1 2014年 01月 01日
2013年12月の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:3117ページ ナイス数:76ナイス ![]() ◎最近読書が苦痛になってきた感があって、やっぱ読書は娯楽じゃなきゃと思い、積読であったニール・ケアリーを手に取ったら、そこには娯楽があって読書が楽しかった。ただし、中盤からは苦しい。目的のために、愛する人を裏切り、そして終盤にはウィンズロウの黒い作品によくあるような、死人ゴロゴロのヘットヘト。シリーズ3作目。あとの2作も大事に娯楽読書しなきゃね。今回の任務は、子供取戻し作戦なのだが、序盤は農場のお世話になったり牧歌的。中盤はどこか人情的。そして最後は戦闘モード。最後のエピローグにホッコリ。やはり上手いね。 読了日:12月31日 著者:ドンウィンズロウ ![]() ◎非常に読みやすい。がん患者と向き合う医師と、がんと闘う末期の患者の視点と、交互に物語は進んでいくのだが、パートの切り替えが短くてサクサクと読める。半日で読了。手の施しようがなくなった時に、医師はどう考え、患者はどう考えるのか。ひとつのフィクションの中に、様々なノンフクションを組み入れたような構造で、色々と考えさせられる。不謹慎な言い方かもしれないが、その日のために、読んでおけば、また色んなものが違って見える本なのかもしれない。何も主張せず、医療の現場を肌で感じて、今後の考え方の構築の一助にしてほしい。 読了日:12月29日 著者:久坂部羊 ![]() △なんじゃこりゃ!今度こそトゥローの法廷物と思って読んだら・・・ハードボイルド無秩序へたれ主人公物。トゥローと思って読み始めたら、途中からウェストレイク風、コメディタッチのヘトヘトハードボイルドみたいな感じで、図書館本だったので、思わず表紙カバーと中身に相違ないか確かめ、結局「有罪答弁」なんていうシリアスさは皆無。事前にわかっていなかった自分がいけないのだろう。過去のこのミスランクイン作品でもあるので、当時はこの作者の新境地と評判をとったんだろうなあ。最近の二作品を読んで、法廷物と遡った自分には、意外作! 読了日:12月17日 著者:スコットトゥロー ![]() ◎ディーヴァーの物語の組立にももう慣れてきて、限られた時間で二転三転のスリリングな展開をするわけで、今回の章立ても、日曜日、月曜・・・金曜日まであって、水曜日で物語が一件落着すると、おお、ここから二転三転だなあとわかっていても面白いのは流石。人気カントリー女性シンガーを追うストーカー。そこに心理分析官的、女捜査官がいつもの活躍。水戸黄門的な土台なのだが、そこはディーヴァー、ハリウッド映画的に巧い。Aが犯人と思わせておいて・・・そんな先の読めない極上のミステリー・・・なのだが、主人公の恋の早とちりは蛇足。 読了日:12月16日 著者:ジェフリーディーヴァー ![]() ◎結局、法廷物では全然なく、ミステリーとしては面白いし、主人公を中心とした群像劇としては、抜群に面白い。妻の自死、息子や娘が親に黙っていた事実、そんなこんなを合わせると、この主人公も随分と寂しい背景を持っていたことに気付く。逆に一番身近で親身だったのが、義弟じゃないのかな。結局、男は50歳を過ぎれば孤独なことに気付くべきで、いやそうじゃないと言う人は、自分の職業の殻、近親者との関係性などを今一度冷静に見つめる必要があるかも知れない。そういう意味で、本編とはなく自分はグランドゴルフに集う老後は送りたくない。 読了日:12月15日 著者:スコットトゥロー ![]() ◎上巻では、未だ法廷物にならず。下巻ではどうなんでしょう。妻に先立たれた、50代中年弁護士が登場。息子、娘との関係性、顧問上の問題、そんなことが描かれる中、なんとメインは彼を取り巻く、第二の人生、下半身の人生、女性関係への目覚めなのである。単なる法廷物作家かと思いきや、こういう心情を伴う描写も上手いのだなあ、トゥロー。出版から20年。たまたま自分が50歳を超えてから読むわけで、30代だったら、そうかなあ?と思ったであろうことが、頷けて読めるのである。失意からすぐ立ち直り、新たな恋に落ちる?果たして自分は? 読了日:12月14日 著者:スコットトゥロー ![]() 〇お気楽コミカル警察小説。普通の警察組織では、こんな言動、こんな行動とったら怒られちゃうでしょうのオンパレードだけど、面白ければそれでいいのだという、作者の開き直った筆の捌きがすべて。放火犯対お荷物0係の構図で始まる物語なのだが、脱線を繰り返し、結局は帯の惹句からはかけ離れた面白さ(笑)傑作とかではないのだが、主人公島流しキャリア君のセリフが、時々ツボにはまったように楽しい。都合も良過ぎるし、解明されないエピソード(手品のネタ仕入れも含めて(笑)も多いけど、良くも悪くも気軽に楽しく読ませます。是非図書館で 読了日:12月7日 著者:富樫倫太郎 ![]() 〇常識的で総体まとまった本。ある程度、知識を吸収したランナーが、全体をつかむのに適した本。ただし、副題のキャバ嬢が云々は、本筋とは関係なく、キャバ嬢に埋もれた才能が存在していた程度のお話。結局は、自分にとってあちら側の人(サブ5とか4とか)たちの話で、初ゴールを目指すこちら側の人には、何がヒントになるかが鍵。栄養補給、走行距離とか。自分が参考になったのは峠走。峠を走る体力はないが、近所の一つのコースが浮かび、あの学校坂500mをバテるまで往復して、超回復がいいかも!の発想。走後のストレッチ不要論には反対。 読了日:12月1日 著者:岩本能史 読書メーター ■
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by kotodomo
| 2014-01-01 07:10
| 読書メーター
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