「そういうことじゃないんだよ!」って言ってたから、都会では喋る人は喋るんでしょうけど、「そういうこと言ってるんじゃないのよ」とか「~ないわ」とか、そういう風に喋りなさいと思うことども。
Commented by june at 2006-05-02 12:33 x
森野は、「がたいがいい」というイメージが先行してしまって、
頭に南海キャンディーズのしずちゃんが思い浮かんで困りました(涙)。
とりあえず「FINE DAYS」を積んであるので、楽しみです。
Commented by 聖月 at 2006-05-04 08:04 x
juneさん こんにちは
おお、タレントには詳しくない私ですが、そのお方なら知っています。なるほど。
『FINEDAYS』はきっちりした感じがよかったような、忘れたような。


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