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「本のことども」by聖月

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2008年 12月 02日

◎◎「スリーピング・ドール」 ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋 2500円 2008/10

◎◎「スリーピング・ドール」 ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋 2500円 2008/10_b0037682_12361034.jpg 『ダルジールの死』レジナルド・ヒルの書評の中で、2009年版このミス1位はこの作品で決定でいいんじゃないの、と遠慮がちに主張した評者なのだが、声高に叫ぼう。今年のこのミス2009年版の1位は本書『スリーピング・ドール』で決定しました!!!

 あのリンカーン・ライムシリーズの6作目『ウォッチメイカー』で魅力的な活躍を見せたキネシクスの専門家キャサリン・ダンスのスピンアウト作品が、本書『スリーピング・ドール』である。

 キネシクスの説明については、面倒なので『ウォッチメイカー』の書評内からコピペしよう。“このキネシクスという手法、相手の会話の状況、しぐさから、ウソを見抜き、示唆するものを見通すもので、いわゆる“論理的な人間嘘発見器”なのである。人間嘘発見器なんて小道具は、読者はみな歓迎するし、そこに論理的な裏付けが語られるなら、読書の楽しみは倍増なのである。”と、当時の評者は説明しているぞ(笑)。

 本書は、脱獄犯とそのキネシクスダンスの知恵比べのサスペンスフルなミステリーなのである。殺人犯へのインタビュー後、ダンスはある奇妙なひっかかりをおぼえる・・・もしや、脱走?と思いついた瞬間、収容施設から爆発音があがり、殺人犯は脱獄犯、逃亡犯へ転換。でも、脱獄犯はやはり殺人犯なわけで、行く先々で罪を重ねながら、逃げ延びようとするわけである。ところが、この男、天性のキネシクスの才能を持ち合わせており、つまるところダンスと犯人の先読み合戦となるわけである。いやあ、それが面白いのなんのって。

 勿論、チョイ役でリンカーンやアメリア・サックスも出てくるサービス付き。いやあ、これがこのミス1位でなきゃ、何が1位になるっていうの?聖書くらいしか考えられない。(20081122)

※ディーヴァー未読の方、是非本書から入りなさい。そのエンタメ性に驚愕乱舞したまえ。とにかく読むべし、読むべし、べし、べし本である。(書評No843)

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by kotodomo | 2008-12-02 12:36 | 書評 | Trackback | Comments(0)


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